怖い話『霊感が移る』
専門学校時代の女友達の何名かは、よく幽霊を見たと話をしていた。
彼女達が話す興味深い事は“霊感は移る”という話だった。
つまり、霊感というものは、風邪のウイルスか何かみたいに他人に感染するものなのだと。
当時、私は地元にある、幾つかの心霊スポットに、車好きの友人達に誘われて、連れて行かされていた。
女子数名、私も含めた男子数名の組み合わせだったと思う。
その中の女子グループの二人には、霊感があった。
元々、霊感の強い女の子は一人だけだったそうなのだが、どうも、もう一人の方は、“霊感を移された”らしいのだ。
友人グループで遊びに行く時間帯は、真夜中が多かった。
深夜ドライブしながら、みなで色々な場所へと訪れた。
心霊スポットに行く度に、女子達は何かが見えるとはしゃいでいた。骸骨が見えるだの、不気味な女の人が見えるだの。霊感がある事を楽しんでいるように思えた。
それから、奇妙な事が立て続けに起こった。
その友人達と行動をしていると、私も少しずつ“気配を感じる”ようになったのだ。それは、心霊スポットと言われるような場所だったり、普通の周辺の公園だったりした。女の子達は、自身の霊感に関しては、楽しんでいるみたいだった。
ある時、その友人達と、地元のなんでもない公園の茂みの辺りを夜に歩いていると、ブツブツと念仏を唱えて座っている謎に男性が、はっきりと私にも“視えた”。そう、私にも視えたのだ。
少し目を離した隙に、その人物は何処かへと消えていた。
どうやら、私にも“霊感”は“移ってしまったらしい”。
それ以来、私は視える事は少ないものの“気配だけは感じる”よ
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