誰かの前で涙を見せること、それは「負け」や「弱さ」だと思ってしまうことはありませんか。
本当は心が張り裂けそうなほど辛いのに、無意識のうちに感情の蓋をギュッと閉じて、何でもないような顔をしてしまう。
そんな自分を、どこか誇らしく感じる一方で、本当はどこかで限界を感じて息苦しくなっている方も多いのではないでしょうか。
心理カウンセラーとして、多くの繊細な方々と向き合っていると、こうした「強さの鎧」を身に纏っている人をたくさん見かけます。
でもね、僕はそんなあなたが、どれほど懸命に自分を守ろうとしてきたのかを知っています。
泣くことは、決して弱いことではありません。
むしろ、誰にも弱みを見せずに、たった一人で感情をコントロールし、自分を律し続けてきたその姿勢は、ものすごく高いエネルギーを必要とすることです。
それは、あなたという人間がそれだけ深く、優しく、そして責任感が強いからこそできることなのです。
ただ、あまりにもその「蓋」を閉め続けることに慣れてしまうと、自分の本当の気持ちがどこにあるのか、だんだん分からなくなってしまうことがあります。
ふとした瞬間に、自分でも理由が分からないほど心が乾いてしまったり、あるいは逆に、コップから溢れた水のように、感情が制御不能になって押し寄せたりすることはありませんか。
感情の蓋を閉めることは、悲しみをシャットアウトするのと同時に、喜びや安心感、人との温かなつながりも遠ざけてしまうことがあります。
「泣いてはいけない」というルールを自分に課し続けるのは、自分自身をずっと緊張状態の中に置いているのと同じことです。
もし、今少しだけ余裕があるなら、自分に対して「今は泣いてもいいよ」と許可を出してみてください。
それは、必ずしも他人の前で見せる必要はありません。
一人きりの部屋で、お風呂の中で、あるいは安心できる場所にいるときに、そっと心の中の蛇口を緩めてあげるのです。
涙を流すことは、心に溜まったモヤモヤや緊張を、物理的に外へと追い出すデトックスのような作業です。
あなたがこれまで頑張ってきたその「強さ」を、少しずつ「自分を許す優しさ」に変えていけたら、きっともう少しだけ生きるのが楽になるはずです。
誰かに頼ることや、弱さを見せることは、人間としての豊かさです。
あなたが涙をこらえていた分だけ、あなたは人一倍、他人の痛みにも敏感で、深い優しさを持っている人なのだと僕は信じています。
どうか、あまり自分を追い詰めないでくださいね。
あなたの涙は、あなたが一生懸命に今日を生き抜いてきた証なのですから。