学会発表や研修資料を作っていると、
「この文字、小さいかな?」
と気になることがあります。
そこで文字を大きくしてみる。
確かに、大きな文字は読みやすくなります。
でも、
文字を大きくすれば、見やすいスライドになるのでしょうか?
実際には、文字サイズだけを大きくしても、かえって窮屈なスライドになることがあります。
今回は、スライドの「文字サイズ」について考えてみます。
小さい文字は、やっぱり読みにくい
まず前提として、
小さすぎる文字は読みにくいです。
PowerPointを作っているパソコンでは問題なく読めても、実際の発表では状況が違います。
スクリーンまで距離があります。
会場が明るいこともあります。
プロジェクターによっては、パソコンで見るより文字がぼやけることもあります。
発表者からは見えていても、
後ろの席ではほとんど読めない
ということもあります。
そのため、文字をある程度大きくすることは大切です。
ただ、問題はここからです。
文字を大きくしたら、今度は入らない
よくあるのが、
文字が小さい
↓
文字サイズを大きくする
↓
文章が入りきらない
↓
余白を狭くする
↓
行間も詰める
↓
図も小さくする
という流れです。
最終的には、
文字は大きいのに、なぜか見にくいスライド
になってしまいます。
これは、
文字サイズだけを直そうとしているからです。
本当の問題は「文字サイズ」ではないかもしれません
文字を大きくしたら入らなくなった。
そんなとき、
もう一度文字を小さくする前に考えてみたいことがあります。
それは、
「そもそも、この文章を全部載せる必要がある?」
ということです。
例えば、
「本研究の結果から、A群ではB群と比較して○○が高い傾向にあることが明らかとなった」
と書く代わりに、
A群はB群より○○が高かった
とできるかもしれません。
発表では口頭で説明できます。
スライドに発表原稿をすべて載せる必要はありません。
文字が小さくなってしまうときは、
文字サイズではなく、情報量を見直すサイン
になっていることがあります。
全部を同じ大きさにする必要もありません
スライドには、
タイトル、
本文、
結果の数字、
図表の説明、
出典、
注釈など、
さまざまな文字があります。
これらを全部同じ大きさにすると、
何が重要なのか分かりにくくなります。
例えば、
一番伝えたい結果は大きくする。
補足情報は少し小さくする。
タイトルと本文にも差をつける。
文字サイズには、
情報の優先順位を伝える役割
もあります。
見る人が一瞬で、
「ここが重要なんだな」
と分かるようにすることが大切です。
「何ポイントなら正解?」とは言い切れません
PowerPointについて調べると、
「本文は○pt以上」
「タイトルは○pt」
といった目安を見かけることがあります。
目安として参考にはなります。
ただ、
○ptなら必ず見やすい
とは限りません。
会場の大きさ、
スクリーンのサイズ、
発表形式、
オンラインなのか対面なのか、
使用するフォント、
文章量などによって見え方は変わります。
そのため、
数字だけを守るより、
実際にどう見えるか
を確認する方が大切です。
フォントによっても見え方は変わります
同じ32ポイントでも、
フォントが違えば印象は変わります。
線が細いフォントは、
大きくしても遠くから見えにくいことがあります。
反対に、
線がはっきりしたフォントは、
同じサイズでも読みやすく感じることがあります。
つまり、
文字サイズとフォントはセットで考える
必要があります。
以前の記事でも触れましたが、
フォントは「何でも同じ」ではありません。
行間や余白も大切です
例えば、
同じ文字サイズ、
同じ文章、
同じフォント
だったとしても、
行間が詰まっているだけで読みにくくなります。
反対に、
文字の周囲に少し余白があるだけで、
かなり読みやすくなることがあります。
つまり、
見やすさは、
文字サイズだけで決まっているわけではありません。
文字サイズ、
文章量、
行間、
余白、
配置、
フォント。
これらが組み合わさって、スライド全体の読みやすさが決まります。
大きくしたい文字ほど「短くする」
個人的に意識したいのが、
強調したい文章ほど短くする
ことです。
例えば、
「本研究において最も重要であると考えられた結果は○○であった」
ではなく、
「○○が最も重要な結果」
くらいまで短くできれば、
文字を大きくできます。
大きな文字を使いたいなら、
その分だけ文章を短くする。
この考え方を持っておくと、
スライドを整理しやすくなります。
「読ませる」のか「見せる」のか
発表スライドを作るとき、
もう一つ考えてみたいのが、
その文章を
読んでもらいたいのか
それとも、
一瞬で理解してもらいたいのか
ということです。
長い文章をスクリーンに映すと、
聞き手は文章を読むことに集中します。
その間、発表者の話は入りにくくなります。
一方、
短いキーワードや数字であれば、
一瞬で確認して、
また発表者の話に集中できます。
発表スライドは、
資料を読むためのものではなく、
話を理解するための補助
として考えると、必要な文字量やサイズも変わってきます。
一度、画面から離れて見てみる
スライドが完成したら、
編集画面だけで確認せず、
スライドショー表示にして少し離れて見てみるのもおすすめです。
そして、
「この文字、本当に読める?」
と確認します。
可能であれば、
実際に使用する会場や似た環境で確認できると、さらに安心です。
作っている本人は内容を知っているので、
多少文字が小さくても読めてしまいます。
だからこそ、
初めて見る人の立場で確認する
ことが大切です。
まとめ
スライドを見やすくしようとして、
文字サイズを大きくする。
これは間違いではありません。
ただ、
「文字を大きくする=見やすくなる」
とは限りません。
文字を大きくしたら窮屈になったときは、
無理に詰め込むのではなく、
文章を短くできないか。
情報を減らせないか。
スライドを分けられないか。
余白を作れないか。
と考えてみます。
大切なのは、
「何ポイントにするか」ではなく、「見る人が無理なく理解できるか」
です。
文字サイズは、そのための一つの手段。
文字を大きくする前に、
「この文字、本当に全部必要かな?」
と考えてみると、スライドが少し整理しやすくなるかもしれません。
学会発表や研修資料を作っていて、
「文字を大きくすると収まらない」
「どこまで削ればよいか分からない」
「内容はあるけれど、スライドにすると見にくい」
といった場合には、内容整理からスライド作成までサポートしています。
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