「1枚にまとめた方が親切?」情報を詰め込みすぎたスライドが伝わりにくい理由

「1枚にまとめた方が親切?」情報を詰め込みすぎたスライドが伝わりにくい理由

記事
学び
学会発表や研修資料を作っていると、

「せっかく1枚に収まるから、ここまで入れてしまおう」

と思うことがあります。

結果を載せて、グラフも載せて、その説明も入れて、最後に考察まで入れる。

確かに1枚には収まっています。

でも、

**「1枚に収まっている」と「1枚で伝わる」は、少し違います。**

今回は、スライドに情報を詰め込みすぎてしまうと、なぜ伝わりにくくなるのかについて考えてみます。

文字が少なくても「情報が多い」ことがあります


スライドが見にくいというと、

「文字が多すぎるのでは?」

と考える方も多いと思います。

もちろん、文字量は大切です。

ただ、文字数を減らせば必ず見やすくなるわけではありません。

例えば1枚のスライドに、

* グラフ
* 表
* 結果①
* 結果②
* 結果③
* その解釈
* 強調したい結論

が入っていたらどうでしょうか。

一つ一つの文章は短くても、

見る側には、

「結局、どこを見ればいいんだろう?」

という迷いが生まれます。

これは文字量ではなく、情報量の問題です。

作る側は全部分かっているから気づきにくい


スライドを作っている本人は、

その研究や内容についてよく分かっています。

グラフの意味も、

表のどこが重要なのかも、

結果①と結果②がどうつながっているのかも分かっています。

そのため、

「これくらいなら分かるだろう」

と思ってしまいます。

でも、見る側はそのスライドを初めて見ます。

しかも学会発表や研修では、

説明を聞きながら、

スライドも見なければなりません。

発表者にとっては整理された1枚でも、

見る側にとっては、

数秒で理解しなければならない1枚

です。

ここには意外と大きな差があります。

「入るから入れる」になっていませんか?


PowerPointを作っていると、

空いている場所があると何かを入れたくなることがあります。

「ここにもう一つ図が入りそう」

「この下に説明も追加できそう」

「せっかくだから、この結果も載せておこう」

そうして少しずつ情報が増えていきます。

そして最終的には、

きれいに1枚に収まっているけれど、何を伝えたいのか分からないスライド

になってしまうことがあります。

大切なのは、

「あと何が入るか」ではなく、「この1枚で何を伝えたいか」

です。

1枚にまとめることが、必ずしも親切とは限りません


「スライド枚数を増やすと見にくいのでは?」

と考えて、できるだけ1枚にまとめようとすることもあります。

でも、

情報量の多い1枚をじっくり見てもらうより、

内容を2枚に分けた方が理解しやすい場合があります。

例えば、

1枚目
「結果:A群では○○が多かった」

2枚目
「この結果から考えられること」

と分ける。

すると、

見る側はまず結果に集中できます。

そのあとで、

「では、その結果をどう考えるのか」

に頭を切り替えることができます。

スライドを分けることは、

単にページ数を増やすことではありません。

見る人が情報を理解する順番を作ること

でもあります。

「結果」と「考察」を同時に見せる必要がありますか?


研究発表では、

結果と考察を1枚にまとめたくなることがあります。

もちろん、内容によってはそれが効果的な場合もあります。

ただ、

結果のグラフを見ながら、

その数値を確認して、

同時に考察の文章まで読む。

これは見る側にとって意外と忙しい作業です。

まず結果を見せる。

次に、その結果について考察する。

このように分けた方が、

発表者の話についていきやすくなることがあります。

「関連している情報だから同じスライドに置く」

ではなく、

「同時に見せる必要がある情報なのか」

と考えてみることが大切です。

迷ったら「このスライドを一言で言うと?」と考える


スライドに情報を入れすぎているか迷ったとき、

私は、

「このスライドを一言で説明すると何だろう?」

と考える方法が分かりやすいと思っています。

例えば、

「経験年数が長いほど○○が高かった」

と一言で説明できるのであれば、

そのメッセージを伝えるために必要な情報を残します。

反対に、

「経験年数との関係と、部署による違いと、自由記述の結果と……」

となるのであれば、

もしかすると複数のスライドに分けた方がよいかもしれません。

スライド枚数を減らすことが目的ではありません


発表時間が決まっていると、

スライド枚数も気になると思います。

確かに、必要以上に枚数を増やす必要はありません。

ただ、

枚数を減らすために情報を詰め込む

のは少し違います。

20枚の分かりにくいスライドより、

25枚でも流れが分かりやすいスライドの方が、

発表を聞く側には理解しやすいことがあります。

大切なのは枚数そのものではなく、

発表時間の中で、見る人が無理なく情報を追えるかどうか

です。

「削る」だけでなく「分ける」という選択肢


スライドを見やすくする方法というと、

「文字を削る」

ことがよく言われます。

もちろん、それも大切です。

でも、

どうしても削れない情報もあります。

そんなときは、

無理に削るのではなく、

「分ける」

という方法があります。

1枚に詰め込んで小さく表示するより、

2枚に分けて、

それぞれで伝えたいことをはっきりさせる。

それだけで、

同じ情報でもかなり見やすくなることがあります。

まとめ


スライドを作っていると、

「できるだけ1枚にまとめた方が親切」

と思ってしまうことがあります。

でも、

情報をまとめることと、情報を詰め込むことは違います。

大切なのは、

「このスペースに何が入るか」

ではなく、

「この1枚で何を伝えるか」

です。

文字が多ければ削る。

情報が多ければ分ける。

そして、

見る人がどの順番で理解するのかを考える。

スライドがごちゃごちゃしてきたときは、

デザインを変える前に、

「このスライド、本当は何を伝えたいんだろう?」

と考えてみてください。

情報を追加するよりも、

1枚の役割を整理することで、

ぐっと伝わりやすくなることがあります。



「内容は決まっているけれど、スライドにすると見にくくなってしまう」

「何を削って、何を分ければよいのか分からない」

といった場合には、学会発表や研修・講義資料の構成整理からスライド作成までサポートしています。



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