常識破りのコスト改革──「メッキ液」を自社で作った、ある購買担当者の話

記事
ビジネス・マーケティング
Gemini_Generated_Image_vq804uvq804uvq80.png




「コスト削減には限界がある」 「部門間の壁が厚くて新しいことが進まない」 「うちは中小企業だから、大手のようなダイナミックな動きはできない」

もしあなたが今、そんなふうに諦めかけているとしたら、少しだけ時間をください。 

これは、私がかつて目の当たりにした、ある「常識破り」な挑戦の記録です。

一人の担当者の「信念」が、技術を、組織を、そして会社の利益構造そのものを劇的に変えてしまった実話。
 ここには、あなたのビジネスを前に進めるためのヒントが詰まっています。



1. 聖域とされていた「メッキ液」


半導体や電子部品の製造現場において、絶対に欠かせないもの。
それが「メッキ液」です。
 金、銀、銅、ニッケル……。
ナノ単位の精度が求められる電子部品において、メッキの品質は命そのものと言えます。

通常、このメッキ液は専門の薬液メーカーから購入するのが一般的です。 
ユーザーである工場は、メーカーが作った処方済みの液を買って使う。
 「メッキ液は買うもの」という認識が根強い。

しかし、その常識を覆そうとする男が現れました。

2. 内製化に挑んだ電子部品メーカー


私がかつて関わっていた大手電子部品メーカーの購買担当者です。 
彼は静かに、しかし力強くこう言いました。

「メッキ液を自社で作れないか?」

正直、最初は耳を疑いました。
メッキ液は薬液メーカーのノウハウの結晶であり、下手に真似をすれば品質トラブルやライン停止につながりかねません。
しかも、電子部品の世界はナノ単位の精度が求められる領域。
メッキ液の安定性は歩留まりや信頼性に直結します。
リスクが大きすぎるのです。

しかし、彼は本気でした。
彼はただ安く仕入れたいわけではなく、
「自社の技術と知見でメッキ液をコントロールし、コストだけでなく競争力そのものを高めたい」という強い信念を持っていたのです。

3. 購買部の調整力が動かした大プロジェクト

内製化など、購買部だけでは絶対に不可能です。 

実際にラインを動かす「生産部門」、処方を開発する「技術部門」、品質を守る「品質保証部門」。

これら複数の部署が密接に連携しなければならない。
通常であれば、それぞれの部門には縦割りの論理があり、部門間調整だけでプロジェクトが立ち消えになるのがオチです。

ところが、彼は違いました。
単なる「価格交渉人」ではなく、社内のハブとなり、複数の工場のキーパーソンを一人ひとり説得し、巻き込んでいきました。

「購買の仕事は価格を下げること」そんな固定観念を軽やかに超え、彼は巨大なプロジェクトの「プロデューサー」として機能しました。

やがて内製化は現実のものとなり、いくつかのメッキ液は自社工場で製造されるようになりました。

私自身もその過程で原材料の供給に関わらせていただきましたが、購買部門がここまで中心的な役割を果たすケースは、他ではほとんど見たことがありません。


4. 尊敬すべき「謙虚なリーダーシップ」

さらに驚かされたのは、彼の人柄でした。
こうした大規模プロジェクトを主導した人間であれば、多少の自負や尊大さが滲み出てもおかしくありません。

ところが彼は、まるで逆。

常に柔和で、誰にでも優しく、知識や経験を惜しみなく教えてくださる。
「自分が中心だ」と誇示するのではなく、周囲の努力を引き出すことに徹する姿勢を持ち続けていたのです。

私は長年、数多くの購買担当者と接してきましたが、ここまで 「信念と謙虚さ」 を兼ね備えた人物に出会うことは滅多にありませんでした。
その出会いは、私のビジネス人生において忘れられない財産になっています。


5. 購買の役割を再定義する

この経験を通じて、私は「購買部の役割」を深く考え直しました。

一般的に購買部といえば、
価格交渉・契約締結・納期管理
こうした機能にとどまりがちです。

しかし、本質的にはそれ以上の力を持っています。
購買は、企業の利益構造を変える起点になり得るのです。

・原材料の調達方法を変える
・サプライチェーンを見直す
・技術部門を巻き込み、新しい仕組みを構築する

それは単なる「コスト削減」ではなく、企業競争力の源泉を強化する行為です。

彼の姿は、そのことを身をもって示してくれました。


6. 中小企業にこそ広がるチャンス

確かに、メッキ液の内製化は簡単ではありません。
専門メーカーのノウハウに頼らず、自社で調製するには新しい知見や努力が必要です。

しかし私が見た現場では、大手メーカーの複数工場を巻き込んだ大規模なプロジェクトでさえ、購買部のリーダーシップで実現できました。

つまり、「やろうと決めて、調整と知恵を尽くせば内製化はできる」 という事実が証明されたのです。

そして、必ずしもすべての原料に当てはまるわけではないものの、仕組みも含めて、中小企業の方がスピーディーに内製化を進めることができるケースは多いのです。

なぜなら、大手のような分厚い組織の壁がなく、経営者と現場の距離が近い。 トップが「やるぞ!」と旗を振れば、翌日から全社一丸となって動けるスピード感があります。

こうした特徴を活かせば、大手以上に迅速に内製化や仕組み改革を進められるのです。

中小企業だからこそ持てるこの強みを生かし、単なるコスト削減にとどまらず、自社の競争力を磨く武器としての内製化に挑戦するチャンスが広がっています。



購買や営業の現場には、まだ誰も気づいていない「宝の山」が眠っています。 メッキ液の内製化とまではいかなくても、

「商社任せになっている調達ルートを見直す」 「営業と製造の連携を変えてみる」

ほんの少し視点を変えるだけで、利益構造は劇的に改善します。 
必要なのは、社内のしがらみにとらわれず、俯瞰して全体を見渡せる「第三者の視点」です。

私には商社マンとして27年間、現場を走り回り、こうした改革を目の当たりにしてきた経験があります。 
あなたの会社の「購買の在り方」「営業のプロセス」に、新しい風を入れてみませんか?

まずは現状のモヤモヤをお聞かせください。 ビデオチャットや通話で、肩の力を抜いてざっくばらんにお話ししましょう。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら