【実績ゼロからの官公庁参入・後編】「実績がない」の壁を越える最強のカード。官公庁取引でイノベーションを広げませんか?

【実績ゼロからの官公庁参入・後編】「実績がない」の壁を越える最強のカード。官公庁取引でイノベーションを広げませんか?

記事
ビジネス・マーケティング
こんにちは。元・官公庁の発注担当者として、現在はココナラで入札に関する伴走支援を行っているMIXTRYです。

前編では、官公庁ならではの予算構造や、コンプライアンスを重視するがゆえの「厳格なルール」についてお話ししました。ルールを正しく知ることで、未然にリスクを防ぎ、安心してビジネスを展開できることをお伝えしましたね。

さて今回は、本題に入る前に、私が官公庁で発注業務を担当していた頃の「ちょっとした懺悔(ざんげ)」を聞いていただけますでしょうか・・・。

当時は、契約実績のない新規企業の方々がいらっしゃると、平然を装いつつ心の底で以下のようなざわついた感情が少しだけ湧いてしまってました(汗)

「あー、これは(色々な意味で)波乱含みになるかもしれない・・・」と(笑)。

本当にごめんなさい!
現場の担当者としては、既存の業者さんと「いつも通りの安全なやり取り」をして、無事に入札執行を終えることが一番安心だったのです・・・。

しかし、官公庁を飛び出して転職し、外の視点からビジネスの世界を見るようになって、私の考えは180度変わりました。

「いやいや、中小企業やスタートアップこそ、もっと積極的に入札へ参加して『官公庁実績』という将来への布石を取りに行くべきでは?それが社会全体のイノベーション創出につながるのでは?」

心からそう思うようになったのです。

今回は、私が外の世界に出て気づいた「中小企業やスタートアップが入札を活用すべき最大の理由」と、国や自治体が本気で始めている「新しい支援の波」、そして安全に参入するための具体的なステップをお話しします。

最大のメリットは、圧倒的な信頼を生む「官公庁実績」

新しい技術やサービスを開発した中小企業やスタートアップが、新規販路開拓すべく営業に行った際、おそらく多くの方がこんな言葉の壁にぶつかります。

「素晴らしい技術(サービス」だけど、どこかで導入された実績はあるの?」

実績がないから売れない。売れないから実績が作れない。
このもどかしいループを打ち破る一つの手法が、「官公庁での導入(採用)実績」です。

官公庁という、審査が厳しく、高いコンプライアンスが求められる機関に導入されたという事実は、「官公庁が認めた安全性と品質」という信頼の証(トラストマーク)に変わります。

「〇〇省(〇〇市)のシステムとして導入されています」

この一言があるだけで、その後の新規販路開拓における営業ハードル(相手の心理的障壁)は驚くほど下がります。官公庁取引(入札)への参入は、単なる目先の売上獲得にとどまらず、自社のイノベーションを社会全体に広げていくための合理性の高い「マーケティング戦略」なのです。

倒産や未回収リスクがゼロ。経営を安定させる「確実な資金回収」

さらに、民間企業とのビジネスで中小企業やスタートアップが直面しやすいもう一つの大きな悩みが「資金回収リスク」です。

「無事に納品したのに、相手先の業績悪化で入金が遅れている・・・」
「最悪の場合、債権回収ができないかもしれない」

こうした資金繰りの不安は、経営のスピードを鈍らせる大きな要因になりますよね。

しかし、官公庁との取引において、この「未回収リスク」は実質ゼロと言っても過言ではありません。
相手は官公庁ですから、倒産する心配はありません(某自治体の例もありますのでこれからは分かりませんが・・・)。契約通りに業務をしっかりと履行し、無事に納品やサービスの提供を完了させれば、その対価としての代金は期日通りに「確実」に支払われます。

「仕事さえ完璧にやり遂げれば、100%確実にお金が入ってくる」

この圧倒的な安心感は、資金繰りがシビアな中小企業やスタートアップにとって、経営の地盤を盤石にするための強力な支えとなります。
実績という果実を手に入れられるだけでなく、(適正な契約履行を前提として)資金回収リスクも生じない官公庁取引は、やはり中小企業やスタートアップにこそ最適と考えます。

国や自治体も本気で動いている「ファーストカスタマー」としての官公庁

「でも、さっき『現場の発注者はいつも通りのやり方を好む』って言っていたじゃないか」

たしかに、現場レベルではまだ保守的な空気が残っているのも事実です。

しかし今、国や自治体全体の大きな方針として、中小企業、とりわけスタートアップ支援の価値観が大きく変えようとしています。国や自治体を挙げて「スタートアップの最初の顧客(ファーストカスタマー)に官公庁がなろう」という、強力な後押しが始まっているのです。

その代表例が、「ファーストカスタマーアライアンス」などの新しい取り組みです。

・「実績がないから」と門前払いするのではなく、官公庁が最初の実績をつくる場を提供する

・複雑化する社会課題を解決するため、民間発のイノベーションを公共サービスを通じて育てていく

官公庁側も、「これまでの安全な(保守的な)やり方」だけでは具体的な政策運営が立ち行かなくなっていることに気づき始めています。つまり、官公庁は今、皆さんの新しいアイデアと技術を本気で求めているのです。

実際に、東京都をはじめとした全国の自治体では、「ファーストカスタマー・アライアンス」という画期的なプロジェクトがスタートしています。

これは、自治体間でスタートアップの認定情報を共有し、本来必要な入札の手続きを一部省略して「随意契約」でスピーディーに調達できる仕組みをつくる、というものです。

国や自治体の本気度にご興味がある方は、ぜひインターネットで「東京都 ファーストカスタマーアライアンス」と検索してみてください。スタートアップの公共調達を促進する特設サイトや、実際の導入事例(防災グッズやシステムなど)をご覧いただけます。※必要であればそちらの支援も可能です。

「仕様書の壁」を越え、良きパートナーになる2つのステップ

官公庁が歓迎しているとはいえ、前編でお伝えした「公平性とコンプライアンスのルール」がなくなるわけではありません。

官公庁の良きパートナーとして皆さんのイノベーションを届けるためには、以下の2つのステップを正しく踏むことが大切です。

ステップ1:入札市場への「入場券」を手に入れる
官公庁の入札に参加するためには、大前提として「全省庁統一資格」などの参加資格が必要です。これは、企業の健全性を示すパスポートのようなもの。「せっかく良い案件を見つけたのに、資格がなくて参加できなかった……」と悔しい思いをしないよう、まずはここから準備を始めましょう。

ステップ2:プロの目で「失格リスク」を排除する
どれほど革新的な商品やサービスの提供(シーズ)が存在しても、実際に提出書類に不備があったり、仕様書の「隠れた要件」を満たせていなかったりすれば、形式的な審査の段階で「失格(要件落ち)」となってしまうことがあります。自社の技術やサービスを存分にアピールする前に、「官公庁側のルール(言葉)に翻訳して、要件を100%満たしているか」を冷静に点検する作業が不可欠です。


はじめての官公庁ビジネス、元・発注者が伴走します

「資格の取り方が分からない」
「自社の提案書が、見えないルールを満たしているか不安だ……」

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【合わせて読みたい:前編の振り返り】
「官公庁のルールってそんなに厳しいの?」と気になった方は、ぜひ前編もあわせてご覧ください。発注担当者側のリアルな視点から、入札の基礎知識を解説しています。
▶︎ 前編:【実績ゼロからの官公庁参入・前編】官公庁入札は「安ければ勝てる」が大間違いな理由。新規参入者が直面する「仕様書」の壁


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