高齢者は10代よりも危険ではない:車の事故率の話
最近、いや結構前から、高齢者の自動車事故が多いからと、年寄りの運転が厳しい目で見られていますよね。特に、例の「上級国民」の池袋暴走以降、その傾向が強くなったようです。まあ気持ちはわからなくはない。よぼよぼの爺さんや婆さんがおぼつかない手つきでハンドルの握っているのを見れば誰でも心配になります。ここで急いでいっておくと私も結構な歳でして、決して高齢者を揶揄しようと思ってこんなことを書いているわけではありません。年中、年寄り差別にあって悔し涙を流している身です。まあそれはいいとして、話を戻すと、実は高齢者の事故率よりも10代の事故率の方が遥かに高いんですね。警察庁の「令和4年中の交通事故の発生状況」を見ると以下の通りとなっています。免許所有者10万人当たりの事故件数は、16~19歳が1039.2件と飛びぬけて多い。次いで20~24歳の597.2件で85歳以上は498.4件。35歳~69歳はほぼ横ばいですが、70~74歳から事故率が上昇しています。これが現実なんです。ではなぜ高齢者の事故が増えているように感じるのでしょうか?2つの理由が考えられます。・まず高齢化でそれに比例して全事故に占める高齢者の割合が増加している。たとえば、死亡事故に限った場合、免許保有者10万人当たりの事故件数は高齢者が若年層を若干上回っています。・次に、死亡事故に限定すると高齢者事故率が高く印象に残りやすい。報道の取り上げ方としても報道を見聞きしたときの印象の残り方としても死亡事故の方が大きいんですね。そのために高齢者の事故件数が実態以上に多く感じられるのではないかと考えられます。さらにマスコミ、特にテレビが
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