「統計解析が苦手です。」
研究指導をしていると、この相談を受けることは少なくありません。
確かに、統計には専門用語が多く、初めて学ぶ方にとっては難しく感じるものです。
しかし、私が学生や院内研究でよくお伝えしているのは、
「統計の名前を覚えることより、検定を選んだ理由を説明できることが大切です。」
ということです。
今回は、研究で意外と見落とされがちな「検定を選ぶ理由」についてお話しします。
統計は「有意差を出すため」のものではありません
研究では、
「p<0.05だったので有意差がありました。」
という結果だけに注目してしまうことがあります。
もちろん、有意差を確認することは大切です。
しかし、本来の統計解析は、
研究の疑問に対して、客観的な根拠を示すための手段です。
「有意差が出たか」だけではなく、
「研究目的に合った解析だったか」
という視点も重要になります。
まず考えるのは「何を知りたいのか」
統計手法は、研究目的によって選びます。
例えば、
2つのグループを比較したいのか
3つ以上のグループを比較したいのか
2つの項目に関連があるのか知りたいのか
前後で変化したかを確認したいのか
目的によって適切な検定は変わります。
つまり、
最初に決めるのは統計ではなく、研究目的です。
SPSSは答えを出してくれますが、理由までは説明してくれません
現在ではSPSSなどの統計ソフトを使えば、解析自体は比較的簡単に行えます。
しかし、
ソフトが結果を出してくれても、
「なぜこの検定を使ったのですか?」
という質問には答えてくれません。
研究発表や論文では、
この「選んだ理由」を説明できることが求められます。
査読で確認されるポイント
論文査読では、
統計結果そのものだけではなく、
検定方法が適切か
データの種類に合っているか
正規性の確認を行っているか
比較方法が研究目的に合っているか
なども確認されます。
そのため、
統計解析は「結果」だけでなく、「過程」も大切になります。
私が研究指導で最初に確認すること
統計について相談を受けたとき、
私は最初に
「何を明らかにしたい研究ですか?」
と確認します。
その目的が整理できると、
どの統計手法が適切かも考えやすくなります。
逆に、目的が曖昧なまま統計だけを考えてしまうと、
適切な解析を選ぶことが難しくなります。
統計は暗記より考え方が大切です
統計の名称をすべて覚える必要はありません。
大切なのは、
何を比較したいのか
何を明らかにしたいのか
そのためにどの方法が適切なのか
という流れを理解することです。
この考え方が身につくと、
研究計画から考察まで、一貫性のある研究につながります。
まとめ
統計解析は難しく感じるかもしれません。
しかし、
「なぜこの検定を選んだのか」
を説明できるようになるだけで、
研究の完成度は大きく変わります。
統計は目的ではなく、
研究の疑問に答えるための手段です。
もし、
「この統計で合っているのか不安」
「統計結果を論文やレポートにどう書けばよいか分からない」
という方は、お気軽にご相談ください。
研究内容に合わせて、一緒に整理しながらサポートいたします。
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