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学び
「研究論文は最初から順番に書く?」書きやすいところから進めても大丈夫です
記事
学び
むくみん
2026/08/31 13:15
研究論文を書こうとして、
Wordを開く。
タイトルを書いて、
次に「はじめに」。
そして、
……止まる。
こんな経験はないでしょうか。
「論文なんだから、最初から順番に書かないと」
と思って、
背景から一生懸命書こうとする。
でも、なかなか文章がまとまらない。
気付けば30分、1時間と経っている。
研究論文には、
背景、目的、方法、結果、考察、結論……
と順番があります。
でも、
書く順番まで、その通りである必要はあるのでしょうか。
今回は、研究論文を「どこから書くか」について考えてみます。
読む順番と、書く順番は同じでなくてもいい
完成した論文は、
背景
↓
研究目的
↓
研究方法
↓
結果
↓
考察
↓
結論
という流れになっています。
そのため、
書くときも背景から始めなければならないように感じます。
でも、
「完成したときの順番」と「作るときの順番」は別
と考えてもよいと思います。
例えば料理でも、
完成した料理の上から順番に作るわけではありません。
先に下ごしらえをして、
別のものを煮て、
その間に別の材料を切る。
最後に一つの料理になります。
論文も少し似ています。
背景から書こうとして止まっていませんか?
研究論文の最初にあるのが背景です。
だから、
「まず背景を完成させよう」
と思います。
ところが背景は、意外と難しいところです。
先行研究を整理する。
何が分かっているかを示す。
何が分かっていないかを示す。
研究の必要性につなげる。
そして研究目的へつなげる。
昨日の記事でも書きましたが、
背景は単に知っていることを並べる場所ではなく、
研究目的まで読者を連れていく道筋
です。
だからこそ、最初から完璧に書こうとすると止まりやすいのだと思います。
すでに研究が終わっているなら「方法」からでもいい
例えば、
すでにデータ収集まで終わっている研究なら、
研究方法
は比較的書きやすい部分です。
対象者。
研究期間。
調査方法。
調査内容。
分析方法。
倫理的配慮。
など、
実際に行ったことを整理していきます。
もちろん論文として適切な表現に整える必要はありますが、
背景や考察と比べると、
「何を書けばよいのか」が見えやすい
部分でもあります。
だったら、
まず方法を書いてしまう。
私はそれでもよいと思います。
結果がまとまっているなら「結果」からでもいい
分析まで終わっているなら、
結果から書き始める方法もあります。
表を作る。
図を作る。
主要な結果を整理する。
文章として結果を書く。
ここまで進むと、
「今回の研究で何が分かったのか」
が見えやすくなります。
すると、
考察で何を考えればよいかも整理しやすくなります。
私なら「書けるところ」を先に埋めます
論文を書こうとして止まっているとき、
ずっと同じ一文を考え続けても、
なかなか進まないことがあります。
そんなときは、
書けるところへ移動する
のも一つの方法です。
例えば、
背景が書けない。
↓
方法を書く。
方法を書いた。
↓
結果を整理する。
結果まで書いた。
↓
考察を書いてみる。
そして最後に、
もう一度背景へ戻る。
最初は書けなかった背景が、
意外と書きやすくなっていることがあります。
後から背景を書くと見えてくることもあります
研究を始めた頃と、
分析まで終わった頃では、
自分自身の研究への理解が変わっていることがあります。
最初は、
「〇〇について調べたい」
くらいだったものが、
研究を進めるうちに、
「この研究で本当に重要なのはここだったんだ」
と見えてくることがあります。
その状態でもう一度背景を見ると、
必要な先行研究。
研究の必要性。
研究目的までの流れ。
が整理しやすくなることがあります。
ただし「目的」は途中で変えてよい、という意味ではありません
ここは注意が必要です。
結果が出たあとに、
都合のよい研究目的へ変更する
という意味ではありません。
例えば、
Aについて調べる研究だった。
でもAでは有意差が出なかった。
Bでは有意差が出た。
だから、
最初からBを調べた研究だったことにする。
これは別の話です。
今回言いたいのは、
決められた研究目的の範囲で、論文を書く作業の順番を変えてもよい
ということです。
「結果が出なかったから目的を変える」は違います
研究をしていると、
予想していた結果が出ないことがあります。
でも、
それも研究結果です。
以前の記事でも触れましたが、
思った通りの結果が出なかったからといって、
無理に研究全体を作り直す必要はありません。
論文を書く順番を自由にすることと、
研究そのものを結果に合わせて変えること
は分けて考えます。
考察から書いてもいい?
私は、
材料が揃っているのであれば、
考察のメモから始めてもよいと思います。
例えば結果を見ながら、
「これは〇〇が関係しているかもしれない」
「この結果はAらの研究と似ている」
「反対にBらとは違う」
「この違いは対象者の特徴かな」
と、思いついたことを書いておく。
最初からきれいな文章にする必要はありません。
まず、
考察の材料を置いていく
というイメージです。
「完成させる」と「材料を置く」を分けてみる
論文が進まない理由の一つに、
一つの項目を、
最初から完成形にしようとする
ことがあります。
例えば背景を書き始めて、
1段落目を完璧にするまで2段落目へ進まない。
すると、
なかなか前に進みません。
そこで、
最初は、
背景
〇〇について説明する
↓
先行研究Aを使う
↓
〇〇は分かっている
↓
△△はまだ不明
↓
今回△△を調べる
くらいでも構いません。
まず骨組みを作る。
文章を整えるのは後です。
Wordの空白を埋めることを最初の目標にしてもいい
真っ白なWord画面を見ると、
なかなか書き始められないことがあります。
そこで最初は、
完成した論文を書くのではなく、
各項目に材料を置く
ことを目標にしてみます。
例えば、
背景
使いたい先行研究を3本置く。
方法
対象者と調査方法を書く。
結果
表を貼る。
考察
結果について思ったことを箇条書きする。
結論
現時点で一番言えそうなことを一文だけ書く。
これだけでも、
真っ白だった論文に全体像ができます。
一か所で止まらないことも大切です
背景の一文がうまく書けない。
そこで1時間考える。
翌日も同じ一文を考える。
これでは、なかなか論文が進みません。
そんなときは、
「ここは後で戻る」
と印を付けて、次へ進んでもよいと思います。
例えば、
【あとで文献追加】
【表現を修正】
【この解釈は要確認】
と残しておく。
論文全体が見えてから戻ると、
意外と簡単に解決することがあります。
ただし、最後は必ず順番につなぎ直します
書く順番は自由でも、
完成した論文は、
バラバラでは困ります。
最後には、
背景
↓
研究目的
↓
研究方法
↓
結果
↓
考察
↓
結論
が一本につながっているか確認します。
ここはとても大切です。
「それぞれ書けている」と「論文としてつながっている」は違います
背景は書けている。
目的もある。
方法も書いた。
結果もある。
考察も長く書いた。
結論もある。
それでも、
論文全体として読むと、
何かバラバラ
ということがあります。
例えば、
背景で問題にしていたことと研究目的が少し違う。
研究目的と結果が対応していない。
結果で示していないことを考察している。
考察した内容と結論がつながっていない。
各項目が完成していても、
これでは一本の研究として読みにくくなります。
最後は「目的」を中心に確認する
ここ最近の記事でも何度か書いていますが、
私は最終的には、
研究目的
へ戻るのが分かりやすいと思っています。
この目的を明らかにするために、
この方法を使った。
↓
その結果、これが分かった。
↓
その結果について、こう考えた。
↓
だから、研究目的に対してこう結論づけた。
この流れになっているでしょうか。
書く順番は自由。でも論理の順番は大切
ここが今回一番伝えたいところです。
書く順番は、ある程度自由です。
でも、
論理の順番まで自由というわけではありません。
結果を先に書いてもよい。
方法から書いてもよい。
背景を後から整えてもよい。
ただ、完成したときには、
読者が、
「だからこの研究をしたのね」
「だからこの方法なのね」
「その結果から、こう考えたのね」
と追えるようにします。
私ならこんな順番で進めます
すでに研究が終わっていて、
これから論文を書くのであれば、
私なら一例として、
①研究目的を再確認する
↓
②研究方法を書く
↓
③結果・表・図を整理する
↓
④考察の材料を箇条書きする
↓
⑤考察を書く
↓
⑥背景を整理する
↓
⑦結論を書く
↓
⑧最初から最後までつながりを確認する
という進め方も考えます。
もちろん、
全員がこの順番である必要はありません。
自分が進めやすいところから始めて構いません。
まとめ
研究論文には、
読むための順番があります。
でも、
その順番通りに書かなければならないわけではありません。
背景で止まったら、
方法を書いてみる。
方法が終わったら、
結果を整理する。
考察のアイデアが浮かんだら、
先にメモしておく。
そして後から、
背景や結論を整える。
大切なのは、
最初から完璧な文章を書くことではなく、研究全体を少しずつ形にすること
だと思います。
ただし最後には、
背景 → 目的 → 方法 → 結果 → 考察 → 結論
が一本につながっているか確認します。
書く順番は自由。
でも、
論理の順番は大切です。
「最初の一文が書けない」
とWordの前で止まっているなら、
いったんそこを飛ばしてみてもよいかもしれません。
書けるところを一つ埋める。
それだけで、
止まっていた研究論文が少し動き始めることがあります。
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