こんにちは、てんせつです。
日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今週も一週間、本当にお疲れ様でした。
お休みの日、静かにお部屋で過ごしながら、
心の中でこんな思いをぐるぐると反芻(はんすう)してはいませんか?
「私はあんなに気を遣って、あんなに必死にがんばったのに、
どうしてあの人には伝わらないんだろう……?」
「これだけ我慢してぶつかったのに、
結局何もスムーズに回らなかったな……」
真面目で、責任感が強くて、優しい人ほど、
日常の人間関係や家庭のなかで、
無意識のうちに全身でギューッと
「力み(りきみ)」を抱えてしまいがちです。
でもね、ここでひとつ、
伝統武道と人間の心理を貫く、
とても深い原理原則のお話をさせてください。
なぜ、
私たちはこんなにも、
心や体に「力み」を溜め込んでまで
がんばろうとしてしまうのでしょうか?
実は、
「力みがあると、自分が『やった』という
強い実感が持てるから」なのです。
『達成感』というか『満足感』というか『充実感』というか・・・。
歯を食いしばり、
肩を怒らせて必死にがんばっていると、
「私は今、これだけエネルギーを使っている!」
「これだけ戦っている!」という、
いわゆる『自己満足』を得られるからなんですね。
けれど、
私は38年、伝統武道の道を歩んできて知っています。
この「力み」による自己満足こそが、
実は一番負けやすくなる、
最大の弱点なのだということを。
身体にギュッと力が入っている状態というのは、
「自分の力で、自分の力を抑え込んでしまっている」状態です。
お互いに力んでぶつかり合うと、
表面的な衝突は激しく、見た目には派手で、
ものすごい衝撃があるように見えます。
ですが、
お腹の底の余計な力が抜けた「脱力」の状態に比べて、
実は相手の身体の内部(奥深く)には、
自分の本当に伝えたい力が
まったく伝わらなくなってしまうのです。
これ、
私たちの「こころ」や「人間関係」でも、
まったく同じことが起きています。
「私がこれだけ気を揉んで、
これだけ我慢して、これだけ必死にぶつかったんだから!」
そうやって心が力んでいるとき、
私たちは「がんばった実感」という自己満足を満たしてはいます。
でも、
そのガチガチに力んだあなたの思いは、
表面的な激しいぶつかり合いを生むだけで、
相手の心の奥深く(内部)には、
本当に届けたい大切な優しさが
1ミリも伝わらなくなってしまうのです。
本当に大切な思いを、
相手の心の奥へ深く伝えるために必要なのは、
もっと力を込めることではなく、
その「力み」をフッと抜いてあげること(脱力)です。
──ところが、ここに人間の面白い、
そして誰もが陥ってしまう『落とし穴』があります。
本当の脱力を手に入れて、
お腹の底からリラックスして物事がスムーズに回り出すと、
今度は逆に、
自分がやったという実感が得られなくなってしまうのです。
あまりにもサラッと物事が動くので、
なんだか「物足りない」という不思議な感覚になります。
そして、
その物足りなさのせいで、
「え、こんなに何も背負わなくていいの?」
「こんなに楽でいいの?
そこに何か恐ろしい罠があるんじゃないか……?」という、
『脳の錯覚』が起きて、
自分の頭が勝手に不安を作り出してしまうのですね。
だから、
人は無意識のうちに、
あの「がんばった実感(力み)」という自己満足の安心感へ、
自ら戻ろうとしてしまうのです。
だからと言って、
「がんばるのを諦める」、ということではないのですよ。
他人の機嫌を背負ってガチチに力むのをやめて、
「私は私」と、お腹の底の呼吸を深く、静かに整える。
「物足りない」と感じるくらいの脱力状態(自然体)にいる時こそ、
あなたの視野は驚くほど広くなり、
相手の言葉をひらりとかわし、
次に自分がどう動けばいいかという「スムースな次の一手」が、
いつでも自然と打てるようになります。
そして何より、
あなたの放つ純粋な思いが、
相手の心の奥深くへと真っ直ぐに浸透していくのです。
絶対にブレない完璧な人間なんていません。
私だって、
日々のなかで「やった感」を求めて
フッと力が入ってしまう瞬間はあります。
力んだら、
また気づいて、フッと力を抜けばいい。
「あ、私、また自己満足のために力んでたな」と笑って、
自分の真ん中(センター)に戻ってくればいいのです。
私はここで、
あなたに対して「今のままでいいんだよ」と、
ただその場を甘やかすだけの慰めはいたしません。
それは、
あなたの本当の力を信じていないことになるからです。
けれど、
あなたが一人で力みすぎて、
身動きが取れなくなってしまった時、
その固まった心を優しく解きほぐし、
あなたが本当の軽やかさを取り戻すための「安全な間合い」として、
私はここでお待ちしています。
この週末は、
「がんばった実感」という重い鎧をフッと脱ぎ捨てて、
お腹の底から、深く、長い呼吸をしてみてくださいね。
一人で力の抜き方が分からなくなってしまった時は、
いつでも私の間合いにお話しにきてください。
あなたの疲れた呼吸をそのまま優しく拾います。
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「頑張らなくていい」という安易な言葉の裏側にある、
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ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
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