こんにちは、精神科ナースの優(ゆう)です。
カウンセリングや傾聴の場で、よくこんな声を聞きます。
「自分が"うつ"なのか、ただ"不安"なのか、それとも"HSP"なのか、
自分でもよく分からなくて」
「全部当てはまる気がして、整理がつかない」
実はこの3つ、似ているようで成り立ちが違います。
混同したまま自分を見ていると、整理の方向もズレてしまう。
今日は、私が精神科病棟で出会ってきた患者さん、
そして自分自身の体感から整理した「ざっくりとした見分け方」と
「それぞれの抱え方」を書いてみます。
※ 本記事は医学的な診断のためのものではありません。
自分の状態を整理するきっかけとしてお読みください。
■「うつ」の輪郭
うつは、一言で言うと
「心と体のエネルギーが、ガクッと落ちる状態」です。
特徴は――
・朝起きるのが本当に辛い、起きても何もする気が出ない
・何を見ても聞いても、感情が動かない(楽しいも悲しいもなくなる)
・食欲・睡眠などの基本的な欲求が一斉に下がる
・自分を責める思考が、頭の中を支配する
うつは「気分の波」ではなく「全体的なエネルギー低下」です。
頑張ろうとしてもエンジンがかからない、
車のバッテリーが上がっている状態に近い。
整理の方向:
「動けない自分を、責めない」が出発点になります。
うつの渦中にいる人にとって、最大の敵は
「こんな自分はダメだ」という思考です。
動けないのは怠けではなく、エネルギーが切れているから。
回復のためには、まず動けないことを許す時間が必要です。
■「不安」の輪郭
不安は、
「まだ起きていない未来を、頭の中で過剰に予測してしまう状態」です。
特徴は――
・「もしこうなったらどうしよう」が頭から離れない
・動悸・息苦しさ・胃の不快感など、体に出ることが多い
・落ち着いて座っていられない、何かしていないと不安が膨らむ
・安心するために、何度も確認行動を取ってしまう
うつが「エネルギー低下」なら、不安は「過剰なアラート」。
体は緊張しっぱなしで、頭は常に最悪のシナリオを描いている。
整理の方向:
「不安は"未来"の話だ」と気づくことが第一歩になります。
不安が向いている先は、今ここの現実ではなく、まだ来ていない未来。
「今、目の前で何が起きているか」に意識を戻す練習が、
整理の入り口です。
■「HSP」の輪郭
HSP(Highly Sensitive Person)は、病気ではなく
生まれ持った気質の特徴です。
特徴は――
・人の感情や場の空気を、過敏に拾ってしまう
・大きな音・強い光・人混みで、心と体がぐったり消耗する
・一度に多くの情報を処理しようとして、頭がフリーズする
・他人の悩みを聞くと、自分の感情のように引きずってしまう
HSPは「治す」対象ではなく、「付き合い方を覚える」対象です。
感度の高さは、芸術・対人援助・直感的判断などで強みにもなる。
ただ、適切に充電とリセットの時間を取らないと、消耗が早い。
整理の方向:
「自分の感度を理解して、環境をデザインする」ことが大切です。
人混みを避ける、SNS時間を制限する、
ひとりになれる時間を意識的に作る。
我慢で乗り切るのではなく、自分の特性に合った日常を作っていく方が、
長く穏やかでいられます。
■ この3つは、重なることもある
実は、HSPの人がうつになることもあるし、
うつの人が強い不安を抱えることもあります。
3つは独立した別物ではなく、重なり合うことがある。
だからこそ、自分の中で
「今、一番強く揺れているのはどれか」を見ていく作業が大事です。
「全部当てはまる」と感じるとき、本当に必要なのは、
全部を一気に解決することではなく、
一番揺れている1点に、まず光を当てること、だったりします。
■ 共通して大切な「抱え方」
うつ・不安・HSP――どれであっても、
共通して効くのは「自分の状態を否認しないこと」です。
「私はうつなんかじゃない、ただ疲れてるだけ」
「不安なんて気のせい、もっと強くならないと」
「HSPなんて言い訳でしょ、みんな我慢してるんだから」
こういう否認は、最初は楽です。直視しなくて済むから。
でも、否認は事態を固定させます。
一方、受容は痛いけど、その先に整理が始まる扉があります。
「ああ、今の私はエネルギーが落ちているんだ」
「不安な状態にあるんだな、私は」
「私は人より感度が高いタイプなんだ」
ただこう認めるだけで、対処の方向が変わってきます。
■ 最後に
ここまで読んでくださってありがとうございます。
自分の状態を整理するには、ひとりで考え込むより、
誰かに話して、言葉にしながら見ていく方が早いことが多いです。
私のサービスでなくても構いません。
信頼できる相手に、まず話してみてください。
そして、もし「精神科ナースに整理を手伝ってもらいたい」と
思っていただけたら、プロフィールから出品サービスをご覧ください。
評価せず、急かさず、あなたのペースで聴かせていただきます。
精神科ナース 優(ゆう)