「対象者を集めれば研究になる」ではありません|研究対象者の選び方で結果は変わります

「対象者を集めれば研究になる」ではありません|研究対象者の選び方で結果は変わります

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研究計画を立てるとき、

「対象者は何人くらい集めればいいですか?」

という質問を受けることがあります。

もちろん、対象者数を考えることは大切です。

でも、その前に考えてほしいことがあります。

それは、

「誰を対象にする研究なのか?」

ということです。

研究対象者は、単に集めやすい人を集めればよいわけではありません。

誰を対象にするかによって、得られる結果も、その結果から言えることも変わります。

今回は、研究を始める前に考えておきたい「研究対象者の選び方」についてお話しします。

まず「誰について明らかにしたいのか」を考える


例えば、

「看護師の○○に対する認識を明らかにする」

という研究を考えたとします。

この場合、

「看護師なら誰でもよい」

とは限りません。

研究目的によっては、

新人看護師
臨床経験5年以上の看護師
特定部署に勤務する看護師
管理職
特定の看護を経験した看護師

など、対象となる人が変わります。

まず考えたいのは、

研究目的を達成するためには、誰からデータを集める必要があるのか

ということです。

対象者は多ければ多いほど良い?


「100人より500人の方が良い研究になりますか?」

必ずしも、そうとは限りません。

もちろん、研究方法によっては十分な対象者数が必要になります。

しかし、

研究目的と関係のない人をたくさん集めても、研究の質が高くなるわけではありません。

反対に、インタビューなどの質的研究では、一人ひとりから深くデータを集めることもあります。

大切なのは、

「何人集めたか」だけではなく、「なぜその人たちを対象にしたのか」

を説明できることです。

「選択基準」を決めておく


研究計画書では、

どのような人を研究対象者とするのかを明確にしておく必要があります。

例えば、

「A病院に勤務する看護師」

だけでは、少し曖昧です。

研究目的によっては、

「A病院の一般病棟に勤務し、臨床経験3年以上の看護師」

など、条件を設定することがあります。

このように、

「どのような人を研究対象者にするのか」

をあらかじめ決めておくことが大切です。

「除外基準」も考える


対象にする条件だけでなく、

「どのような場合は対象から除くのか」

を考えることもあります。

例えば、

研究期間中に休職している
対象となる業務を経験していない
管理職は対象としない
調査内容を理解することが難しい

などです。

もちろん、何を除外するかは研究によって異なります。

重要なのは、

研究を始めてから都合よく対象者を選ばないこと。

研究計画の段階で、できるだけ明確にしておきます。

「集めやすい人だけ」になっていませんか?


院内研究では、

自分が勤務している部署など、協力をお願いしやすい人を対象にすることがあります。

現実的には、対象者を集められる環境を考えることも必要です。

ただし、

「お願いしやすいから」

という理由だけで対象者を決めてしまうと、研究目的と対象者が合わなくなることがあります。

また、特定の部署や施設だけを対象とした場合、

その結果を、

「すべての看護師に当てはまる」

と考えることはできません。

対象者の偏りは結果にも影響します


例えば、

新人看護師が多い施設で調査した結果と、

ベテラン看護師が多い施設で調査した結果では、

違いが出るかもしれません。

大学病院だけを対象にした研究と、

地域の中小規模病院を対象にした研究でも、

結果が異なる可能性があります。

だからこそ論文では、

「誰を対象にした研究なのか」

をきちんと示します。

研究結果を見るときにも、

「この結果は、どのような対象者から得られたものなのか」

という視点が大切です。

研究計画書では「なぜその対象なのか」を説明する


研究計画書を書くとき、

対象者の欄に、

「○○病院の看護師100名」

とだけ書いて終わっていないでしょうか。

もちろん、研究計画書の様式によって書き方は異なりますが、

考えておきたいのは、

なぜ、その人たちを対象にする必要があるのか

ということです。

研究目的と対象者がつながっていれば、

研究全体の筋道も分かりやすくなります。

私が研究計画を見るときに確認すること


研究計画を確認するとき、

私は、

「この対象者からデータを集めることで、本当に研究目的に答えられるのか?」

という視点で見るようにしています。

対象者を先に決めてから研究目的を考えるのではなく、

研究目的がある → その目的に合う対象者を考える

という順番です。

これは当たり前のようですが、研究計画を作っているうちに意外とずれてしまうことがあります。

まとめ


研究対象者を決めるとき、

単に、

「何人集めるか」

だけを考えるのではなく、

「誰からデータを集めれば研究目的に答えられるのか」

を考えることが大切です。

確認したいポイントは、

研究目的に合った対象者になっているか
対象者を選ぶ基準が明確か
除外する条件を決めているか
集めやすさだけで選んでいないか
対象者に偏りがないか
その対象者を選んだ理由を説明できるか

です。

研究対象者の設定は、

研究計画書の中では数行で書かれることもあります。

しかし、その数行が、

「この研究結果から、どこまで言えるのか」

にも関わってきます。

研究テーマや方法だけでなく、

「誰を対象にするのか」

にも、ぜひ目を向けてみてください。

「研究対象者をどう設定すればよいか分からない。」

「研究目的と研究方法がうまくつながらない。」

そんな方は、お気軽にご相談ください。

研究目的から対象者、方法まで、研究計画全体のつながりを確認しながら整理をサポートいたします。

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