【スケッチコラム】手描きスケッチの効能は手の速さにある
1.スケッチを描く前に準備することアイディアを考案する時にまずやる作業は何でしょうか?僕の場合はテーマに関連するイメージをなるべくたくさん集めます。壁にそれらを貼り出して、眺めながら、アイデアスケッチを描いて行きます。たくさんのイメージや言葉などをストックして、壁に貼り出して見える位置に常に配置しておくことで、スケッチ作業に入る前から脳内にイメージを浮遊させておきます。そうするとスケッチ作業も割とすんなりと移行しやすい気がします。つまりイメージのトリガーとなるネタをたくさん用意しておくことで、多様なアイデアを発散していけるようになるわけですね。ネタをパクるのは良くないと思いますので、あくまでイメージの参考にする程度です。
2.スケッチは手を使って考えれば考えるほど表現も上手くなるスケッチは学生時代にデザイナー教育の中のカリキュラムに組み込まれていました。手描きによるスケッチを如何に早く、如何に見栄え良く、コンセプトを明快に伝えられるか?は学生の頃の厳しい実習に耐えてきたからこその財産です。また手が遅い、早いという言い方をよくしますが、手が早い人は、アイデアを出す量も、思考の深みも違うということです。つまり手が考えるわけです。手が遅い人はアイデアの魅力も伝えきれず、表現力が伴っていない為に、自分の考えた事を伝える機会を損なってしまいます。
有名なエピソードにデザイナー奥山清行さんのスケッチの話があります。次期フェラーリのデザインプレゼンに臨んだ奥山さん。何百枚何千枚も描いたスケッチが通らず、役員がヘリで出張に行ってしまうという事態となった。そのものの五分の間に奥山さんがスケッチ
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