◆残業代の概要
皆さん「残業代」はちゃんと支給していますか?
うちの業界ではみんな残業代なんて払ってないよ!
確かに現実的には残業代を支給していない会社様もあるかと思います。
ただ、法的にはそんな事情関係なく、残業した従業員にはしっかりと残業代を支給しなければばりません。
今回はそんな「残業代」について解説してきたいと思います!
◆残業の考え方
残業には「法定内残業」と「時間外労働(法定外残業)」の2つに分けられます。
このうち、割増賃金の支払いが発生するのが「時間外労働」です。
この「時間外労働」を一般的に”残業”ということが多いです。
◆法定内残業とは
所定労働時間を超え、法定労働時間以内で働いた時間です。
所定労働時間は会社が定めた定時を指します。
法定労働時間は1日8時間とされています。
以下の例で解説します!
定時:9:00-15:00
就業時間:9:00-18:00
休憩時間:1時間
労働時間:8時間
この場合、所定労働時間よりも3時間多く労働している扱いとなります。
時給や月給に関係なく、この3時間分についてはプラスで給与を支払う必要があります。
計算方法は以下の通りです。
「法定内残業時間 × 1時間あたりの賃金 × 1.00」
1時間あたりの賃金は会社によって計算方法が変わります。
仮に1,500円とすると以下の金額を支給する必要があります。
3時間×1,500円×1.00=4,500円
◆時間外労働とは
法定労働時間(8時間)を超えて働いた時間になります。
時間外労働をした従業員には割増賃金を支給しなければなりません。
また、時間外労働をさせるためには36協定を事前に締結する必要があります。
36協定については以下の記事をご参照ください。
36協定を締結したからといって何時間でも残業させることができる、というわけではないので注意しましょう!
◆平日残業の割増率
先述したように、時間外労働をした従業員(アルバイト含む)には割増賃金を支給しなければなりません。
割増率は「25%以上」です。
以下の計算式によって求めることができます。
「時間外労働時間 × 1時間あたりの賃金 × 1.25」
1時間あたりの賃金を仮に1,500円とし、3時間の時間外労働をしたとすると、以下の金額を支給する必要があります。
3時間×1,500円×1.25=5,625円
◆法定休日労働の割増率
休日出勤をした場合も割増賃金を支給する必要があります。
注意点、というより経営者様にとっては朗報なのですが、
この割増は法定休日に出勤した場合にのみ支給する義務が発生します。
法定休日とは、会社が労働者に与えなければならない休日を指します。
1週間に1日、または4週間を通じて4日の法定休日を付与することが義務付けられています。
ということは、会社としては土日休みだとしても、日曜を法定休日として定めている場合、
土曜の労働に対しては割増賃金を支給しなくても良いということになります。
ありがたいですね!
できるだけ人件費は抑えたいものです!
そして、気になる割増率ですが「35%以上」です。
平日の時間外労働よりも10%高いです!
以下の計算式によって求めることができます。
「休日労働時間 × 1時間あたりの賃金 × 1.35」
1時間あたりの賃金を仮に1,500円とし、3時間の休日労働をしたとすると、以下の金額を支給する必要があります。
3時間×1,500円×1.35=6,075円
法定内残業と比較すると1,500円以上も差が出てしまっています!
できるだけ休日労働させるのは避けたいですね!
◆深夜労働の割増率
時間外労働や休日労働とは別に深夜労働の割増賃金というものが存在します。
アルバイトやパート社員の募集で時間帯によって時給が変わることがありますが、
深夜帯についてはこの割増賃金がプラスされているためです。
深夜の定義は22:00~翌5:00です。
割増率は「25%以上」です。
以下の計算式によって求めることができます。
「深夜労働時間 × 1時間あたりの賃金 × 1.25」
時間外労働の割増と同じですね。
しかし、1日に8時間以上働いている状態で深夜帯も働くとなると以下の計算式に変形します!
「深夜労働時間 × 1時間あたりの賃金 × 1.50」
どういうことかというと、時間外労働の25%と深夜労働の25%が合算されるのです。
9:00-24:00まで働いたとすると、22時以降の労働は「8時間を超えた労働」となります。
ということは、時間外労働と深夜労働のダブルパンチが効くわけです。
1時間あたりの賃金を仮に1,500円とし、3時間の深夜帯での時間外労働をしたとすると、以下の金額を支給する必要があります。
3時間×1,500円×1.50=6,750円
ちなみに、この深夜割増のダブルパンチは休日労働にも適用されます。
その場合は、、、
「休日深夜労働時間 × 1時間あたりの賃金 × 1.60」
3時間×1,500円×1.60=7,200円
ついに7000円台まで登り詰めました!
休日の深夜に労働させるのは避けた方が良いです!
もちろん会社の支出が増えるというのも大きな理由ですが、
従業員は心身ともに疲れ果ててしまいます。
支出は増えても業務能率は下がるので注意しましょう!
◆残業代を支給しないと、、、
当然ですが、法令違反となります。
そして、この違反が明らかになる原因の多くは、
従業員による弁護士への相談だったり、労基署への報告です。
賃金をもらうために働いているのですから、その賃金がしっかりと支給されていないとなると、従業員の不満は非常に大きなものとなります。
違反した場合は、労働基準法違反にあたりますので、
経営者様には6か月以下の懲役または30万円以下の罰金刑が科せられる可能性があります。
それだけではありません。
一度、こういった労基法の違反をしてしまうと国に目をつけられてしまいます。
労基署から調査が入り、様々なデータ、勤怠データや給与明細、賃金台帳といったものの提出を求められます。
また、その後も厚労省から様々な調査に協力するよう依頼される可能性もあります。
代表的なものとしては、厚労省が実施している「毎月勤労統計調査」です。
賃金や労働時間、雇用の変動など明記した資料を毎月提出しなければなりません。
ある事例によると36か月以上の提出を求められることも、、、
本当に大変な労力となりますので、残業させるときは残業代を支給させるのが無難かと思います。
違反がばれたときのリスクがとても大きいです!
残業代を支給したくない!
という方はできるだけ残業しなくても済むよう社員教育に力を入れた方が合理的と言えるでしょう!
(前回のブログです)