毎日を一生懸命に生きていると、ついつい「これは何かの役に立つかな?」「これをやって損をしないかな?」なんて、心のどこかで計算してしまいませんか。
現代はとても忙しくて、無駄を省くことやタイパを上げることが正義のように言われがちです。でも、心理カウンセラーとして、多くの心に触れてきた僕は、実は「役に立たないこと」の中にこそ、人生を輝かせる一番の宝物が眠っていると確信しています。
世の中には、効率や成果だけで測れないものがたくさんあります。例えば、道端に咲く名もなき花を眺める時間や、お気に入りのカフェでぼーっと流れる雲を追いかけるひととき。あるいは、誰に頼まれたわけでもない趣味に没頭したり、大切な人とたわいもない冗談で笑い合ったりすること。
これらは、履歴書に書けるような特技でもなければ、お金を稼げるスキルでもありません。誰かに評価されることも少ないでしょう。でも、そんな「生産性のない時間」こそが、カサカサに乾いてしまった僕たちの心に、じわっと潤いを与えてくれるんです。
僕は、心が疲れてしまった方のお話を聞くとき、よくこんなことを考えます。「この人が、心の鎧を脱いで、ただの自分に戻れる場所はどこだろう?」と。
悩んでいるときほど、僕たちは「正解」を探してしまいます。「どうすれば嫌われないか」「どうすれば最短で幸せになれるか」と、頭をフル回転させて答えを導きだそうとします。でも、答えを急げば急ぐほど、心はますます窮屈になって、本来の自分らしさが消えていってしまうんです。
そんなとき、ふと立ち止まって「役に立たないこと」を自分に許してあげてほしいんです。
意味がなくてもいい。結果が出なくてもいい。ただ、心が「いいな」「心地よいな」と感じる瞬間を、一つひとつ丁寧に拾い集めてみてください。その積み重ねが、あなたという人間を形作る深い根っこになり、どんな嵐が来ても揺るがない心の土台になっていきます。
「無駄な時間」を過ごしたあとに、ふと心が軽くなっていることに気づくはずです。その軽やかさこそが、次に一歩を踏み出すための本当のエネルギーになります。
役に立つことばかりで人生を埋め尽くそうとしなくて大丈夫です。一見するとガラクタに見えるような、効率の悪い、不器用な、愛おしい「無駄」を、どうか大切に抱えてあげてください。
その「無駄」こそが、あなたの人生という物語を、他の誰のものでもない、あなただけの特別なものにしてくれる最高のスパイスなのですから。
ありのままの自分でいられる時間を、ほんの少しずつ増やしていきましょうね。僕は、いつもここであなたの心に寄り添っています。