こんばんは。臨床心理士のかすがです。
今夜も、お布団の中でこの文字を静かに眺めてくれているあなたへ。今日という一日、本当にお疲れ様でした。あなたという存在が、今日を無事に終えたことに、まずは心からの敬意を表します。
静寂が訪れるはずの夜なのに、頭の中だけが、昼間以上に騒がしくなってしまうことはありませんか。「なぜ、あの時あんなことを……」「明日は、うまくできるだろうか」。まるで、心の中の裁判官が、夜通し一人で「反省会」を開いているかのようです。
これを心理学では「反芻(はんすう)思考」と言ったりします。
けれど、どうか誤解しないでください。あなたの脳が、意地悪をしてあなたを苦しめているわけではないのです。脳はただ、あなたという大切な存在を傷つけまいと、一生懸命に過去の失敗を点検し、未来のリスクをパトロールしてくれているだけ。あなたの脳は、誰よりもあなたの味方であろうとしているのです。
ただ、夜の反省会は、疲れた心には少し刺激が強すぎます。疲労した心で下す判断は、どうしてもネガティブになりがちですから。
そんな時は、頭の中でぐるぐる回っている言葉を、一度「自分の外側」に出してあげましょう。
やり方は、とてもシンプルです。
枕元に小さなノートとペンを置いて、頭に浮かぶモヤモヤを、ただ、そのまま紙の上に書き殴ってみるのです。
きれいに書く必要はありません。言葉にならない「叫び」や「不安」、あるいは「誰かへの怒り」だけでも十分です。
不思議なもので、心の中にあるうちは「巨大な怪物」に見えた不安も、インクになって紙の上に留まると、ただの「インクのシミ」に見えてきます。自分と不安との間に、確かな物理的距離が生まれるからです。
「よし、一旦ここに置いておこう」
そうやって、今夜の心配事を、その小さなノートに預けてしまうのです。
夜は、ただ息をして、体を休めるためだけの時間です。過去を悔やむためでも、未来を憂えるためでもありません。明日、何が起こるかは、明日のあなたに預けてしまえばいい。私たちは、本来、夜はただ眠るだけでいいはずなのです。
今夜は、頭の中のパトロールを少しだけお休みにして、ご自身の静かな呼吸に意識を向けてみてください。深く、ゆっくりと。ただ、夜の静寂に身を委ねて、ゆっくりと目を閉じてみてくださいね。
明日、あなたの見える景色が、少しでも優しく、明るいものでありますように。
今夜は、安心して眠りについてくださいね。おやすみなさい。
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