「共生に向けた特別支援学校教諭の取り組み」広島大学教育学部学校(特別支援教育)後期2016年
(1)問題以下の文章を読んで,あとの二つの問いに答えなさい。
① 私の妹は,療育手帳を持つ知的障がい者である。一歳半に高熱を出し,髄膜炎に罹った脳への後遺症であるらしい。妹の障がいを簡単に言えば,知能は二歳,身体は三十八歳で介助が必要な大人である。このアンバランスさが妹にとっての障害であり,社会における生きづらさなのだろうと思う。
② 私は決して優しい,いい姉ではない。お互いに幼かった頃は一緒に遊んだり,出かけたりしたが,私が周囲の視線を気にして,妹と一緒に歩くことを避けた時期もある。妹の事は隠したわけでもないが,誰かにわざわざに話さなくてもよいことであった。いちばん近くにいる向き合いたい家族なのに,距離を置いていた自分がいる。いつも真っ直ぐに一生懸命に生きている。そんな妹「ゆかちゃん」を母は「天使みたいな子だよ」と言う。
③ やがて私は結婚して,妹と離れて暮らすようになった。新しい家族もできた。もうすぐ四歳になる息子は,自分のことを「チィ」と言うので私もそう呼んでいる。息子が産まれる時,妹は母と一緒に病院の分娩室に来た。母が居るところには必ず妹がいる。痛がり苦しむ私のそばで,妹はわけのわからないことを言っていたが,それが彼女なりの私への応援だったのかもしれない。我が子が生まれ,ふと思ったことがある。私は妹の障がいをこの子に何と伝えればよいのだろうか。息子にとって叔母にあたるゆかちゃんを息子は『何かちょっと普通と違う,ヘンな人だ。」と思う時が来るのだろうか。その時,私は息子に何と言うのだろうか。これまで妹と知らずしらずのうちに距離があった私は,妹ともっと近くで関わりた
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