以前、入社してひと月以内に辞めてしまう人が続いた時期がありました。
一人じゃなくて、3ヶ月の間に3人。
全員が「思っていたのと違った」という理由で。
最初は求人票の問題かと思って、言葉を見直したり、仕事内容の説明を丁寧にしたりしました。でも状況はあまり変わらなくて。「なんで?」という気持ちをずっと抱えていた時期です。
【気づいたのは、採用後のことだった】
転機になったのは、退職した方の一人と話す機会があったとき。「入社当日、どんな感じでしたか」と率直に聞いてみたんです。
返ってきたのが「最初の1時間、何をしていいかわからなくて、ずっと緊張していた」という言葉でした。
確かに、その会社は内定後の連絡が「入社日時と持ち物」だけで。初日の流れについては何も伝えていなかった。本人は当日の朝まで「誰が出迎えてくれるのか」「最初に何をするのか」「お昼はどうするのか」全部わからないまま来ていたんですよね。
そういえば、私自身も転職経験があって。初日に「とりあえずここに座ってて」と言われて30分ほど放置されたとき、「あ、この会社やばいかも」と思ったことがありました。そのときの感覚を完全に忘れていた。
もし一人で抱えているのがしんどくなってきたら、ここならで気軽に相談してみてください。
【「初日の流れ」を送るだけでいい、と思っていた】
それから、内定後に送る連絡の内容を少し変えました。
「入社おめでとうございます。初日の流れをお伝えします」という一文から始めて、何時に来ればいいか、誰が出迎えるか、午前中は何をするか、お昼はどうするか、最初の1週間のざっくりした流れ。それだけを書いたメールを送るようにしたんです。
大げさな変更じゃないし、正直「これで何かが変わるかな」と半信半疑でした。
でも、反応が変わった。
「安心しました」「丁寧にありがとうございます」という返信が来るようになって。それまでそんな反応もらったことなかったな、と思いながら読んでいました。
【初日の緊張、少しだけ変わった】
実際に入社後の様子を見ていると、「最初の1週間」の空気感が少し変わったように感じたんです。
以前は初日に「あの、これ聞いてもいいですか?」って声をかけてくれる人が少なくて。みんなどこか遠慮している感じがあった。でも、事前に流れを伝えてからは、多少リラックスした状態で来てくれる人が増えた気がして。
これが正解かどうかは正直わからないんですが、「わからないことが不安を作る」というのはきっと採用の場面でもそうなんだと、そのとき思いました。
求人票や面接に力を入れていても、内定後から入社初日の間に候補者が感じていることって、あんまり意識してこなかった。選考が終わったらひと段落、みたいな気持ちがどこかあって。でも候補者にとってはそこからの時間も、ちゃんと「不安な時間」として続いていたんですよね。
【採用担当が届けられるのは、情報だけじゃないと思うようになった】
求人票の言葉を変えたり、面接の質問を工夫したりすることと同じくらい、「入社前の不安を少し減らす」ことも採用担当のできることなんだと、今は思っています。
特別なオンボーディングプログラムとか、入社前研修とか、そういう話じゃなくて。「初日の朝、あなたがどこに来ればいいか、誰が迎えるか、午前中に何があるかを知っている」というだけで、人の緊張はちょっとだけほぐれる。
早期離職が続いていた時期を思い返すと、ちゃんと選んで、ちゃんと採用して、それでも辞めていってしまう人がいるのが、単純につらかったです。自分の何がいけなかったんだろうと何度も考えた。
答えは意外と、選考の「後ろ側」にあった、というのがそのときの気づきでした。
入社後のことで悩んでいる方がいれば、お気軽に相談してください。