中小企業経営のための情報発信ブログ179:「良い失敗」と「悪い失敗」

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ビジネス・マーケティング
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多くの企業で、プロジェクトを行うにあたり、プロジェクトを成功させるために必要な要員リソースの質・量ともに不足している状態で戦いに突入し、不完全な成果に終わるか、玉砕して何も成果を挙げないまま時間と予算を使い切って解散するというケースが見られます。このような状態でプロジェクトを遂行しようとしても成功するはずはありません。
今日は「良い失敗」と「悪い失敗」について見ていきます。
1.明らかに要員が不足している状態で強行し「戦力の分散投入、各個撃破」になっている。
 プロジェクト遂行に当たり、⑴目的・目標を明確に定め ⑵的確な状況整理を行い、⑶成功の見込みが高い計画概要を作成したとしても、必要な戦力を投入しなければ、成功が覚束ないのは当たり前です。しかし、それができていないのが現状でしょう。
「プロジェクト開始前に必要な要員リソースの質・量のチェックを行っていない」「プロジェクトメンバーにはいつも同じ名前がある」「兼務で工程のやりくりができていない」など、多くの企業で見られるところです。
2.プロジェクトに必要な要員リソースの割り当てができない理由
 プロジェクトには、ヒト・カネ・モノ・情報といったリソース(経営資源)が必要なことは言うまでもありません。このリソースを分配する意思決定を行うのは経営陣の仕事です。カネやモノについては必要十分かのチェックを行ったとしても、ヒトに関してはそのチェックが十分に行われていないのです。カネやモノについてはある程度数値化できますが、人については量・質ともに数値化が困難なからです。
 またそれだけではなく、組織横断的なプロジェクトの要員リソースの兼業稼働率を把握する手段を持っていないというのも原因です。プロジェクトを独立した組織にしない限り、一般的に既存組織横断、兼務で参画するメンバーの稼働負荷の実態を把握する仕組みがありません。また、他部門のプロジェクトに兼務で参画する場合、本務部門の都合を優先しプロジェクトワークを後回しにしがちです。これは人事評価が本務の組織で行われることが多いことが影響しています。
 しかし、人事。労務の仕組みを変える必要はありません。プロジェクトに参画しているメンバーは全従業員のうちの一握りに過ぎないからです。「本務で目標達成できなくても、プロジェクトでなすべきことをしていれば、その努力に見合った評価を行う」という特別ルールを作ればいいのです。
3.次につながらない失敗は、単なる経営資源の浪費である
 「失敗は成功の母」と言われますが、これは「良い失敗」に限った話で、「悪い失敗」は次の成功に結びつかず、企業組織において何の学びももたらしません。
 多くのプロジェクトは「プロジェクト開始前のプロセス」が軽視されています。「勝算が立っていないプロジェクト」は成功率が低いだけでなく、うまくいかなかった場合、その理由を特定することができず、次に成功するための示唆が得られず、同じような失敗を繰り返すことになります。これは「悪い失敗」の例です。
 「良い失敗」というのは、やるべきことを明確にして、できる範囲でやりつくして、それでも期待に沿った成果を挙げられなかったものです。この場合、その原因をたどることができ、解決方法を見出すことができます。
 「良い失敗」は組織に経験や暗黙知を蓄積することに役立ちますが、「悪い失敗」は投資したコストや要員の工数、時間などすべてが無駄になってしまいます。そのために、企業は「良い失敗」を許容し社員にチャレンジできる機会を与える反面、「悪い失敗」を徹底的に回避しなければなりません。
 プロジェクト開始前の「悪い失敗」を引き起こしている原因は、企画段階での検討不足とともに、要員の質と量の不足があると言えるのです。
 プロジェクトを成功に導くためには、プロジェクト開始前にしっかりとした計画を立て、それに、ヒト・カネ・モノといったリソースを必要十分に投入していくことです。中途半端に始めたプロジェクトは失敗します。それは「悪い失敗」です。
最後に、稲盛和夫氏の言葉を挙げておきます。
そのプロジェクトが、本当に価値のあると心底納得しない限り、着手しません。だからこそ、いったん着手したら、たとえ障害に遭遇してもあきらめないのです。もしある方法で成功しなければ、成功するための別の方法を追い求め続けるのです。
計画の段階では、悲観的に構想を見つめなおす必要があります。悲観的とは、どのくらい難しいのかを慎重に、小心に考えつくすことです。
『楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する』ことが物事を成就させ、思いを現実に変えるのに必要なのです。
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