わたしは幼い頃、彼が案内役を務める素晴らしいドキュメンタリー番組をたくさん見た。
それらの番組は、自然界に関するわたしの誤解を、わたしが認める以上に正してくれた。その誤解の一つはアマゾン川に関するものだ。
わたしはこう想像していた。世界最大の流域面積を持つこの川は、ただ一つの泉から始まり、
下流へいくにつれて、どういうわけか奇跡的に広く大きくなっていくと。
しかしアップテンボローは、大半の川がそうであるようにアマゾンに唯一の水源はない、と断言して、わたしをがっかりさせた。
「生きものたちの地球」
シリーズで彼は、細かい小川を歩いて渡りながらこう言った。
「これは、世界最大の川であるアマゾンの、源流とみなせる多くの小川の一つです。」
そのしばらく後で彼は、「アマゾン川の多くの源流は、それぞれアンデス山脈の東を流れる無数の細流からはじまりました」と語った。
残念!世界の淡水の20%を占めるあの大河に、たった一つの水源はなかったのだ。
小さな源流がたくさんあり、それらが集まって、最終的にあの巨大な流れになっていたのである。
あなたの脳の中を力強く流れる記憶の川には多くの要因が影響することを、科学は語る。
ストレスを減らすことや、定期的にエアロビクスをすることはプラスになる。
他にも、先週、何冊の本を読んだか、今抱えている悩みはどの程度か、夜よく眠れるか、といったことも影響する。
これらの要因が細流となって、記憶という大きなアマゾン川のような能力に貢献している。
老年まで脳の活発さを保つためには、アンデス山脈の高所から流れ落ちる川のように、勢いのあるライフスタイルが必要とされる。
知的な活発さを保つすべを深く理解するために、本書では、それぞれの小川がどんな寄与をす?のかを深く見ていこう。
きっと記憶の中から新しい発見があるはずです。
本日の最高の一冊
【ブレイン・ルール 健康な脳が最強の資産である】
ジョン メディナ, 野中 香方子著