「占ってもらって、どうなった?」という問いに答えるとしたら
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「鑑定を受けると、何か変わりますか?」
と、聞かれることがある。
この問いに答えようとすると、
私は少し迷う。
「変わる」という言葉が、
どこか正確ではない気がしているからだ。
鑑定で何かが「変わる」というより、
見えなくなっていたものに、
もう一度、気づけるようになる。
感覚としては、
そちらの方が近い。
でも、そう言うと今度は、
「どういうことですか?」
と聞かれる。
だから今日は、
そのことを少し丁寧に、
言葉にしてみようと思う。
鑑定後に、
「すっきりしました」
と言ってくださる方は多い。
けれど、その理由を聞くと、
「答えが出ました」という人は、
実はあまり多くない。
「気持ちが整理された気がします」
「自分がどうしたいのか、少し見えました」
「なんでこんなに苦しかったのか、わかった気がします」
そういう言葉の方が、
ずっと多い。
明確な答えが出たというより、
霧が少し晴れた。
そんな感覚なのだと思う。
私は、占いは
「何かを当てるもの」
ではないと思っている。
もちろん、
流れや可能性を読むことはある。
でも、本当に大切なのは、
“今、その人に見えなくなっているもの”
を見つけることだと思っている。
人は、
感情の渦の中にいると、
視野が狭くなる。
不安が強くなると、
ひとつの可能性だけを見続けてしまう。
「嫌われたかもしれない」
「もう終わりかもしれない」
「今は動かない方がいいのかもしれない」
でも、
少し離れた場所から見ると、
まったく違う景色が見えることがある。
本人は、
まだそこに気づいていない。
けれどカードを通すと、
その人が見落としていた感情や、
関係性の流れ、
言葉になっていなかった本音が、
ふっと浮かび上がることがある。
「そんな見方をしたことがなかったです」
そう言われることは、
少なくない。
私は、
その瞬間がとても大切だと思っている。
答えを押しつけるのではなく、
見えていなかった視点を、
そっと差し出す。
すると、
止まっていた感情が、
再び動き始めることがある。
以前、
「前を向く勇気が湧きました」
と言ってくださった方がいた。
でも私は、
勇気を与えたわけではないと思っている。
ただ、
その人自身が見失っていたものを、
カードを通して、
少し先に見つけただけなのかもしれない。
「本当は、自分でも薄々わかっていた気がします」
鑑定のあと、
そんなふうに言われることもある。
でも、
ひとりでは気づけなかった。
あるいは、正面から向き合うことが、
ちょっと怖かったのかもしれない。
近すぎて、
見えなくなるものがあるからだ。
「気持ちを言葉にするのが苦手で」
そう言いながら、
心の深い場所にあるものを
話してくださった方もいた。
きっと、その話は
ずっと誰かに聞いてほしかったのだと思う。
ただ、
安心して話せる場所が、
なかっただけなのかもしれない。
だからもし、
「占いを受けてみようかな」
と迷っているのなら。
「何かが劇的に変わるかもしれない」
という期待よりも、
「少し視界が戻るかもしれない」
「自分の盲点に気付けるかもしれない」
そのくらいの気持ちで、
来てもらえたらと思う。
何かを決めなくていい。
うまく話せなくてもいい。
ただ、
今の気持ちを、
そのまま持ってきてもらえれば大丈夫。
私は、
カードを通して、
少し離れた場所から見えたものを、
言葉として差し出している。
その結果として、
視界が戻ったり、
自分を取り戻したりする。
そんな時間を、
一緒につくれたらと思っている。