第2の人生の幕開け…1

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数日後、息子を引き取りの日が来た

私は朝からソワソワしていた。

娘を保育園に登園させ、その足で施設にむかった。

車には新しい「服と靴」を乗せて…。

施設に着いたら職員の人たちが出迎えてくれた。
そして、事務室のようなところに通され、息子の日常の様子などを細かく説明された。
私がそれを聞きながら話をしていると、一人の職員の方が、だんだん目を潤ませ始めた…

若い女性の職員の方でした。

「息子君、とても懐いてくれて…こんな私が言うのも何なんですが…家や仕事で辛い時は必ず息子くんが笑顔で居てくれるんです…その笑顔にどれだけ癒されたかわかりません」と…。
他の職員のかたもそれを聞いて最初こそ「ほら!泣かないの!」と言っていたが、その場でみんな、もちろん私もボロボロと泣いてしまった。

私は「ありがとうございます」としか言葉がでてこなかった。

施設長の方も慣れているはずなのに泣いていた。

続いて施設長の方からこんな言葉をいただいた…
「今の世の中、子供を平気で捨てたり、施設に預けたままで全くあいに来られないお母さんもたくさんいます。けれど息子君のお母さんは断トツで違いました。最初はこちらも段々来なくなるんだろうなと思っていましたが、毎月必ず会いに来られる姿を見て本当に励まされました。お母さん、これからが大変だろうと思いますが応援しています。」
と。

私はただただ頭を下げるだけしかできなかった。

そして、職員の方々が席を外した…。あれ?と思ったが、そういうものか、と思っていた。
その間、施設長とこれからの話などを軽くしていたら、先ほどの職員の方たちがまた入ってきて…
「お母さん…これ…息子君に使ってください。本当はこういうことは禁止されてますし、できないんですけど施設長からも承諾を得て少しですが私たちの気持ちです」と少し大きめの袋を渡された…
施設長も「これは見なかったことにしておきます…」と口を継ぐんだ。
私は紙袋の中を見るとそこには…
息子の好きなキャラクターの服やおもちゃが入っていた…。

私はすかさず「ありがとうございます!」と再度頭を下げた。
私は持ってきた服などを職員の方に預けて着替えさせてもらっていた。
持ってきた服は少しブカブカだったがサイズをあらかじめ聞いていたためそんなに気にならないくらいだった。
そして、もう事務処理も終わり、家に連れて帰る、という時間になった

息子はなにを察したのか、ギャンギャン泣いていた。

施設の人と息子との「信頼関係」がちゃんとあったのだと思う。
それだけよくしていただいたんだな、と感じた。

息子を車に乗せて出発するまで職員の方たちが見送りをしてくれた。

そして息子をチャイルドシートに乗せ車は出発した。

家族のもとへ…。

帰り道、車の中で大人しくしていた息子も家に入ると、今までの環境ではないことがわかり、色んな物に興味を示した。

さて、娘…
いや、お姉ちゃんが保育園から帰ってきたらどういう反応するかな!
と楽しみにしていた。


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