試用期間のことを求人票に正直に書いてみたら、入社後のすれ違いが減った話

試用期間のことを求人票に正直に書いてみたら、入社後のすれ違いが減った話

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ビジネス・マーケティング
採用の仕事をしていて、ずっと避けていたことがあった。

求人票に「試用期間あり(3ヶ月)」と書くこと自体はしていたんだけど、条件が本採用と違う場合——たとえば「試用期間中は時給制」「保険加入は本採用後」——みたいな話を、あえて詳しく書かなかった時期があった。

正直に言うと、書いたら応募が減るんじゃないかと思っていた。採用担当として、それを認めるのは少し恥ずかしい話なんだけど。

【「知らなかった」と言われた日のこと】

あるとき、採用した方が入社から2週間ほどで辞めてしまった。理由を聞くと、「試用期間中の条件が思っていたのと違った」という話だった。

説明はしていた。内定通知書にも書いていた。でも「求人票を見て応募を決めたとき、そこまで細かく書いていなかったから確認しなかった」と言われて、なんとも言えない気持ちになった。

こちらとしては「書いてある」「説明した」。でも候補者からすると「応募時点では知らなかった」。どちらも嘘をついているわけじゃない。ただ、情報を渡すタイミングがずれていた。

それから、求人票の書き方を少し変えた。

【変えたのは「試用期間中の話」をちゃんと書くことだった】

具体的には、「試用期間3ヶ月あり。期間中は〇〇の条件になります。詳細は面接時にお伝えします」という一文を入れるようにした。

長々と書くわけじゃなくて、「試用期間中は条件が変わることがある」と最初の時点で候補者に伝えておく、ということだけ。詳細は面接でちゃんと話す前提で。

これをやり始めてから、面接での「試用期間ってどういう条件なんですか?」という質問が増えた。

最初は「やっぱり引っかかるよね」と思ったんだけど、よく考えたら、面接で聞いてくれるほうがずっといい。その場でしっかり説明できるし、条件を理解した上で「それでも入りたい」と言ってくれる人が残るから。

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【「知ってて来てくれた人」とそうでない人は、やっぱり違った】

これは感覚的な話だから数字で説明しにくいんだけど、試用期間の条件を最初から明示するようにしてから、入社後の早期退職が減ったような気がしている。

正確には「気がしている」程度なんだけど、少なくとも「知らなかった」という言葉は言われなくなった。それだけでも、採用担当としてはだいぶ気持ちが楽になった。

候補者の立場で考えると、試用期間ってやっぱり不安なんだと思う。「本当にちゃんと雇ってもらえるのかな」「何かされるんじゃないかな」という不安を、少し先に拭ってあげられるかどうかが、入社後の向き合い方にも影響する気がしていて。

正直に書くことが、信頼の入口になるのかもしれない、と今は思っている。

【「応募が減るかも」はあまり心配しなくていいかもしれない】

試用期間のことを書くのを躊躇っていたもう一つの理由は、「採用枠を埋めないといけない」という焦りだった。

でも振り返ると、条件を知らずに入ってきた人がすぐ辞めてしまうほうが、採用のコストも現場の負担も大きかった。入社前に「合わない」と判断して辞退される分には、実はそこまで痛くない。

早期退職のたびに「またゼロから」になるほうが、채用担当としてはずっとしんどい。

そういう意味で「応募数を最大化しようとすること」と「定着してもらえる人を採ること」は、向いている方向がちょっと違う。求人票の段階でどちらを優先するかを意識するようになってから、採用のやり方が変わった気がしている。

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正解かどうかはわからないし、業種や状況によっても違うとは思う。ただ「正直に書いてから変わったことがある」という経験は本当の話なので、同じように試用期間の書き方を迷っている人の参考になればいいなと思って書いた。
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