「あれ? 私、どうしてあんなにこれが好きだと思い込んでいたんだろう……」
大好きな人とのお別れが来て、ふと一人になったとき。
クローゼットに残った服や、本棚に並んだ趣味の本を見て、そんな風に愕然としたことはありませんか?
付き合っている間は、心の底から「これがいい!」「これが私の運命なんだ」と信じて疑わなかったのに、魔法が解けたみたいに、実は全く興味がなかった自分に気づいてしまう。
そんな不思議で、少し切ない経験をしている繊細さんは、実はとても多いのです。
心理カウンセラーとして、日々たくさんの女性の心に触れていると、こうした「価値観の同化」に悩む声をよく耳にします。
僕は、これはあなたが「自分を持っていない」からではなく、むしろ「相手を愛する力が深すぎる」からこそ起こる現象だと考えています。
繊細さんは、相手の感情や好みを察する力が、人一倍優れています。
相手が「これ、いいよね」と笑顔で言った瞬間、その喜びやワクワクが、まるで自分のことのように心の中に流れ込んできてしまう。
相手の「好き」という純粋なエネルギーを、あなたの豊かな感性がそのまま受け取って、心の中で大切に育ててしまうのです。
「相手が喜ぶ顔が見たい」という優しい気持ちが、いつの間にか「相手が好きなものは、私も好き」という錯覚に変わっていく。
それは、あなたがそれだけ深く、相手の世界に入り込んで寄り添おうとした証拠でもあります。
でも、そうやって自分の魂を相手の色に染め続けていると、本当の自分の色がどこにあるのか、分からなくなってしまいますよね。
別れた後に感じるあの「愕然とする気持ち」は、あなたの心が「やっと本来の自分に戻れるよ」と教えてくれているサインかもしれません。
もし今、あなたが「自分がない自分」を責めてしまっているのなら、どうかそんなに悲しまないでください。
あなたはただ、相手のことを精一杯、自分のことのように愛しただけなのです。
これからは、相手の顔色や好みを察知するその素晴らしいアンテナを、少しずつ自分の方へ向けてあげませんか?
「相手がどう思うか」ではなく、「私の心は今、何にときめいているかな?」と。
ゆっくりで大丈夫です。
コーヒーの香り、夕暮れの色、ふとした瞬間に手に取ったもの。
「誰かのため」ではない、あなただけの「好き」を一つずつ拾い集めていきましょう。
その小さな積み重ねが、あなたの魂を、あなただけの美しい色に塗り直してくれます。
僕は、ありのままのあなたでいられる、そんな穏やかな毎日を心から応援しています。