「詐欺クレーン」
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小説
【クレーンゲーム】
8歳の時
玩具屋にあったクレーンゲームの
当たりくじ目的で通ってた。
ウフフ♪(。-艸・。)
このクレーンゲームの中には
透明な袋に包まれた小さな菓子に
金銀銅の当たり紙が入ってて
あれば目視で確認できた。
金賞の景品は
当時流行ってた144/1のガンプラで
50円で3回出来るから
1回で金賞が取れれば超お得になる。
しかしクレーンゲームの中にある
金銀銅が入った当たりくじは
どれも1つしか入ってなくて
滅多に当たりのお菓子が見えない。
当時俺のお小遣いは
1月にたったの500円で
プラモ1個買えば無くなってしまう。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ
なのでこのクレーンゲームで
大好きなガンプラを安く取って
どうしてもウハウハしたい。
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【目の前の餌】
当時の俺は
毎日おもちゃ屋に通って
クレーンゲームの中を見て
当たり入り菓子が無いか確かめた。
しかし通えど通えど
全然当たり入りお菓子が見えず
だんだん諦めてきてしまってた。
(´・д・`)ショボーン
そんなある日玩具屋に行くと
また当たり入りお菓子が見えなくて
悲しくなってしまった。
(ノД`)・゜・。
なので俺は
当たり入りお菓子を表に出したくて
クレーンゲーム本体をゆすって
中のお菓子を少し移動させた。
すると偶然奥の方から
金賞の当たり入りお菓子が見え
もっと取りやすい位置に出す為
本体を揺らしまくった!
でも結局
取れる位置まで出す事が出来ず
イチかバチか手持ちの50円で
当たりを引きずり出す事にした。
そして決死の思いで50円を入れ
3回プレイした結果
当たりが取れる位置になったが
お金が底をつきて取れなかった。
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【悔しさ】
そして翌日俺は
もう確実に取れる位置にある
当たり入りお菓子を取る為
お金を持って速攻玩具屋に行った!
でも玩具屋に到着した俺は
クレーンゲームを見るなり
絶望のどん底に落とされてしまう!
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ
その訳は
クレーンゲームに菓子が補充されて
当たり入りのお菓子がまた奥底に
埋まってしまったのだった。
この時心の中で
「昨日決死の思いで賭けた50円
返してくれよぅ~!」と叫び
地獄に落とされた気分になる。
しかもこんな状態じゃ
ゲーム機本体をゆすっても
当たり入りお菓子を奥から出せず
もう諦めて帰る事にした。
しかし昨日使った50円が
無駄になってしまった悔しさを
全然忘れる事が出来ず
何とかしたくて仕方ない。
( ゚皿゚)キーッ
すると俺の頭の中に
「自分で当たり紙作って
お菓子の中に入れちゃえ」と
悪魔のささやきが聞こえた。
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【犯罪開始】
しかし俺は
そんなズルい事できないと我慢し
そのまま就寝についた。
でも翌日朝起きると
昨日の50円の恨みが蘇ってきで
また悔しくなってきてしまい
学校に行ってもソワソワしてる。
その後学校が終わっても
悔しさが全然忘れられず
とうとう偽造をする決心をして
金賞の紙の金紙を準備した。
金賞の紙は
折紙の金紙を小さく切って
金賞と手書きされた物だから
子供でも簡単に偽造できた。
|*`艸´)クククw
しかし金賞と言う字は
大人の字で書かれた物だから
子供の字で書くとすぐばれて
玩具屋に叱られてしまう。
なので俺は
金賞を母親に書いてもらい
玩具屋でお菓子を取って
コッソリ中に入れる事にした。
そして俺は
完璧に偽造した金賞を持って
玩具屋でクレーンゲームをして
無事にお菓子をゲットした!
ヾ(*´∀`*)ノ
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【間違い】
お菓子を取れた俺は
心臓が破裂する位ドキドキで
とうとうお菓子の中に
金賞の紙を入れてしまう!
それを店員に持ってくと
店員がすぐに「おめでとう!」と
言わずに首をかしげてしまった。
オロ((ヾ(*'д';*)ノシ))オロ
この時俺は
「ヤバい!バレた!」と思い
もう目に涙をためて
泣きそうになってしまう。
ヒィィィ!!ε=ε=(ノ;゚Д゚)ノ
そして店員のおばさんが
何か申し訳ない顔をしながら
「この金賞間違いなの」と
怒らず言ってきた。
この時何が何だかよく解らず
唖然としてしばらく立ってると
店員のおばさんが
隣にいた旦那さんに怖い顔をした。
そして店員のおばさんが旦那さんに
「やっぱこの間違った金賞
入ってたじゃない!」と怒った!
(# ゚Д゚)プンスコ
その喧嘩の話を聞いてると
俺の金賞と書かれてる紙は
表側に書かれてて本物は
裏側に書かれてるとの事だった。
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【罪の恐怖】
更にこの喧嘩の話を聞いてると
どうやら旦那さんが金賞の紙を作り
たまに間違えて表に書いてしまい
その事を奥さんに注意されてた。
なので旦那さんが何度もチェックし
奥さんに大丈夫だと報告したが
結局表側に書かれた金賞があり
奥さんにダメじゃんと叱られてた。
この事知った俺は
騙してガンプラ貰おうとした事に
今更罪深さが怖くなって
騙せなくて良かったと安心した。
もしこのまま騙せて
ガンプラを手に入れてたら
一生悔いが残る恐怖に駆られ
この玩具屋にもう行けなかった。
今回ガンプラを貰えなかったけど
たまたま偶然旦那さんの
書き間違えと言う事で済み
この奇跡に対し神に感謝した。
♰アーメン(*´-`*)
その後俺は
白々しく「じゃ仕方ないから
また改めて取るよ」と言い
逃げる様に家に帰った。
そして寝る時布団をかぶって
「あんな事もうしないもうしない
もうしない」と何度もつぶやき
詐欺を犯さなくてホッとした。