大好きな人や、大切に思っている相手の誕生日。
カレンダーを見て、まだ1ヶ月も先なのに、ふと胸がザワザワして、「あの日、なんて送ろうかな」と考え始めてしまう。
そんな経験、あなたにもありませんか。
普通の人なら「おめでとう!」の一言で済むはずのことが、繊細な気質を持つあなたにとっては、まるで国家予算をどこに配分するかを決めるくらい、重くて、大切で、慎重なプロジェクトになってしまうんですよね。
送ったら「まだ覚えてたんだ、重いな」って思われないかな。
でも、送らなかったら「あ、私のこと忘れちゃったんだな」って悲しませるかもしれない。
右に行っても左に行っても、誰かが傷ついたり、自分が否定されたりするような気がして、スマートフォンの画面を見つめたまま、時間だけが過ぎていく。
そんなふうに悩んでしまうのは、あなたが相手の心の温度を、自分のことのように敏感に察知しようとしているからです。
心理カウンセラーとして、僕は、その葛藤はあなたの愛情の深さそのものだと感じています。
言葉ひとつで相手の世界を壊したくない、一番心地よい距離感でいたい。
そう願う優しさがあるからこそ、たった5文字の「おめでとう」が、10キロの重りみたいに感じてしまうんですよね。
結局、悩みすぎて、考えすぎて、当日の夜、もうすぐ日付が変わってしまう23時59分。
震える指先で送信ボタンを押して、返信が来る怖さに耐えきれず、すぐに電源をオフにして布団に潜り込む。
そんなあなたの健気な姿を想像すると、僕は、本当によく頑張ったね、と抱きしめてあげたい気持ちになります。
スマホの電源を切るのは、自分を守るための、精一杯の防衛本能。
相手の反応という、自分ではコントロールできないものから、自分自身の柔らかい心を守るために必要な儀式だったんですよね。
でもね、少しだけ想像してみてほしいんです。
23時59分に届くメッセージ。
受け取った相手は「重い」と思うよりも先に、「あ、今日が終わるギリギリまで、私のことを考えてくれていたんだな」とか「滑り込みで伝えたかったんだな」と、その不器用な一生懸命さに、ふっと口角を上げるかもしれません。
あなたが「重い」と恐れているものは、実は相手にとっては「大切にされている実感」であることも多いんですよ。
もし、次回の誰かの誕生日にまた苦しくなったら、僕はこう考えてみてほしいなと思います。
おめでとうは、相手に届ける「ギフト」ではなくて、あなたの心に咲いた「お花」を、そっと窓辺に置いておくだけのもの。
相手がそれに気づくかどうか、花瓶に飾ってくれるかどうかは、相手の自由。
あなたは、ただ「お花が咲いたよ」と伝えるだけで、もう十分すぎるほど、その役割を果たしています。
送るタイミングが遅くなっても、早すぎても、あなたの真心が消えるわけではありません。
23時59分に送るあなたの愛は、世界で一番、思慮深くて優しい愛だと僕は思います。
自分を責めないでくださいね。
その繊細な感性を持っているからこそ、あなたは誰よりも深く人を愛せるし、人の痛みに寄り添えるのです。
心理カウンセラーとして、これからもあなたのその美しい不器用さを、一番の味方として支えていきたいな、と願っています。
たまにはスマホの電源を切って、静かな夜を過ごす自分を、たっぷり甘やかしてあげてください。