名前を書かなければ匿名?看護研究で気をつけたい個人情報の扱い

名前を書かなければ匿名?看護研究で気をつけたい個人情報の扱い

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学び
看護研究を進めていると、

「名前は書いていないので、個人情報にはならないですよね?」

と聞かれることがあります。

確かに、氏名は個人を特定する大きな情報の一つです。

しかし、名前を消しただけで、必ずしも個人が分からなくなるとは限りません。

特に病院や施設など限られた集団を対象とする看護研究では、いくつかの情報を組み合わせることで、「この人では?」と推測できてしまうことがあります。

今回は、看護研究で気をつけたい個人情報の扱いについてお話しします。

「氏名を書かない=誰か分からない」とは限りません


例えば、研究結果の中に、

「50代・男性・看護師長・手術室勤務20年以上」

と書かれていたとします。

全国規模の調査なら、これだけで個人を特定することは難しいかもしれません。

しかし、ある一つの病院を対象とした研究だったらどうでしょうか。

「あの人では?」

と分かってしまう可能性があります。

つまり、

一つひとつでは個人を特定できない情報でも、組み合わせることで誰なのか推測できることがある

ということです。

少人数を対象とする研究では特に注意


看護研究では、

一つの病棟
一つの部署
特定の職種
特定の経験年数

など、比較的小さな集団を対象にすることがあります。

対象者が少なくなるほど、属性を細かく示すことで個人が推測される可能性も高くなります。

例えば、

「経験年数25年以上の認定看護師」

という情報が、その部署に一人しかいなければ、名前を書いていなくても分かってしまいます。

対象者の背景をどこまで示す必要があるのか。

研究結果をまとめるときには、この視点も大切です。

自由記述にも注意が必要です


アンケートの自由記述やインタビューの内容にも注意が必要です。

例えば、

「昨年○○病棟から異動してきたときに……」

「以前○○委員会の委員長をしていたとき……」

といった記述があれば、

本人が誰なのか推測できる可能性があります。

自由記述をそのまま論文や発表資料に掲載するのではなく、

個人や施設が特定される情報が含まれていないか

を確認することが必要です。

学会発表でも同じです


研究対象者への配慮は、

データ収集が終わったら終了ではありません。

論文だけでなく、

学会発表
ポスター
院内発表
報告書
研修資料

などで研究結果を公表するときにも必要です。

発表スライドに対象者の詳しい背景を書きすぎたり、施設が推測できる情報を載せたりしていないか。

発表前にもう一度確認してみましょう。

データの「保管」も研究倫理の一部です


個人情報への配慮というと、

研究結果をどう公表するかに目が向きがちです。

しかし、

集めたデータをどのように管理するのか

も重要です。

アンケート用紙やインタビューデータ、分析用ファイルなどには、研究対象者に関する情報が含まれていることがあります。

誰がデータを見ることができるのか。

どこに保存するのか。

いつまで保管するのか。

どのように廃棄するのか。

こうしたことも、研究を始める前に考えておく必要があります。

「研究だから使ってよい」ではありません


研究に必要な情報だからといって、

何でも収集してよいわけではありません。

「この情報は本当に研究に必要なのか?」

という視点も大切です。

年齢が必要なら、

本当に「43歳」といった具体的な年齢が必要なのか。

「40歳代」でも研究目的を達成できるのではないか。

必要以上に詳しい情報を集めないことも、

研究対象者を守る方法の一つです。

倫理審査申請書では具体的に書きます


倫理審査申請書では、

単に、

「個人情報に配慮します」

だけでは、どのように配慮するのかが分かりません。

例えば、

データをどのように匿名化するのか
対応表を作成するのか
データをどこに保存するのか
誰がアクセスできるのか
研究終了後にどう処理するのか

など、

具体的な方法を示すことが大切です。

研究対象者をどのように守るのかを、研究を始める前に考える。

倫理審査には、そんな役割もあります。

私が研究指導で意識していること


研究計画を確認するとき、

「名前を書いていないから大丈夫」

で終わらせないようにしています。

大切なのは、

「この情報から対象者が推測される可能性はないか?」

という視点です。

研究者にとっては何気ない情報でも、

同じ職場の人が見ればすぐに分かることがあります。

特に看護研究は、身近な職場を対象にすることも多いため、この視点はとても重要だと思います。

まとめ


研究における個人情報への配慮は、

単に名前を消せば終わりではありません。

属性の組み合わせから個人が推測されないか
少人数の集団では情報を細かく出しすぎていないか
自由記述に特定につながる情報が含まれていないか
発表や論文でも匿名性が守られているか
データを適切に管理できているか
そもそも必要以上の情報を集めていないか

こうしたことを、研究を始める段階から考えておく必要があります。

研究を進めることと同じくらい、

研究に協力してくださる方を守ることも大切です。

「倫理審査申請書にどこまで書けばよいか分からない。」

「個人情報への配慮をどう文章にすればよいか迷っている。」

そんな方は、お気軽にご相談ください。

研究内容に合わせて、倫理審査申請書や研究計画書の整理をサポートいたします。

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