研究計画を考えていると、
「アンケート調査をしようと思っています」
「インタビューをしてみたいです」
「このデータをSPSSで分析したいです」
と、研究方法から話が始まることがあります。
もちろん、どのように調査するかを考えることは大切です。
でも、その前に一つ確認したいことがあります。
「その方法を使って、何を明らかにしたいのでしょうか?」
研究方法は、研究そのものの目的ではありません。
今回は、研究計画を考えるときの「順番」についてお話しします。
「アンケートをしたい」は研究目的ではありません
例えば、
「看護師100人にアンケート調査を行う」
という計画があったとします。
これは研究方法について説明していますが、
これだけでは、
何を明らかにしたい研究なのか
が分かりません。
同じアンケート調査でも、
看護師の知識を調べたいのか。
意識を明らかにしたいのか。
経験年数による違いを比較したいのか。
何かとの関連を調べたいのか。
目的によって、必要な質問も分析方法も変わってきます。
まず「何を明らかにしたいのか」を考える
研究計画を考えるとき、
最初に整理したいのは、
「この研究で何を明らかにしたいのか?」
です。
ここが曖昧なまま研究方法を考え始めると、
対象者も、
質問項目も、
分析方法も、
少しずつずれていくことがあります。
反対に研究目的がはっきりすると、
その後の研究方法も考えやすくなります。
目的が決まったら「誰に聞くか」を考える
研究目的が決まったら、
次に考えるのは対象者です。
例えば、
「新人看護師が○○についてどのような困難を感じているのかを明らかにする」
のであれば、
ベテラン看護師だけを対象にしても目的には答えられません。
当たり前のように感じますが、
実際に研究計画を作っていくと、
「協力してもらいやすいから」
「人数を集めやすいから」
といった理由で、対象者が少しずつ目的から離れてしまうことがあります。
大切なのは、
「誰からデータを集めれば、研究目的に答えられるのか?」
という視点です。
次に「何を聞けば分かるのか」を考える
対象者が決まったら、
次は調査内容です。
ここでも研究目的に戻ります。
例えば、
「○○に対する困難を明らかにする」
ことが目的なのに、
年齢、性別、経験年数、資格などの属性ばかり詳しく調べても、
肝心の「困難」は分かりません。
逆に、
思いついた質問をたくさん追加してしまうと、
研究目的と関係のないデータが増えてしまいます。
昨日の記事でも触れましたが、
「聞けることを聞く」のではなく、「目的に答えるために必要なことを聞く」
ことが大切です。
データを集める前に「どう分析するか」も考える
調査内容が決まったら、
そのデータをどう分析するのかも考えます。
例えば、
2つのグループを比較したいのか。
項目同士の関連を調べたいのか。
自由記述から共通する内容を整理したいのか。
研究目的によって、必要なデータも分析方法も異なります。
調査が終わってから、
「このデータ、どう分析すればいいんだろう?」
となるのではなく、
データを集める前に、分析まで考えておく
ことが重要です。
「SPSSを使うこと」が目的になっていませんか?
統計解析について相談を受けていると、
「SPSSを使いたいです」
「○○検定を使おうと思っています」
というところから話が始まることもあります。
でも、
統計ソフトや検定方法は、
研究目的に答えるための手段です。
高度な統計解析を使えば、良い研究になるわけではありません。
まず、
「何を比較したいのか」
「何との関連を調べたいのか」
を考え、
その目的に合った分析方法を選びます。
分析方法から研究目的を決めるのではなく、研究目的から分析方法を選ぶ。
この順番を意識するだけでも、研究計画はかなり整理しやすくなります。
「目的→対象者→調査内容→分析方法」で考えてみる
研究計画がうまくまとまらないときは、
一度、次の順番で整理してみてください。
研究目的
↓
何を明らかにしたい?
対象者
↓
誰からデータを集めれば分かる?
調査内容
↓
何を聞けば分かる?
分析方法
↓
集めたデータをどう整理すれば目的に答えられる?
この4つが自然につながっていれば、
研究計画全体にも一本の筋が通ってきます。
最後に「逆向き」に確認してみる
研究計画ができたら、
今度は逆向きに確認してみるのもおすすめです。
例えば、
「この分析をすると、研究目的に答えられる?」
「この質問項目から、分析に必要なデータが得られる?」
「この対象者に質問すれば、知りたいことが分かる?」
と、一つずつ戻っていきます。
すると、
「この質問は必要ないかもしれない」
「このデータが足りない」
「そもそも対象者が違うかもしれない」
といったズレが見つかることがあります。
私が研究計画を見るときに意識していること
研究計画を確認するとき、
私はそれぞれの項目を単独で見るというより、
「全部がつながっているか」
を見るようにしています。
目的だけを見ると良さそう。
方法だけを見ても問題なさそう。
でも、
目的と方法を並べてみると、
少しずれている。
こうしたことは意外とあります。
研究計画書は、それぞれの欄を埋めれば完成するものではありません。
研究目的から分析まで、一つの流れとしてつながっていること
が大切だと思います。
まとめ
研究を考えるとき、
最初から、
「アンケートをしよう」
「インタビューをしよう」
「SPSSを使おう」
と方法を決める必要はありません。
まず考えたいのは、
「何を明らかにしたいのか?」
です。
そこから、
研究目的
↓
対象者
↓
調査内容
↓
分析方法
と考えていくと、研究計画を整理しやすくなります。
研究計画がまとまらなくなったときほど、
新しい方法を追加するのではなく、
一度、研究目的に戻ってみる。
すると、
「本当に必要なこと」が見えてくることがあります。
方法を決めてから目的を合わせるのではなく、目的を達成するために方法を選ぶ。
研究計画を立てるときに、意識してみてください。
「研究目的と方法がうまくつながらない。」
「計画書を書いているうちに、何を調べたいのか分からなくなってきた。」
そんな方は、お気軽にご相談ください。
研究目的から対象者、調査内容、分析方法まで、研究計画全体のつながりを確認しながら整理をサポートいたします。
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