アンケートに未回答があったらどうする?看護研究で知っておきたい欠損データの考え方

アンケートに未回答があったらどうする?看護研究で知っておきたい欠損データの考え方

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学び
アンケート調査をしていると、

「回収できたけれど、一部の質問が空欄になっている」

ということがあります。

例えば、

年齢は書いてある。

経験年数も書いてある。

でも、最後の質問だけ未回答。

あるいは、

途中から回答がなくなっている。

そんなとき、

このアンケートは全部使えないのでしょうか?

今回は、看護研究でよく出てくる「欠損データ」の考え方についてお話しします。

「回収できた」=「すべて分析できる」ではありません


例えば、

100人からアンケートを回収できたとします。

でも、その100人全員が、

すべての項目に回答しているとは限りません。

ある質問には98人。

別の質問には95人。

さらに別の質問には90人。

ということもあります。

つまり、

回収数と、実際に分析に使える人数は同じとは限りません。

ここは意外と見落としやすいポイントです。

欠損データとは?


簡単にいうと、

本来あるはずのデータが抜けている状態

です。

例えば、

「経験年数を教えてください」

という質問に回答がない。

5段階評価のうち、1項目だけ空欄になっている。

自由記述欄が未記入。

こうしたものが欠損データになります。

ただし、

自由記述欄が任意回答であれば、

未記入だからといって必ずしも問題とは限りません。

どの項目が必須なのかによっても考え方は変わります。

1項目空欄だから、全部除外?


ここは研究によって判断が変わります。

例えば、

20項目あるアンケートのうち、

1項目だけ未回答だったとします。

その1項目が、

今回の分析には使わない項目だった場合。

他の19項目まで全部使えないとする必要はないかもしれません。

一方で、

分析に必要な重要項目が未回答なら、

その分析には使用できないことがあります。

つまり、

欠損がある=その人のデータをすべて除外

とは限りません。

何を分析するのかによって考える必要があります。

分析ごとに人数が違うこともあります


例えば、

年齢との関連を見る分析では95人。

経験年数との関連を見る分析では98人。

別の質問項目では100人。

というように、

分析によって対象者数が変わる

ことがあります。

これは必ずしもおかしいことではありません。

大切なのは、

読んでいる人が、

「この分析は何人で行ったのか」

を分かるようにしておくことです。

論文や研究報告では、

必要に応じて分析対象者数を明確にします。

欠損が多い項目は、質問そのものを見直すヒントになる


ある1つの質問だけ、

未回答が多かったとします。

そんなとき、

単に、

「回答してくれなかった」

で終わらせるのではなく、

なぜこの質問だけ回答されなかったのか

を考えてみることも大切です。

例えば、

質問文が分かりにくかった。

答えにくい内容だった。

選択肢が不足していた。

対象者にとって該当しない質問だった。

など、

質問そのものに原因がある可能性もあります。

欠損データは、

アンケート設計を振り返る材料にもなります。

回答者の負担が大きすぎなかった?


以前の記事でも触れましたが、

質問項目が多すぎると、

後半になるほど回答が抜けることがあります。

最初の質問にはしっかり答えているのに、

後半になるにつれて空欄が増えている。

そんな場合は、

回答者が疲れてしまった可能性も考えられます。

つまり、

欠損はデータ分析だけの問題ではなく、調査設計にも関係する

ということです。

アンケートを作る段階から、

必要な質問に絞ることも大切になります。

欠損を都合よく扱わない


研究では、

思った通りの結果を出すことが目的ではありません。

欠損データについても同じです。

「この人を入れると有意差が出ないから除外しよう」

「この回答は都合が悪いから使わない」

というように、

結果を見てから都合よく対象者を選ぶ

ことは避けなければなりません。

どのような場合に分析から除外するのか。

欠損をどのように扱うのか。

できるだけ研究計画の段階で考えておくことが重要です。

「有効回答数」も確認する


アンケート調査では、

配布数、

回収数、

有効回答数

という言葉を使うことがあります。

例えば、

200人に配布。

150人から回収。

そのうち分析に必要な項目がそろっていた140人を対象に分析。

という場合です。

このとき、

何をもって「有効回答」としたのか

を説明できるようにしておきます。

単に、

「10人分は除外しました」

ではなく、

なぜ除外したのかが重要です。

欠損を埋めればいい?


統計解析では、

欠損値を扱うためのさまざまな方法があります。

場合によっては、

欠損した値を推定する方法などが使われることもあります。

ただし、

空欄を適当に平均値で埋めればよい

という話ではありません。

どの方法が適切なのかは、

欠損の状況や研究デザイン、分析方法によって変わります。

研究初心者の場合は、

自己判断で処理するより、

使用する統計手法や研究指導者と相談しながら決めた方が安全です。

まずは「どこが欠けているか」を確認する


データ入力が終わったら、

いきなり統計解析を始めるのではなく、

まずデータ全体を確認してみましょう。

例えば、

未回答はいくつあるか
特定の項目に集中していないか
途中から未回答になっていないか
明らかな入力ミスはないか
分析に必要な項目がそろっているか

などです。

こうした確認をしてから分析に進むことで、

後になって、

「人数が合わない」

「この分析だけ対象者数が違う」

という混乱を減らせます。

論文では人数が分かるようにする


結果を書くとき、

分析ごとに対象者数が違う場合は、

そのことが分かるようにしておくことが大切です。

例えば、

全体の対象者数は100人なのに、

ある表ではn=94。

別の分析ではn=97。

理由が書かれていなければ、

読者は、

「残りの人はどこにいったの?」

と思います。

研究者にとっては分かっていることでも、

読み手が追えるように書く

ことが必要です。

まとめ


アンケートを回収したあと、

一部に未回答があると、

「このデータは使えない?」

と不安になることがあります。

でも、

欠損があるからといって、

必ずその人のデータをすべて除外するわけではありません。

大切なのは、

どの項目が欠けているのか
その項目は分析に必要なのか
分析ごとの対象者数は何人なのか
なぜ欠損が起きたのか
どの基準で除外するのか

を整理することです。

そして何より、

結果を見てから都合よく欠損を扱わないこと。

回収数だけではなく、

その中のデータがどのような状態なのかまで確認する。

これもアンケート研究では大切な作業です。

「アンケートを回収したけれど、未回答が多くてどうすればよいか分からない」

「有効回答数をどのように考えればよいか迷っている」

「SPSSに入力した後、分析前に何を確認すればよいか分からない」

といった場合には、研究内容や分析方法に合わせて整理をサポートしています。

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