第3章 有罪の叫びに差し込む、一筋の光
「有罪!有罪!」群衆の声が、津波のように押し寄せる。悪徳裁判官の木槌は容赦なく振り下ろされ、主人公は地に伏すしかなかった。──そのときだった。「……ちがう!」誰も気づかぬような小さな声。けれど、その一言は闇を切り裂いた。傍聴席の奥に立ち上がっていたのは、まだ幼い子ども。小さな体で、必死に拳を握りしめている。それは──主人公自身の幼い姿だった。法廷に静けさが落ちる。悪魔の囁きさえ止まった。「この人は……悪くないんだ」子どもの声は震えていたが、その瞳には真っ直ぐな光が宿っていた。「ひとりで泣いた夜もあった。 誰にも言えなくて、ただ我慢してた。 でも、それでも優しくなろうとした。 弱い自分を隠しながら、誰かを守ろうとしてた。 ぼくは知ってるんだ……ずっと見てたから」主人公の胸に、熱いものが溢れだす。忘れていた記憶が、次々と蘇る。小さな頃、叱られても笑顔をつくろうとした日。寂しくても「大丈夫」と言い張った夜。それは、不完全さではなく「強さの証」だった。悪徳裁判官が嘲笑する。「子どもの言葉に何の力がある?」だが幼い自分は、一歩前に踏み出した。「あるよ。ぼくはこの人の真実だから」その声とともに、法廷の天井から光が差し込む。群衆の影が後ずさり、悪魔の姿が揺らぐ。幼い自分は、涙をこらえながら続けた。「この人は、罪なんかじゃない。 ただ人間らしく、不完全なまま生きてきただけ。 それは弱さじゃなくて──優しさの証なんだ」主人公の頬を伝う涙が、法廷の床に落ちる。そのしずくが光を反射し、暗闇をひとつ、またひとつと溶かしていく。悪徳裁判官の木槌は、もう音を立てなかった。群衆も沈黙し、ただ幼い自分の小さな
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