絞り込み条件を変更する
検索条件を絞り込む

すべてのブログから「#統計解析」タグの検索結果

11 件中 1 - 11 件表示
カバー画像

アンケートに未回答があったらどうする?看護研究で知っておきたい欠損データの考え方

アンケート調査をしていると、「回収できたけれど、一部の質問が空欄になっている」ということがあります。例えば、年齢は書いてある。経験年数も書いてある。でも、最後の質問だけ未回答。あるいは、途中から回答がなくなっている。そんなとき、このアンケートは全部使えないのでしょうか?今回は、看護研究でよく出てくる「欠損データ」の考え方についてお話しします。「回収できた」=「すべて分析できる」ではありません例えば、100人からアンケートを回収できたとします。でも、その100人全員が、すべての項目に回答しているとは限りません。ある質問には98人。別の質問には95人。さらに別の質問には90人。ということもあります。つまり、回収数と、実際に分析に使える人数は同じとは限りません。ここは意外と見落としやすいポイントです。欠損データとは?簡単にいうと、本来あるはずのデータが抜けている状態です。例えば、「経験年数を教えてください」という質問に回答がない。5段階評価のうち、1項目だけ空欄になっている。自由記述欄が未記入。こうしたものが欠損データになります。ただし、自由記述欄が任意回答であれば、未記入だからといって必ずしも問題とは限りません。どの項目が必須なのかによっても考え方は変わります。1項目空欄だから、全部除外?ここは研究によって判断が変わります。例えば、20項目あるアンケートのうち、1項目だけ未回答だったとします。その1項目が、今回の分析には使わない項目だった場合。他の19項目まで全部使えないとする必要はないかもしれません。一方で、分析に必要な重要項目が未回答なら、その分析には使用できないことがあります
0
カバー画像

【EZR/R】 "1行=1症例"の原則、なぜ守らないと解析が壊れるのか

これまで、表記ゆれ、欠損値、外れ値、カテゴリ変数と、「列(項目)の中身」をどう整えるかについて見てきました。今回は少し視点を切り替えて、「表全体の構造」そのものについて取り上げます。基本は「1行=1症例」EZR/Rにデータを読み込ませる際、最も基本となるのがシンプルな構造です。原則として、「1行につき患者様1人分」「1列につき1つの項目」という表を作ります。これがすべての土台になります。前回までに扱ってきた「表記ゆれ」も「欠損値」も「カテゴリ変数の設計」も、この土台となる構造が整っていることが前提になっています。逆に言えば、構造そのものが崩れていると、どれだけ列の中身を丁寧に整えても、解析は正しく動きません。複数回測定するデータは、「縦持ち」にする「術前・術後・1ヶ月後」のように、1人の患者さんから複数回データを取る場合や、1人から複数箇所のデータを取る場合は、少し形が変わります。1行に1つの測定結果が入る形式(同じIDが複数行に並ぶ、縦長のデータ)にするのが基本です。この「1行=1つの観測」という考え方は、統計ソフトウェアの世界で整然データ(tidy data)と呼ばれる設計思想にあたります。2014年に統計学者ハドリー・ウィッカムが提唱したこの考え方は、今やRをはじめとする多くの解析環境で標準的な前提になっています。「なんとなく見やすい表」ではなく、「ソフトウェアが正しく読み取れる表」を作る、という発想の転換がここにあります。避けたいレイアウト逆に、次のようなレイアウトは解析を壊す原因になります。・セルの結合(タイトル行や見出しの結合)・表の末尾に平均・合計などの「集計行」
0
カバー画像

公開ゲノムデータの「壊れる行列」を修復できるか検証しました

データ分析では、見た目には普通の表や行列に見えても、計算にかけた瞬間に止まることがあります。今回扱ったのは、公開されているゲノム関連データから作った LD行列 です。LDとは Linkage Disequilibrium の略で、ざっくり言うと、遺伝子上の変異同士がどれくらい一緒に現れやすいかを表す関係です。ただし、今回の検証は医療判断や遺伝リスク判定ではありません。目的はあくまで、公開データから作った相関行列が、数値計算上きちんと扱えるか を調べることです。なぜ行列が壊れるのか共分散行列や相関行列は、理想的には「正定値」という性質を持っている必要があります。正定値でないと、たとえば次のような計算が止まります。Cholesky分解逆行列を使う計算二次形式の評価統計モデルや最適化計算の一部現実のデータでは、丸め誤差、欠損、サンプル数不足、外部データからの再構成などによって、行列が厳密な正定値にならないことがあります。今回も、公開LDデータから作った行列で、実際に Cholesky分解が失敗しました。今回の検証内容今回は、1000 Genomes / Ensembl REST 由来の公開LDデータを使い、3つの染色体領域を対象にしました。それぞれの領域から、N=300 の LD行列を作成しました。結果は次の通りです。対象領域数:3各行列サイズ:N=300通常のCholesky分解:3件すべて失敗Nearest SPDによる修復:3件すべて成功Guarded SLQの再現性確認:3件すべて成功つまり、公開データから作った行列で、実際に「計算が止まる」状態を確認し、それを数値的に修復で
0
カバー画像

「結果はたくさん出た。でも全部書く?」研究目的に戻って結果を整理する

研究でデータを集めて分析すると、いろいろな結果が出てきます。思っていた通りの結果。予想していなかった結果。有意差が出た結果。有意差はないけれど、少し気になる結果。分析していると、「せっかく出した結果だから、全部論文に書きたい」と思うことがあります。特に有意差が出ると、「これは書かなければ!」と思ってしまいます。でも、結果がたくさんあることと、良い研究であることは同じではありません。今回は、研究でたくさんの結果が出たときに、何を中心に書けばよいのかを考えてみます。まず研究目的に戻ってみる結果を整理するときに、私が一番大切だと思うのは、研究目的に戻ることです。例えば、「新人看護師の〇〇と職務満足度との関連を明らかにする」という研究だったとします。ところが分析してみると、年齢。性別。所属部署。経験年数。研修参加回数。夜勤回数。さまざまな項目で違いが出てきた。その中で有意差が出ると、ついそこに注目したくなります。でも、一度、「この結果は研究目的に答えるために必要?」と考えてみます。「分析した結果」と「研究で伝えたい結果」は同じではない研究では、確認のためにさまざまな分析をすることがあります。だからといって、分析したものをすべて同じ重さで本文に書く必要はありません。もちろん、実施した分析を都合よく隠すという意味ではありません。大切なのは、研究目的に答えるために、どの結果を中心に示すのかを整理することです。分析した順番に結果を書くのではなく、研究目的との関係を考えて並べます。有意差が出た=重要、ではありません統計解析をすると、p<.05という結果が出ることがあります。有意差が出ると、どうし
0
カバー画像

卒論のアンケート、どの検定を使えばいいか迷ったときの決め方

卒論のアンケートが集まったあと、多くの人が同じところで止まります。「データはある。でも、この数字をどう処理すれば『言えること』になるのか分からない」統計の教科書は手法ごとに章が分かれているので、自分のデータがどの章に該当するのかが、いちばん分からないようにできています。ここでは、手法を選ぶための判断の順番を書きます。■ 手法は「3つの質問の答え」で決まる覚えるべきは手法名ではありません。次の3つに答えられれば、候補はほぼ1つに絞れます。質問1:知りたいのは「差」か「関係」か・グループAとBで違いがあるか → 差の話・ある値が上がると別の値も上がるか → 関係の話質問2:比べるグループはいくつか・2つ(男女、実験群と対照群)・3つ以上(学年別、地域別)質問3:測っているのは数値か、カテゴリか・数値:点数、時間、金額、身長・カテゴリ:はい/いいえ、好き/普通/嫌い、所属学部■ この3つで、だいたいこう決まります・差/2グループ/数値 → t検定・差/3グループ以上/数値 → 分散分析(ANOVA)・差/カテゴリ → カイ二乗検定・関係/数値どうし → 相関、回帰分析・関係/結果がカテゴリ → ロジスティック回帰これで多くの卒論はカバーできます。■ 手法選びより先に確認すべきこと実は、手法を間違えることより深刻な失敗があります。サンプル数が足りていない場合、どの手法を使っても答えは出ません。30人のアンケートで「有意差なし」と出たとき、それは「差がない」のか「差はあるが人数が足りなくて検出できない」のか、区別がつきません。この2つはまったく違う結論なのに、出力される数字は同じ「p &
0
カバー画像

「方法」から考え始めていませんか?研究は目的から逆算すると整理しやすいです

研究計画を考えていると、「アンケート調査をしようと思っています」「インタビューをしてみたいです」「このデータをSPSSで分析したいです」と、研究方法から話が始まることがあります。もちろん、どのように調査するかを考えることは大切です。でも、その前に一つ確認したいことがあります。「その方法を使って、何を明らかにしたいのでしょうか?」研究方法は、研究そのものの目的ではありません。今回は、研究計画を考えるときの「順番」についてお話しします。「アンケートをしたい」は研究目的ではありません例えば、「看護師100人にアンケート調査を行う」という計画があったとします。これは研究方法について説明していますが、これだけでは、何を明らかにしたい研究なのかが分かりません。同じアンケート調査でも、看護師の知識を調べたいのか。意識を明らかにしたいのか。経験年数による違いを比較したいのか。何かとの関連を調べたいのか。目的によって、必要な質問も分析方法も変わってきます。まず「何を明らかにしたいのか」を考える研究計画を考えるとき、最初に整理したいのは、「この研究で何を明らかにしたいのか?」です。ここが曖昧なまま研究方法を考え始めると、対象者も、質問項目も、分析方法も、少しずつずれていくことがあります。反対に研究目的がはっきりすると、その後の研究方法も考えやすくなります。目的が決まったら「誰に聞くか」を考える研究目的が決まったら、次に考えるのは対象者です。例えば、「新人看護師が○○についてどのような困難を感じているのかを明らかにする」のであれば、ベテラン看護師だけを対象にしても目的には答えられません。当たり前のよ
0
カバー画像

「結果が思った通りにならない…」研究で大切なのは『正しい結果』ではなく『正しく示すこと』です

研究を進めていると、「仮説と違う結果になってしまいました。」「期待していた有意差が出ませんでした。」そんな不安を感じることはありませんか?卒業研究や院内研究の指導をしていると、このような相談を受けることがよくあります。でも、研究は**「思った通りの結果を出すこと」**が目的ではありません。本当に大切なのは、得られた結果を正しく示すことです。今回は、この考え方についてお話しします。思った結果にならなくても失敗ではありません研究を始めると、「きっとこの結果になるはず」という予想を立てます。しかし、実際の研究では、その通りにならないことも珍しくありません。だからといって、その研究が失敗だったとは言えません。研究は、自分の予想を証明するためではなく、事実を明らかにするために行うものだからです。仮説と違う結果にも価値があります期待とは違う結果が出たとき、「何か間違えたのではないか。」と思ってしまうことがあります。しかし、仮説と異なる結果だからこそ、新しい発見につながる場合もあります。例えば、教育方法に違いがなかった年齢による差は見られなかった経験年数は影響していなかったという結果も、現場にとっては重要な情報です。「違いがなかった」ということも、一つの研究成果なのです。データは事実として受け止めましょう思った結果にならなかったからといって、都合の良いデータだけを使ったり、結果を自分に都合よく解釈したりしてはいけません。研究で最も大切なのは、データに誠実であることです。研究者は、結果を選ぶ人ではなく、結果を正しく伝える人です。結果と考察は分けて考えます結果では、「何が分かったのか」を事実とし
0
カバー画像

有意差がない結果は「失敗」ではありません|看護研究で大切にしたい考え方

統計解析を終えたあと、「有意差が出ませんでした。研究として失敗でしょうか」と相談を受けることがあります。時間をかけてデータを集めたのに、p値が0.05以上だったら、がっかりしてしまう気持ちはよく分かります。しかし、有意差がなかったことも大切な研究結果の一つです。研究の価値は、有意差が出たかどうかだけで決まるものではありません。今回は、有意差が認められなかった結果を、どのように受け止めて考察につなげるかについてお話しします。有意差がない=差がない、ではありませんまず気を付けたいのは、有意差が認められなかったからといって、差がまったく存在しないと証明されたわけではないということです。統計解析で有意差が認められなかった場合は、「差がない」と断定するのではなく、「今回の対象者と研究条件では、統計学的に明確な差を確認できなかった」と考える方が適切です。対象者数やデータのばらつき、測定方法などによって、結果の見え方は変わります。p値だけで結果を判断しない研究結果を見るとき、p値だけに注目してしまうことがあります。しかし、結果を理解するためには、各群の平均値や中央値データのばらつき対象者数実際の差の大きさ信頼区間なども確認することが大切です。例えば、有意差は認められなかったものの、平均値には一定の傾向がみられる場合もあります。ただし、その場合も「差がある」と断定せず、傾向として慎重に示す姿勢が必要です。対象者数は十分だったでしょうか対象者数が少ない研究では、実際に差があったとしても、統計学的に確認しにくい場合があります。反対に、対象者数が非常に多い場合には、わずかな差でも有意差として示される
0
カバー画像

統計解析は難しくても、「検定を選んだ理由」は説明できますか?

「統計解析が苦手です。」研究指導をしていると、この相談を受けることは少なくありません。確かに、統計には専門用語が多く、初めて学ぶ方にとっては難しく感じるものです。しかし、私が学生や院内研究でよくお伝えしているのは、「統計の名前を覚えることより、検定を選んだ理由を説明できることが大切です。」ということです。今回は、研究で意外と見落とされがちな「検定を選ぶ理由」についてお話しします。統計は「有意差を出すため」のものではありません研究では、「p<0.05だったので有意差がありました。」という結果だけに注目してしまうことがあります。もちろん、有意差を確認することは大切です。しかし、本来の統計解析は、研究の疑問に対して、客観的な根拠を示すための手段です。「有意差が出たか」だけではなく、「研究目的に合った解析だったか」という視点も重要になります。まず考えるのは「何を知りたいのか」統計手法は、研究目的によって選びます。例えば、2つのグループを比較したいのか3つ以上のグループを比較したいのか2つの項目に関連があるのか知りたいのか前後で変化したかを確認したいのか目的によって適切な検定は変わります。つまり、最初に決めるのは統計ではなく、研究目的です。SPSSは答えを出してくれますが、理由までは説明してくれません現在ではSPSSなどの統計ソフトを使えば、解析自体は比較的簡単に行えます。しかし、ソフトが結果を出してくれても、「なぜこの検定を使ったのですか?」という質問には答えてくれません。研究発表や論文では、この「選んだ理由」を説明できることが求められます。査読で確認されるポイント論文査読では、統計結
0
カバー画像

【EZR/R】外れ値、その「性質」は一つではない

前回、欠損値には性質の違いがあり、対処法も一つではない、という話をしました。実は、外れ値にも同じことが言えます。「明らかにおかしい数値だから、とりあえず消しておこう」——そう判断したくなる気持ち、よく分かります。ですが、外れ値も欠損値と同じく、なぜその値が生まれたのかによって、扱い方がまったく変わります。今回は、外れ値とどう向き合うかを整理します。そもそも、外れ値とは何か外れ値(outlier)とは、他の大多数のデータから、極端に離れた値のことを指します。ただ、「極端に離れている」という感覚は人によって曖昧になりがちなので、統計の世界では、これを客観的な基準で判定する方法がいくつか用意されています。代表的なものを2つ紹介します。方法1:四分位範囲(IQR)を使う方法データを小さい順に並べたとき、下から25%の位置にある値を第1四分位数(Q1)、下から75%の位置にある値を第3四分位数(Q3)と呼びます。このQ3とQ1の差を四分位範囲(IQR)と言います。このIQRを使って、次の範囲から外れた値を「外れ値」とみなす、というのが最も一般的な考え方の一つです。下限:Q1 − 1.5 × IQR上限:Q3 + 1.5 × IQRこの範囲の外にある値が、外れ値と判定されます。箱ひげ図を描いたときに、箱の外に点としてポツンと表示される値が、まさにこれにあたります。方法2:平均・標準偏差を使う方法データが正規分布(釣り鐘型の分布)に近い場合、平均から標準偏差の2倍、あるいは3倍以上離れた値を外れ値とみなす、という方法もよく使われます。正規分布では、平均±2標準偏差の範囲に、全体の約95%のデ
0
カバー画像

【EZR/R】カテゴリ変数、表記を揃えた後にどう設計するか

前回、「Male」「male」「Male(末尾スペース)」のように、表記のわずかな違いがカテゴリを分裂させてしまう問題を取り上げました。データの入力規則やプルダウン化によって、表記自体はきれいに揃えられます。ただ、実はここで終わりではありません。表記が揃った後、そのカテゴリ変数を「予測に使う側(説明変数)」として解析に投入するときに、もう一段階の設計が必要になります。今回は、その部分を扱います。「基準」に何を置くかで、結果の向きが決まる一番シンプルな例で考えてみます。「介入あり/介入なし」という2カテゴリの変数を、結果を予測するための説明変数として、ロジスティック回帰に投入する場面を想像してください。EZR/Rの内部では、このカテゴリは「0」と「1」に置き換えられて計算されます。このとき、どちらを0(基準)にするかによって、結果の見え方の向きがまったく変わります。・2カテゴリの場合「介入なし=0(基準)」「介入あり=1」とすれば → 結果は「介入なしと比べて、介入するとどうなるか」という、自然な向きで出てきます逆に「介入あり=0(基準)」としてしまうと → 結果は「介入したことと比べて、介入しないとどうなるか」という、不自然でねじれた向きになってしまいます数学的にはどちらでも正しく計算されますが、「何が知りたかったか」という研究の目的に合っているかどうかは別問題です。多くの場合、「何もない・介入していない状態」を基準に置くと、結果が一番自然に解釈できます。「そこを起点に、要因を加えるとどう変わるか」を語りたいからです。・3カテゴリ以上の場合これが3カテゴリ以上(例:「非喫煙」「
0
11 件中 1 - 11