ウンコを漏らしながら書く、春のブログ
春の訪れを感じる。窓の外では桜が満開だ。やわらかな風がカーテンを揺らし、頬を撫でる。遠くから鳥のさえずりが聞こえ、どこかの子どもたちが笑いながら走り回っている。
しかし、俺の中ではすでに取り返しのつかないことが起こっていた。
ゴボッ……!
ギュルルルル……!
最初の波が来たとき、俺は「まだいける」と思っていた。ブログを書き終えてからトイレに行けばいい。これは単なる腹痛で、少し我慢すれば波は引いていくはずだ。
だが、春の嵐のように、腹の中の異変は一瞬で激しさを増した。波は小さく引くどころか、より強大なものになり、俺の肛門を容赦なく攻め立ててくる。
「くっ……! まだ耐えられる……!」
そう信じた。そう信じたかった。だが、現実は無情だった。
ぐぐぐぐ……
肛門に全神経を集中し、己の尊厳を守るために踏ん張る。しかし、次の瞬間、体の芯から何かが崩壊する感覚が走った。
ブリュッ……!
――終わった。
一瞬、何が起こったのか理解できなかった。ただ、下半身に広がる生ぬるい感触。次第に漂い始める、春の風とは似ても似つかぬ濃厚な香り。
「いや……嘘だろ……?」
信じられなかった。信じたくなかった。俺は、ウンコを漏らしたのだ。いい年をした大人が、この春の日に、ブログを書きながら、椅子の上で盛大にやらかしてしまったのだ。
体は硬直し、脳は現実を受け入れることを拒んでいた。だが、じわじわと滲み出してくる確かな温もりが、否応なく真実を突きつけてくる。
春は新しい始まりの季節。新たな出会い、新たな環境、そして――俺は今、新たな自分に生まれ変わったのかもしれない。
もう、元には戻れない。
ブログの続きを書くべきか、トイレに駆け込むべきか。そんな選択をしている時点で、俺はもう人としての大切な何かを失っているのではないか。
しかし、せめてこれだけは伝えたい。
みんな、ウンコは我慢するな。春の陽気に油断するな。そして、俺みたいになるな。
俺は今からシャワーを浴びてくる。
春の風よ、どうかこの汚れた俺を優しく包んでくれ……。