私はベトナムの緑豊かな田舎で生まれ育ち、幼い頃から自然に囲まれていました。そのため、いつになっても緑豊かな場所で暮らしたいという強い思いがありました。23歳になった2016年、私は当時、将来を誓い合った彼と一緒に、彼の故郷であるハイズオンに家を建てることに決めました。彼は今、私の夫です。家は決して広くはありませんでしたが、庭は十分な広さがあり、私が自然を満喫するには理想的でした。私は、庭を見渡せる大きなバルコニーと、広々とした寝室を提案しました。朝、目覚めたときに緑豊かな景色が広がるようにしたかったのです。ありがたいことに、7、8年経った今でも、家の周りには高い建物が建つことはなく、庭には緑が生い茂っています。今回お見せする写真はすべて、ハイズオンの田舎にある私の家で、子育ての合間に撮影したものです。
これは、バルコニーから正面に広がる、私の家と隣の家との間に広がる、たくさんの古木が静かに佇む庭の風景です。
そしてこちらは、義母が毎日丹精込めて世話をする白いアヒルたちが穏やかに暮らす庭です。息子がぐずった時、この庭に連れてきてアヒルたちを見せてあげると、不思議と気持ちが落ち着くようで、静かになります。もしかしたら、アヒルたちの穏やかな雰囲気が、息子にも伝わっているのかもしれません。
これは、家の近くの池へと続く小道です。夕暮れ時になると、息子と私はよくここに来て、ココナッツの葉っぱで魚釣りごっこをして遊びます。息子は、おじいちゃんと一緒に魚釣りに行くのが大好きで、自分も釣りが大好きみたいです。でも、釣り竿の代わりに、長いココナッツの葉っぱを水に垂らして、釣りを真似るだけなんですけどね(笑)。息子が本当に釣りが好きなんだと思って、子供用の小さな釣り竿を買ってあげたこともあるんです。でも、息子にとっては、やっぱりココナッツの葉っぱで釣りをするのが一番楽しいみたいです。
上の写真の小道から息子と私がいつも向かったのは、この左の池です。息子はよくここで、ココナッツの葉で作った釣り竿を手に、魚釣りごっこに夢中になります。でも、長雨が降った後は、池と池の間の道が水浸しになってしまうので、乾いた場所に立って遊ぶしかありません。それでも、大きなココナッツの木陰がまるで天然のクーラー。暑い日差しを遮り、心地よい風が私たちをそっと包み込んでとても嬉しいです。
4枚目の写真の小道をまっすぐ進むと、写真のこの大きな池に辿り着きます。この辺で一番深い池。私たちは、水面を渡ってくる心地よい風を感じに、よくここまで足を延ばします。写真にように岸辺まで降りると、水面がすぐ近くに感じられるほど、水際との距離が近いんです。息子は、そんな池の様子を見るたびに、まるで吸い寄せられるように、身を乗り出して水面に触れようとします。
私がこの写真を撮ったのは、自宅の門を出てすぐの場所です。目の前に広がるこの道は、私の村へと続いています。村にはたくさんの家が建ち並んでいますが、息子と市場や保育園へ行くとき、この木陰が続く涼しい道を通れるのは、ささやかな幸せです。ベトナムの田舎には公園はほとんどありませんが、子供たちは家の外で自由に遊ぶことができるので、公園は必要ないのかもしれません。息子も、保育園からの帰り道、この道を三輪車で楽しそうに走り回っています。まだ幼い息子は自然の愛を理解していないかもしれませんが、
きっとここで穏やかな気持ちを感じているはずです。
これは、息子を保育園に迎えに行った帰り道、隣村へと続く一本道です。見渡す限り続く道の両脇には、青々とした田んぼが広がり、視界を遮るものは何もありません。家並みもまばらで、ただひたすら続く道と、どこまでも広がる空を感じます。
上の写真から両側を見渡せば、この写真です。田植えの終わったばかりの水田が広がり、水面に緑の線が引かれたように見えます。稲が成長し、青々と生い茂る頃には、辺り一面が緑の絨毯に変わります。そして秋には、黄金色の稲穂が波打つ美しい光景が広がることでしょう。
今はまだ夏真っ盛り。午後5時を過ぎても、太陽の光は強く照りつけ、水田に映る私たちの影は、まるで一緒に競争するかのように、バイクと並んで走っていきます。2歳9ヶ月の息子は、いつも自分の影を見つけては、嬉しそうに声を上げます。しかし、そんな息子も、夜になると影を見て怖がるようになりました。息子も、そういったものを怖がる年頃になったのだなと、成長を感じます。
ここも、保育園が終わった後、バイクでぶらぶらする道の一つです。 周りには野菜畑と雑草が入り混じって生えています。 前方の木立の向こうには墓地があり、辺りはとても静かです。 日本とは異なり、ベトナムでは墓地の近くに人は住まないので、この道は昼間は穏やかですが、夜は少し寂しくて怖くなります。
ここは自宅近くの細い道で、息子とよく散歩を楽しんでいます。狭いので、すれ違う際は、お互いに注意が必要です。
これもまた息子を学校に送迎する際に、よく目にする風景の一つです。一面を覆うのはホテイアオイ。水面に浮かぶ植物ですが、このようにびっしりと生い茂ると、まるで緑の植物に覆われた地面のように見えます。ホテイアオイの花が咲く初夏には、川一面が紫色に染まり、とても趣のある景色が広がります。
ベトナム南部はココナッツの産地として広く知られていますが、このハイヅオンの田舎もまた、多くのココナッツが栽培されています。特に、細長い水路の脇には、ココナッツの木がずらりと並ぶ光景がよく見られます。なぜ私の地域でこれほどまでにココナッツが栽培されているのか、その理由は定かではありません。しかし、ココナッツの実からは、さわやかな飲み物やおいしい食べ物が作れることは知っています。そのため、この辺りではココナッツがとても安く手に入ります。
さらに、ココナッツの木々は、この土地に独特の美しい景色を作り出しています。写真のココナッツ並木の両側には小道があり、私はよく息子とここで散歩を楽しんでいます。
この田舎では、多くの家族が池を作って魚やエビを養殖し、生計を立てています。しかし、ある時、猛暑が続き、このような池でたくさんの魚が死んでしまいました。そこで、地元の人々は、酸素を供給するために朝に池に水を撒くという対策を始めました。すると、偶然にも、私が息子を保育園に送る朝の時間に、とても詩的な美しい風景が生まれたのです。 息子は、この光景を見るたびに「わぁ、きれいだね」と声を上げます。私も頷き、「そうだね、きれいだね」と答えます。