誰かが深く落ち込んでいるとき、本当はそばにいてあげたいですよね。
でも、相手の悲しみや辛さがまるで自分のことのように伝わってきて、胸が苦しくなってしまう。
「このまま一緒にいたら、私も沈んでしまうかもしれない」
そんな恐怖を感じて、あえて距離を置いてしまうこと、きっとありますよね。
心理カウンセラーとして、そんな自分を責めてしまう気持ち、本当によく分かります。
距離を置いてしまったあと、ふと一人になったとき、「なんて冷たいんだろう」「もっと優しくできたはずなのに」と、一人で罪悪感に押しつぶされそうになっていませんか。
まずは知っていてほしいのですが、それはあなたが冷たいからではなく、それだけ「感受性が豊かで、優しい心を持っているから」なんです。
相手の痛みを自分事として感じ取れる力は、素晴らしい才能です。
でも、あまりに鋭い感性を持っていると、他人の重たい感情の波に飲み込まれやすくなってしまいます。
僕は、そんな自分を守るために距離を取ることは、決して悪いことではないと考えています。
それは「逃げ」ではなく、自分という船が沈没しないための、大切な「防衛反応」なんですよ。
むしろ、あなたが自分自身を守ることで、結果として相手との関係を長く保つことにも繋がります。
自分がボロボロになってしまっては、たとえ一時的に寄り添えたとしても、その後ずっと支え続けることは難しくなってしまいますよね。
だからこそ、今は「自分の心の安全」を何よりも優先してあげてください。
あなたが健康で、穏やかな気持ちでいられること。
それが、結果的には一番のサポートになるのです。
もし距離を置いてしまったときは、まずは「自分も一緒に辛かったんだな」と、自分の心に優しく声をかけてあげてください。
「今、私は自分の心を守ったんだね」と、その選択を認めてあげるだけで、罪悪感の重さは少しずつ軽くなっていきます。
誰かを大切にしたいというあなたの純粋な気持ちは、決して消えていません。
ただ、あなたの心のキャパシティには限りがあって、それは人間として当たり前のことなんです。
自分自身の平穏を保ちながら、できる範囲で少しずつ、相手の背中に手を添えるような距離感を模索していけばいいんですよ。
無理をして相手と同じ深さまで潜る必要はありません。
水面で浮き輪を浮かべて、いつでも助けに行ける状態で待っている。
そんな距離感も、立派な「寄り添い」の一つだと僕は考えています。
あなたの心は、あなた自身が一番大切にしてあげなければいけない宝物です。
だから、どうか自分を責めないで、まずは深呼吸をして、温かい飲み物でも飲んで、自分自身を労ってあげてくださいね。