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占い師・理科準備室の博、まさかの壁と化す

今朝、駅へ向かう道で、前を小さな女子高生が歩いていました。背中がほんのり丸まっていて、まるで冬の朝に出てきた小動物みたいでした。そのとき、向こうから少し勢いのある足取りの男性が。ああ…見覚えのあるあの感じ。いわゆる“ぶつかりおじさん”と呼ばれるタイプの動き。なんとなく、このままでは彼女にまっすぐ突進してしまう気配がして、気づけば私はとっさに小走りしていた。ここで、私のスペックを書いておくと、身長170センチ。元バレーボール部で、それなりに丈夫。そして今は、冬に備えた“天然のクッション”(脂肪)もたっぷり搭載。言うなれば、いざというとき人を守るのに向いたボディである。そっと彼女の前に入った瞬間、男性がそのまま突進してきて、私にぶつかった。が、私はほとんど動かず。逆に、男性の方が一歩よろめいた。自分でもびっくりするほどの“衝撃吸収率”だった。彼は何も言わず、すっと別の方向へ歩いていった。女子高生は何も知らずにそのまま歩いて行った。それを見て、胸のあたりがふわっとあたたかくなった。ほんの小さなことだけれど、「誰かの朝が、少しだけ守られたかな」と思えたから。でも同時に、少し切なくもなる。街にはどうしても、イライラや不機嫌が溢れていて、誰かにぶつかりたくなる日も、人もいるのだろう。それでも、やさしさを向ける人がどこかにひっそりいるだけで、世界は少し柔らかくなる。そんなことを思いながら、私は駅へ向かった。◆ご注意◆この出来事はあくまで“とっさの反応”で起こったもので、決してマネしないでください。危険な場合もありますし、トラブルにつながる可能性があります。どうか皆さまは、安全を最優先にお過ご
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あの一杯が、今日の私を立て直してくれた

―― 寒い季節に連れて行ってくれる、小さな幸せこのところ、寒い日がつづいていますね。あっという間に、ダウンコートが手放せなくなりました。そんなとき、ふっと恋しくなるのがラーメン。昨日の夜も、冷たい風に背中を押されるようにして、いつものラーメン屋さんへ向かいました。そのお店は、魚介ベースのあっさり醤油ラーメンが看板。もう、年齢も年齢でございまして――ボリュームどーん!油どーん!チャーシューどーん!という一杯は、食べたい気持ちはあっても、もう体がついていかなくなっております。だからこそ、「おかえり」と言ってくれるような、やさしい味のこのラーメン屋さんは、今の私にとってありがたい場所です。昨日は、シンプルな醤油ラーメンを注文しました。煮干しの出汁がしっかり効いた、透き通るようなスープ。ひと口飲むと、甘みと深いコクがふわっと広がり、醤油の香りが後からすっと追いかけてくる――そのバランスが本当に絶妙なんです。中太のちぢれ麺は、そのスープをよくつかまえて、ひとすくいごとに幸せが増えていく感じ。チャーシューも脂っこすぎず、かといってパサパサでもなく、ほうれん草の青み、メンマの歯ざわりもすべてが「ちょうどいい」。食べ終わった瞬間に訪れる、あのふーーーっ……と胸の奥からほどけていくような時間。そして、自然とお店を出るときに、「…おいしかった」と声に出していた自分に気づきました。誰に向けたわけでもない、小さな独り言。でも、あの一言が、その夜どれほど満たされていたかを物語っていました。その日、どんな嫌なことがあっても、どれだけ不安があっても、一杯のラーメンが、人を幸せの頂点まで連れていく。ラーメンっ
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タラを量っていた冬のこと

高校生のころ、冬が始まる頃になると、駅前の魚屋でアルバイトをしていました。制服の上に白衣を羽織り、タラのぶつ切りを量り売りしていた日々です。時給は650円。学校が終わると、湯気の立つ店先に立ち、元気なお姉さま方に「200!」「100!」「300!」と次々声をかけられ、その声の勢いに押されるように、ひたすらタラを袋に詰めていました。魚屋では、なにより“声”が大事でした。「ぃらっしゃいませ」「ぁりがとうございました」お腹からしっかり声を出すように、と大将(店長さんのあだ名)に言われて、ときどき白い長靴の軽いツッコミが飛んできたのも、今では懐かしい思い出です。年末の30日・31日は、まさにお祭りのような忙しさでした。お姉さま方の目にはいつも以上に気合いが宿り、刺身は次々と売れていき、つまを作る手も追いつかないほど。ぐるぐると機械を回しながら、「こんなに働けるものなんだなぁ」と思ったことを、そして、意識が遠くなっていたことを、ふと覚えています。そして今日。駅ビルの魚屋さんに立ち寄ってみると、昔とは違い、静かに並ぶパックの切り身がきれいに光っていました。あの頃のような「らっしゃい!」の声は聞こえません。でも、タラの切り身を手にしたとき、高校生の私が立っていた冬の店先が、ふわりと心に戻ってきました。仕事って、形は変わっても、どこかにその時々の“あたたかさ”が残るものですね。
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天津飯が教えてくれた、「自分のために作る」ということ

占い師・理科準備室の博の、あたたかいレシピの話仕事でくたくたの日は、家でご飯を作るのがしんどい。そんなとき、最近の私の定番は天津飯だ。以前の私は、「天津飯なんて、中華屋さんで食べればいいじゃない」と思っていた。あのふわふわの卵に、野菜たっぷりの餡。どう考えても手間がかかりそうで、自分で作ろうなんて思わなかった。喫茶店を手伝っていた頃、友達がお昼のまかないに天津飯を作ってくれることがあった。白いご飯の上にふわりとのった卵。その上には、その日の残り野菜――きのこ、はくさい、にんじん、時々ピーマン。優しい餡がとろりとからんで、卵の中には小さなかにかまも隠れていた。驚くほどあたたかい味だった。その友達が喫茶店を閉めるとき、「はくちゃん、自分の食べるものは、自分で作らなきゃだめだよ」と一冊の大学ノートを渡してくれた。中には、毎日作ってくれていたまかない料理が、かわいいイラストと一緒に書き込まれていた。久しぶりにキッチンに立ち、ノートを開いて天津飯に挑戦してみた。すると――思っていたより行程が少ない。20分もかからずに出来上がってしまった。味はもちろん、彼女のレシピのおかげで大成功。一緒に食べた息子が「ママ、おいしい!やればできるんだね」と言った瞬間、“今までどれだけ微妙なものを作っていたのか”と思わず笑ってしまった。私は、新しいことを前にするとすぐ身構えてしまう癖がある。「難しそう」「大変そう」と決めつけてしまう。でも天津飯は教えてくれた。やってみると案外、すぐできることは多いのだ、と。それ以来、しんどい日ほど天津飯を作るようになった。残り野菜と卵とかにかまさえあればいい。鍋の中で餡がと
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