「結果はたくさん出た。でも全部書く?」研究目的に戻って結果を整理する

「結果はたくさん出た。でも全部書く?」研究目的に戻って結果を整理する

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研究でデータを集めて分析すると、いろいろな結果が出てきます。

思っていた通りの結果。

予想していなかった結果。

有意差が出た結果。

有意差はないけれど、少し気になる結果。

分析していると、

「せっかく出した結果だから、全部論文に書きたい」

と思うことがあります。

特に有意差が出ると、

「これは書かなければ!」

と思ってしまいます。

でも、

結果がたくさんあることと、良い研究であることは同じではありません。

今回は、研究でたくさんの結果が出たときに、何を中心に書けばよいのかを考えてみます。

まず研究目的に戻ってみる


結果を整理するときに、私が一番大切だと思うのは、

研究目的に戻ること

です。

例えば、

「新人看護師の〇〇と職務満足度との関連を明らかにする」

という研究だったとします。

ところが分析してみると、

年齢。

性別。

所属部署。

経験年数。

研修参加回数。

夜勤回数。

さまざまな項目で違いが出てきた。

その中で有意差が出ると、ついそこに注目したくなります。

でも、一度、

「この結果は研究目的に答えるために必要?」

と考えてみます。

「分析した結果」と「研究で伝えたい結果」は同じではない


研究では、確認のためにさまざまな分析をすることがあります。

だからといって、

分析したものをすべて同じ重さで本文に書く必要はありません。

もちろん、実施した分析を都合よく隠すという意味ではありません。

大切なのは、

研究目的に答えるために、どの結果を中心に示すのか

を整理することです。

分析した順番に結果を書くのではなく、

研究目的との関係を考えて並べます。

有意差が出た=重要、ではありません


統計解析をすると、

p<.05

という結果が出ることがあります。

有意差が出ると、どうしても目立ちます。

「ここは考察できそう」

「何か意味がありそう」

と思います。

でも、

統計学的に有意であることと、研究目的にとって重要であることは別です。

例えば、研究目的とはほとんど関係のない属性で偶然有意差が出たとしても、

それを論文の中心にする必要があるとは限りません。

まず確認したいのは、

「なぜ、この分析をしたのか」

です。

「有意差が出たから考察する」になっていませんか?


結果を書くと、

次は考察です。

ここでも同じことが起こります。

有意差が出た。


理由を調べる。


先行研究を探す。


考察を書く。

こうすると、一見きれいにまとまります。

でも、

研究目的から離れた結果について考察がどんどん長くなり、

本当に明らかにしたかったことの考察が薄くなる

ことがあります。

考察は、

「有意差が出たところを説明する場所」

ではありません。

研究目的に対して、

今回の結果から何が言えるのか。

そこを考える場所です。

面白い結果が出たときはどうする?


研究をしていると、

当初は予想していなかった面白い結果が出ることもあります。

これは悩みます。

「研究目的には直接入っていないけれど、かなり面白い」

という結果です。

もちろん、

研究目的に書いていないから絶対に触れてはいけない

というわけではありません。

ただ、

その結果をどの程度扱うのかは考える必要があります。

補足的な結果として示すのか。

探索的な結果として扱うのか。

今後の研究課題につなげるのか。

場合によっては、

次の研究テーマになる

こともあります。

面白い結果だからといって、現在の研究の中心に無理やり持ってくる必要はありません。

結果をたくさん書くと「何が分かったのか」が見えなくなる


例えば結果の章に、

表1。

表2。

表3。

図1。

図2。

さらに、

「Aでは有意差がみられた」

「Bでは有意差がみられなかった」

「CとDには関連がみられた」

と大量に並んでいる。

分析としては丁寧かもしれません。

でも、読む側からすると、

「結局、この研究で一番大切な結果は何?」

となることがあります。

研究では、

情報量が多いことより、

研究目的に対する答えが見えること

の方が大切です。

表に全部書いて、本文でも全部説明していませんか?


結果が多い研究では、

表にも結果を書き、

本文でも同じ数値をすべて書くことがあります。

例えば表に、

A群 5.2±1.1
B群 4.1±1.0
p=.012

と載っている。

その直後に本文でも、

「A群は5.2±1.1、B群は4.1±1.0であり、A群が有意に高かった(p=.012)」

とすべて説明する。

必要な場合もありますが、

表を見れば分かる数字まで全部文章にすると、

結果の章がかなり長くなります。

本文では、

「この表から何を読み取ってほしいのか」

を中心に書く方法もあります。

「結果」と「考察」を混ぜない


結果がたくさんあると、

結果を書きながら、

「これは〇〇が影響したと考えられる」

と理由まで書きたくなることがあります。

でも、

結果=何が分かったか

考察=その結果をどう解釈するか

です。

結果では、

まず得られた事実を示します。

その意味を考えるのは考察です。

ここを分けると、

結果の文章もかなり整理しやすくなります。

研究目的から逆算して結果を並べてみる


結果がまとまらないときは、

分析した順番ではなく、

研究目的から逆算して並べる

方法があります。

例えば研究目的が、

「Aの実態を明らかにし、Bとの関連を検討する」

なら、

① 対象者の概要


② Aの実態


③ AとBとの関連

という順番で結果を整理できます。

これなら、

読んでいる側も、

「今、研究目的のどこに答えているのか」

が分かります。

目的・結果・考察・結論を一直線にしてみる


研究全体を確認するとき、

私はこの4つを並べてみると分かりやすいと思います。

研究目的


結果


考察


結論

例えば、

研究目的

AとBとの関連を明らかにする。

結果

Aが高いほどBも高い傾向がみられた。

考察

〇〇という背景から、AとBには関連がある可能性が考えられる。

結論

AとBとの関連が示唆された。

このようにつながれば、

研究全体の軸が見えます。

反対に、

結論を読んだとき、

研究目的には書かれていなかった話が突然出てくる

場合は、一度全体を見直した方がよいかもしれません。

「結果を削る」のではなく「優先順位をつける」


ここまで読むと、

「結果を減らした方がいいの?」

と思うかもしれません。

必ずしもそうではありません。

大切なのは、

結果に優先順位をつけること

です。

研究目的に直接答える結果。


その結果を理解するために必要な結果。


補足的な結果。

このように整理します。

全部の結果を同じ大きさで扱う必要はありません。

研究目的が曖昧だと、結果も整理しにくくなる


ここで、以前の記事につながります。

研究目的が、

「〇〇について明らかにする」

だけで広すぎると、

何を結果として中心にすればよいのかも分かりにくくなります。

つまり、

結果がまとまらない原因が、実は研究目的にある

こともあります。

研究目的を具体的にすると、

「これは必要」

「これは補足」

という判断もしやすくなります。

私なら「この結果がなくても目的に答えられる?」と考えます


結果が多すぎて整理できないとき、

一つずつ、

「この結果がなくても研究目的に答えられる?」

と考えてみます。

なくても答えられる。


補足的な結果かもしれない。

これがないと目的に答えられない。


中心となる結果。

もちろん、これだけで機械的に決められるわけではありません。

でも、

何を中心に見せるか

を考える一つの方法になります。

せっかく分析したから、は理由にならない


研究には時間がかかります。

データを入力して、

分析して、

表を作って。

だから、

「せっかくここまで分析したのだから載せたい」

という気持ちはよく分かります。

でも、論文を読む人にとって重要なのは、

分析にどれだけ時間がかかったかではありません。

この研究で何が分かったのか

です。

研究者側の「もったいない」より、

読む側の「分かりやすい」を優先する。

結果を整理するときには、それも大切だと思います。

まとめ


研究では、

分析すればするほど、

いろいろな結果が出てきます。

でも、

結果がたくさんある=すべてを同じように書く

ではありません。

迷ったときは、

研究目的に戻る。

そして、

この結果は研究目的に答えるために必要か
なぜこの分析をしたのか
有意差が出たことだけで重要だと思っていないか
結果と考察を混ぜていないか
目的・結果・考察・結論がつながっているか

を確認してみます。

結果を整理するときの基準は、

「面白い結果か」よりも「研究目的に答えているか」。

せっかく出した結果を全部見せることより、

この研究で何が分かったのかを、読み手が理解できること。

その方が、研究全体はずっと伝わりやすくなると思います。

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