ふと鏡を見た時、「この服、本当に私が着たかったんだっけ?」と立ち止まってしまうことはありませんか。
相手に嫌われないように、相手が好むような話し方を選び、相手が喜びそうな考え方に自分を書き換えていく。
そうやって「正解」を探して演じ続けているうちに、いつの間にか本当の自分の居場所がなくなってしまったような、不思議な虚無感に襲われることがありますよね。
僕は、これまで多くの繊細さんの悩みをお聞きしてきましたが、あなたはこれまで、本当に、本当によく頑張ってこられたのだと感じています。
誰かに合わせるということは、それだけあなたが周りの人の気持ちに敏感で、優しく、調和を大切にできる素晴らしい才能を持っているという証拠でもあります。
でも、その優しさの矛先が、いつも自分以外の人に向きすぎてはいなかったでしょうか。
「嫌われないための自分」を演じるのは、自分を守るための、あなたなりの懸命な防衛本能だったのかもしれません。
けれど、自分を消して手に入れた安心感は、どこか脆くて、心に冷たい風が吹き抜けるような感覚を連れてきます。
「私は誰のために生きているんだろう」という問いが頭をよぎるのは、あなたの心が「もう限界だよ、私を見つけて」とサインを出している証拠だと僕は思います。
まずは、これまで自分を後回しにして、誰かのために一生懸命演じてきた自分自身を、「お疲れ様、よく頑張ったね」と優しく抱きしめてあげてください。
本当の自分を取り戻すプロセスは、いきなり大きな変化を起こそうとしなくて大丈夫です。
例えば、飲み物を選ぶ時、誰かが「コーヒーでいいよね」と言ったとしても、心の中で「今の私は本当は何が飲みたい?」と自分に聞き直してみる。
「今日は紅茶の気分だな」と思えたなら、それだけで、あなたは自分自身との繋がりを取り戻し始めています。
相手の好みに合わせることに慣れすぎていると、自分の「好き」が分からなくなることもありますよね。
そんな時は、幼い頃に好きだったものや、心が動いた瞬間の記憶を、大切に手繰り寄せてみてください。
誰の評価も気にしなくていい場所で、あなたが「心地よい」と感じることだけを、少しずつ生活の中に増やしていきましょう。
あなたがあなたらしくいることで、もし離れていく人がいたとしても、それはあなたが悪いわけではありません。
むしろ、本当のあなたを愛してくれる人と出会うための、大切なスペースが空いたということだと僕は思います。
自分の人生のハンドルを、自分自身の手に取り戻すこと。
それは最初は少し怖いかもしれませんが、その先には、今よりもずっと深く、穏やかな安心感が待っています。
あなたは、誰かの期待に応えるためだけの存在ではありません。
自分のために笑い、自分のために選び、自分のために生きていいのです。
少しずつ、鏡の中の自分と目を合わせて、「これからはあなたの味方だよ」と伝えてあげてくださいね。
心理カウンセラーとして、僕はいつでもあなたの心の回復を応援しています。
少しずつ、ゆっくりと、自分自身を迎えにいきましょう。