街を歩いていて、ふと心臓がギュッとなる瞬間はありませんか?
人混みの中で、あの人と似た後ろ姿を見かけたり。
対向車線を走る車が、あの人が乗っていたのと同じ車種だったり。
ただそれだけで、まるで時間が止まったかのようにフリーズして、心拍数が跳ね上がってしまう。
「もう終わったことなのに」「あんなに時間が経ったのに」と頭では分かっていても、足の震えがしばらく止まらなくなる……。
そんな苦しさを抱えながら、あなたは今日まで一生懸命に歩いてきたのですね。
僕は、これまで多くの方の心に触れてきましたが、特に繊細な気質を持つHSPさんは、記憶と感情が深く結びつきやすい傾向があると感じています。
それはあなたの心が弱いからではなく、それだけ人を深く、真剣に愛した証拠なのだと僕は思います。
HSPさんは、五感がとても鋭いです。
視界に入ったわずかな情報から、当時の空気感や、相手の体温、その時に感じた痛みを、昨日のことのように鮮明に引き出してしまうのです。
似た車種を見ただけで「もし本人だったらどうしよう」という不安と、かつての幸せだった頃の記憶が混ざり合い、脳がパニックを起こしてしまうのは、ごく自然な反応と言えるでしょう。
そんな時、どうか自分を責めないでくださいね。
「まだ引きずっている自分はダメだ」なんて思わなくていいんです。
体が震えるのは、あなたの防衛本能が「もう傷つきたくないよ」とあなたを守ろうとしてくれているサインですから。
もし、街中で「それらしきもの」を見てフリーズしてしまったら、まずは自分の胸に手を当てて、ゆっくり呼吸をしてみてください。
「びっくりしたね」「怖かったね」と、自分自身に声をかけてあげてほしいのです。
そして、今この瞬間、あなたは安全な場所にいるということを確認してください。
あの時の痛みの中にいるのではなく、今のあなたは、こうして自分の足で立ち、今日を生きている。
その事実だけで、あなたは十分に素晴らしいし、強い人なんです。
心が落ち着くまでは、少し立ち止まっても大丈夫。
無理に歩き出そうとしなくていいんです。
震える足は、あなたがそれだけ誰かを大切に想い、誠実に生きてきた歴史そのものです。
少しずつ、本当に少しずつでいいので、その痛みが柔らかな思い出に変わっていく日を、僕は信じています。
あなたは一人ではありません。
あなたのその繊細で優しい心が、いつか穏やかな光に包まれることを、心から願っています。