クリスマスイブに、サンタクロースを信じなかった僕が思い出したこと
今日はクリスマスイブ。街に出ると、赤と緑の飾り、キラキラしたイルミネーション、店先から流れてくる軽快なクリスマスソング。その音と光に包まれながら、ふと考えた。「自分は、何歳までサンタクロースを信じていただろう?」……いや、正確に言うと、最初から信じていなかった。夢よりも現実が先にあった子ども時代私の家庭は、いわゆる教師一家だった。父も母も、親戚も、教育に携わる人間ばかり。だからだろうか。クリスマスの朝、枕元に置かれていたのは、ピカピカのゲームでも、流行のおもちゃでもない。ドリル帳。問題集。新品の紙の匂い。ページをめくると、規則正しく並んだ数字と漢字。ワクワクより先に、「さあ、やるか」という空気が部屋に漂っていた。その頃にはもう、「サンタクロースは親が用意している」ということを、私は当然のように理解していた。夢を壊された、という感覚すらなかった。夢という選択肢が、最初からなかった のだと思う。自分が“渡す側”になった日時は流れ、私は父親になった。しかも、子どもは一人ではない。二人、三人……気がつけば 五人。クリスマスが近づくたび、頭の中では、別の音が鳴り始める。「カタカタ…」それは電卓の音。現実的で、容赦のない音だ。正直に言えば、全員に欲しいものを欲しいだけ与えたら、財布は一瞬で空になる。我が家流の“サンタルールそこで、我が家には一つのルールが生まれた。サンタさんに手紙を書くとき、必ずこう伝える。「サンタさんにも予算があるから、3,000円以内にしてね」夢の国の住人に、まさかの予算制限。でも、不思議なことに、子どもたちは嫌な顔をしなかった。それどころか、ある年のこと。手紙を書いて
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