「図を入れたのに分かりにくい」はなぜ?図と文章の役割を分けると伝わります

「図を入れたのに分かりにくい」はなぜ?図と文章の役割を分けると伝わります

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学び
PowerPointや学会発表のスライドを作っていて、

「文章ばかりだから、図を入れた方が分かりやすいかな」

と思うことがあります。

図を入れる。

矢印を付ける。

色も付ける。

確かに、文章だけだったスライドより見た目は良くなります。

でも完成したものを見ると、

「あれ?図を入れたのに、なんだか分かりにくい……」

ということがあります。

図を入れれば、自動的に分かりやすい資料になるわけではありません。

大切なのは、

「この情報は図で伝えるのか、文章で伝えるのか」

を考えることです。

今回は、図と文章の役割について考えてみます。

図を入れる目的は何でしょうか?


まず考えたいのが、

「なぜ、この図を入れるの?」

ということです。

なんとなく文章だけでは寂しいから。

スライドらしく見えるから。

図があった方が格好いいから。

もちろん、見た目も大切です。

でも、図には本来、

文章では分かりにくい情報を、視覚的に理解しやすくする

という役割があります。

例えば、

AからBへ進み、その後Cへ進む。

という流れなら、

文章で長く説明するより、

A → B → C

と見せた方が、一瞬で関係を理解できます。

図が得意なのは「関係」を見せること


図が特に力を発揮するのは、

情報同士の関係を見せたいとき

です。

例えば、

時間の流れ
手順
原因と結果
全体と部分
グループ同士の関係
情報の階層
変化の方向

などです。

「まず〇〇を行い、その結果△△となり、最終的に□□につながる」

と文章で説明するより、

〇〇 → △△ → □□

と図にした方が理解しやすいことがあります。

逆に、こうした関係がない情報を無理に図にすると、

何を表している図なのか分からない

こともあります。

図の横に同じ文章を書いていませんか?


よくあるのが、

図を作ったあと、

図の内容をそのまま文章でも説明する

パターンです。

例えば図に、

情報収集 → 分析 → 計画 → 実施 → 評価

と書いてある。

その横にも、

「まず情報収集を行い、その後分析を行います。分析後に計画を立案し、実施した後に評価します」

と書く。

間違いではありません。

でも、

ほぼ同じ情報が2回出ています。

見る側は、

図を見ればいいのか。

文章を読めばいいのか。

少し迷います。

図と文章は「役割分担」すると考える


私は、

図=構造や関係を見せる

文章=意味や補足を伝える

と考えると整理しやすいと思っています。

先ほどの、

情報収集 → 分析 → 計画 → 実施 → 評価

という流れなら、

流れそのものは図に任せる。

文章では、

「評価結果によっては再度情報収集に戻ります」

など、図だけでは伝わりにくいことを補足する。

そうすると、

図と文章がそれぞれ違う役割を持ちます。

「図+長文」は意外と見るのが大変です


図を入れたことで安心して、

その横に長い文章を残してしまうことがあります。

すると、

図を見る


文章を読む


また図に戻る

という動きが必要になります。

作っている本人は内容を知っているので、それほど気にならないかもしれません。

でも、初めて見る人にとっては、

どこから見ればいいのか分からないスライド

になっている可能性があります。

図を入れたなら、

文章を少し減らせないか。

一度考えてみてもよいと思います。

図だけで全部説明しようとするのも難しい


反対に、

「図にしたから文章はいらない」

と考えるのも少し危険です。

図だけを見ても、

「この矢印は何を意味しているの?」

「この2つはどういう関係?」

「色が違うのはなぜ?」

となることがあります。

図には、

必要に応じて、

短いラベル

見出し

一言の説明

を加えます。

全部を文章に戻す必要はありません。

図を理解するために必要な最低限の言葉を添える

というイメージです。

矢印を使えば関係が伝わるとは限りません


図を作るときに便利なのが矢印です。

でも、

矢印も増やしすぎると分かりにくくなります。

AからB。

AからC。

BからD。

CからD。

さらにDからA……。

気付けば矢印だらけ。

こうなると、

どの流れが一番大切なのか

分からなくなります。

矢印を使うときも、

「この矢印は何を意味しているのか」

を考えてみます。

時間の流れなのか。

因果関係なのか。

影響なのか。

単なる順番なのか。

意味を統一すると、図も読みやすくなります。

色にも意味を持たせる


図を見やすくするために、

色を使うこともあります。

ただ、

青、赤、緑、黄色、オレンジ……

と増やしてしまうと、

「この色には何か意味があるのかな?」

と見る側が考えてしまいます。

例えば、

青=現在

赤=問題点

緑=改善後

のように意味を持たせる。

あるいは、

強調したい部分だけ色を変える。

色も、

情報を理解するための手段

として使うと分かりやすくなります。

図のタイトルも意外と大切です


図を作ったら、

その図だけを見て、

「これは何を示している図なのか」

分かるでしょうか。

例えば、

「研究の流れ」

「研修実施までの手順」

「〇〇が起こる仕組み」

など、

短いタイトルを付けるだけでも意味が伝わりやすくなります。

特に学会発表では、

発表者本人は図の意味を完全に理解しています。

でも、聴衆はその図を初めて見ます。

「自分には分かる」ではなく、「初めて見た人にも分かるか」

で確認することが大切です。

図を見せた瞬間に全部説明しない


これは発表するときにも関係します。

複雑な図を表示した瞬間に、

「AからBに進み、Cとの関係があり、その後Dに……」

と話し始めても、

聞いている側はまだ図の全体像を理解できていません。

まず、

「こちらは〇〇の全体像を示した図です」

と伝える。

そのあと、

「まず左側をご覧ください」

「次に中央です」

と案内する。

以前の記事でも触れましたが、

発表者には、

聴衆の視線を案内する役割

もあります。

「文章を図にする」ことが目的になっていませんか?


資料作成では、

文章をSmartArtなどに変換すると、

一気にスライドらしく見えることがあります。

ただ、

文章を四角で囲んで矢印でつないだだけでは、

実質的には、

「文章を図の形に並べただけ」

ということもあります。

それが悪いわけではありません。

でも、

本当に図にすることで理解しやすくなったのか。

確認してみる必要があります。

場合によっては、

短い箇条書きの方が分かりやすい

こともあります。

図を作ったら文章を隠してみる


図が分かりやすいか確認するとき、

一度、

横にある説明文を隠してみる

方法もおすすめです。

図だけを見て、

何を示しているか分かるか。

情報の流れが分かるか。

どこが重要か分かるか。

もし全く分からないなら、

図そのものを少し整理した方がよいかもしれません。

反対に、

図だけですべて分かるなら、

横にある長い文章は減らせる可能性があります。

私なら「どちらに任せる?」と考えます


図と文章の両方があるスライドを見たとき、

私は、

「この情報は、どちらに任せる?」

と考えます。

流れは図に任せる。

具体的な数字は表に任せる。

結論は短い文章で示す。

注意点だけ文章で補足する。

このように役割を分けると、

同じ内容を何度も書かなくて済みます。

そして、

スライド全体の情報量も自然に減っていきます。

図は「飾り」ではなく情報です


資料を見やすくするために、

イラストやアイコンを入れることもあります。

もちろん、それもよいと思います。

ただ、

説明のための図

と、

雰囲気を整えるためのイラスト

は少し役割が違います。

説明図なら、

見た人がそこから情報を読み取れる必要があります。

「図を入れたから見やすい」

ではなく、

「この図によって何が分かりやすくなったのか」

まで考えてみます。

まとめ


図を入れることは、

資料を分かりやすくする方法の一つです。

でも、

図を入れれば自動的に伝わる資料になるわけではありません。

大切なのは、

図と文章の役割を分けること。

図には、

構造。

関係。

流れ。

変化。

などを任せる。

文章では、

意味。

補足。

注意点。

結論。

などを伝える。

そして、

同じ情報を図と文章の両方で繰り返しすぎない。

資料を作ったあと、

図の横に長い文章があったら、

一度、

「この情報は図と文章、どちらに任せた方が分かりやすいだろう?」

と考えてみてください。

図を増やすことよりも、

図に何を任せるかを決めること。

その方が、伝わる資料に近づくと思います。

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