ニュースの流し読みや、SNSに並ぶ見出し。 たった一行の短い言葉を見ただけで、その先にある悲劇や誰かの怒りを瞬時に想像してしまい、ズドーンと胸が重くなることはありませんか。
実際には何が起きたのか、誰が何を言ったのか、その詳細を読み込む前なのに、私たちの心はもうすでに「大変なことが起きた」「自分も責められるかもしれない」と結末まで駆け抜けてしまっているのです。
心理カウンセラーとして、そんな敏感で繊細なあなたの心の仕組みを少し紐解いてみたいと思います。
どうして、私たちはまだ確定していない未来や、自分には無関係かもしれない状況に対して、こんなにも過敏に反応してしまうのでしょうか。
それは、あなたがそれだけ「想像力」という、とても優しくて豊かな心の力を持っているからに他なりません。
誰かの痛みを感じ取れるからこそ、先回りして不安になってしまう。 それは、あなたの心がそれだけ深く、世界とつながろうとしている証拠でもあるのですね。
でも、その想像力が今は少しだけ「空回り」をして、あなた自身を苦しめる方向に働いてしまっているのかもしれません。
僕が皆さんにいつもお伝えしているのは、「想像はあくまで、あなたの頭の中にある脚本である」ということです。
見出しというわずかな情報だけで、心の中にドラマの結末を作ってしまうのは、たとえるなら、ほんの数秒の予告編を見ただけで、映画のすべてを悲劇だと決めつけて泣いているようなものかもしれません。
でも、実際の本編はもっと穏やかなシーンがあるかもしれないし、そもそもあなたには全く関係のない物語かもしれないのです。
もし、見出しを見た瞬間に「あ、苦しいな」と思ったら、まずはその反応を否定しなくて大丈夫です。
「また、私の心が頑張って先読みしてくれたんだな」と、その健気さを認めてあげてください。
そのあとで、「でも、これはまだ私が決めた結末じゃない」と、ふっと息を吐いてみる。
情報をすべて取り入れようとしなくても、全部を理解しようとしなくても、大丈夫ですよ。
世の中にはたくさんの情報が溢れていますけれど、そのすべてに対して、あなたの貴重な心を差し出す必要はないのです。
見出しを見ただけで心がざわつく自分を、「なんて弱いんだろう」と責めないでくださいね。
それは、あなたの心にスイッチが入りやすいというだけのことで、決してあなたの欠点ではありません。
むしろ、その敏感さは、これから先、あなた自身やあなたの大切な誰かを守るための、繊細で守護的なセンサーにもなり得ます。
今は、そのセンサーの感度を、少しだけ調整する練習をしてみませんか。
画面から目を離して、窓の外の景色を見る。 温かい飲み物を一口飲む。 自分の胸に手を当てて、「私は今、ここにいるよ」と声をかけてあげる。
そうやって、現実の「今、この瞬間」に意識を戻すだけで、心は少しずつ落ち着きを取り戻していきます。
あなたは、情報の渦に飲み込まれるために生まれてきたわけではありません。
あなたの穏やかな一日を守ること、あなた自身が心地よく過ごすこと。 そのほうが、何倍も大切で、何倍も優先されるべきことなのです。
もし、どうしても胸が苦しくなるようなときは、スマホを置いて、自分だけの時間を大切にしてくださいね。
心は、いつでも自分自身の味方でいてあげていいのです。