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ドラマ〜競争の番人〜 呉服店編

こんにちは!mikiです。先日、録画してたドラマを見ました。「競争の番人」公正取引委員の奮闘を綴るドラマで、主役の杏さんや坂口健太郎さんの活躍が楽しいです。この中で、呉服店が取り上げられていました。呉服屋のおかみさん、真飛聖さんの着物姿がとっても美しかったですね!呉服業界にいらっしゃる皆さま。このドラマで描かれている職人さん、呉服店に違和感感じませんでしたか?私は非常に感じました。何より、呉服店があんなに混むことはない!「呉服業界は私が変える!」とって独立した人が、偽物、紛い物をお客さんに売るとか、職人が呉服店に出入りするとか、(あんなに急に商品引き上げる職人、それこそ信頼無くしますね)もそうですけどね。今、呉服店・呉服業界は厳しい。店じまいする店は多いです。本当に。どうやって残っていくのか。このドラマでは、若い店主は昔お世話になった女将しか見てなかった。で、真飛さんはどうか?そこに、呉服店が生き残るヒントがあると思います。個人的には、若い店主にもっとSNS活用した集客してる姿とか見せて欲しかったです。「私が呉服業界を変える」が「不正」というのは残念です。miki
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春画

 春画は、主に羽織の裏、額裏に描かれます。  春画の描かれたものは、着ていく場所は決まっています。いつでもどこでもどんなときにも着ていいものではありません。それは、お茶屋さんです。  喫茶店のお茶屋ではありません。大人の遊び場、お茶屋さんです。  羽織は、自分で脱ぐものではなく、人に脱がせてもらうものです。  お茶屋のご主人に、「今日は暑いな」とかなんとか言って、暑くもないのに理由をつけて訴えるのです。すると、ご主人が羽織を脱がせてくれます。そこで、羽裏を見たご主人が、「おお。だんな、今日は粋ですな」とかなんとか言いながら、そっと、丁稚の小僧さんに、馴染みの御姐さんを呼びにいかせるのです。  もちろん、案内されるのも、離れの誰も来ないような特別なお部屋です。そこでの見たこと、聞いたことは、絶対に他言は無用なのです。 それ以外でのお茶屋さんでのそういう行為は厳禁です。  そういうことができるようになるには、かなりのお金を使い、常連以上のお付き合いがないと出来ません。 その辺のお茶屋さんに、そこそこ顔が売れてきたからと同じことをすると、出禁です。そもそも、馴染みの御姐さんの顔なんざ知らんがな。 そんな符号のような額裏の春画ですが、現在でも時折見かけます。 昔のような生々しいものではなく、ヤッテルことはヤッてるけど、肝心なところは描かれてない。 さて(笑 これを、海外縫製に持ってくるお店があります。 日本でこそ、春画は芸術ですが、海外に持っていくと、ただの猥褻画像になります。ズバリ、捕まります。逮捕です。 一度、ベトナムへ春画の額裏を輸出して、ベトナムからたいそう怒られたそうです。「
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和裁士の立つ瀬

 着物の着方の動画で、どんな寸法でも、ほぼ着ちゃうよ! っていうのがあって、へ―って思いながら見た。 着付けの仕方はともかく、コートの格を、「1道行! 2道中着! 3羽織!」って力説してて、はあ。と思った。 どこで聞いてきたんだろう。まあ、某知恵袋でも、道中着を、「道行です」って回答してるし、うーん、って、考える。これを、わざわざ訂正するまでもない、と、高をくくっている時期は終わったのだ。もはや、コート=道行が浸透してしまっている。 知らぬから知らぬで仕方がないと、諦めているからこの状態になってしまったのだ。 とはいうものの。 その動画からリンクをたどったら、とある和裁士のブログにたどり着いた。男性の和裁士で、1級技能士、とあったが、2級取得の記載しかない。まあ、1級とった時期を忘れたのかもしれないし、打ち込みを「1」とするところを「2」と間違えたのかもしれない。 なぜなら、彼は、とても丁寧なお仕事をするらしく、身丈は5mm、そのほかは2mmの誤差しか許さないこだわりぶりをおっしゃっていたから。そんなに丁寧にする人が、数字を間違えるわけはないのだ。が、人間、うっかりというのはどこでもあるし……ん? すごい、矛盾してね? まあ、いいか。 そんな風に、彼は、細部までこだわる仕立てをするのに、何でも着てもらっては、和裁士の立つ瀬がない。と、嘆いていらっしゃるのだ。うん。……え? 和裁では、メートル法ではなく、尺貫法を使う。主に鯨尺だが、曲尺を使うところもある。鯨=曲尺×0.8である。鯨8寸=曲1尺。鯨1分=4mm強。 つまり、身丈は1分、その他は5厘の誤差しか許さない。とおっしゃるわ
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衽線畳み

 「衽線畳み」という畳み方があるらしい。 おくみせんだたみ。と読むらしい。衽線畳み? かれこれ、和裁畑にさ迷い込んで、早、30年。初めて聞く畳み方の名前。 何の事だろうと、耳をダンボにして聞いていたら、どうやら、本畳みで、衽付けギリギリに折りをつける? やりかた? たたみかた? らしい⁇ 8寸の6寸で抱き幅通し。これで、身頃側の衽付けの縫込みが2寸3分。肩明き2寸5分の裁ち切りで出来上がりが2寸3分。これで衽付けのキセ山ギリギリまっすぐに折りが付き、剣先で少し身頃側に折り線がずれるがほぼ、真っすぐ。そして、衿も余計はしわがつかず、背縫いのどん詰まり、衿付けが丁度繰越一個分戻って襟に折りが付き、着たときに良い感じに反発して衿が抜ける。 これが多分、電話の主がおっしゃる、「衽線畳み」の真相だと思われる。おそらく、だけど。 ところが、最近の標準の寸法は、後ろ8寸、前6寸5分。その差は1寸5分。昔の標準寸法は、後8寸、前6寸。その差、2寸。 この5分の差は大きい。 後ろ幅8寸は、実際、ちょっと広めなのだ。脇から前に回りがちになる。広めの寸法は、正座するのに立ったり座ったりする生活習慣から、後ろにゆとりを持たせたのかもしれないし、傷みやすい背縫いを縫いつめやすいように最初から広めにとったのかもしれないが、衽線を真っすぐに畳み上げるためにこの寸法にしたんじゃないかと、私は考えている。これは余談だけど。 後と前幅の差がもっと狭い場合、例えば、ヒップが120cmで、後9寸、前8寸5分とか、海外縫製ではざらにあるが、これだと、衽付けが計算上は8分、となる。実際は、8分ではつかないから脇をずらして
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レース生地によるお仕立てについての注意事項

 ここ数年の流行りのようで、瀟洒なレース生地の和装の仕立てが横行しております。横行じゃないか。流行か。 でも、よく考えて! レースは確かに素敵です。さっくり羽織って歩くと、ちょっとしたお公家様の姫になった気分です。つまり、KAWAII! でも、レースです。ケミカルレースやラッセルレースならまだしも、オーガンジーのエンブロイダルレースの反物でコートなんて作ったら、薄い生地部分が敗れるのは必定です。スケスケのうすうすの生地で、ちょっとひっかけたら、ビリッといきます。 畳み皺からも簡単に破けます。繊細な生地なので、取扱注意です。どんなに注意していても、簡単に破れるのはご承知おきください。(令和4年9月)
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道中着、及び、着物衿コートの着方

 道中着と着物衿コートの共通するところは、たった一組の紐で着るところ。道行などのはめ込み衿のコートは、たくさんのスナップで支えるので、きっちりと着用することができ、身幅も、比較的個人の体型に合わせて着物から割り出してくるからすっきりした着姿になる。 それに比べて、道中着と着物衿コートは、たった一組の紐を結んで終わり。それは、大変、不安定な着姿になります。 内紐を引っ張りすぎると、脇でつった状態になり、外紐をきゅっと結べば、前幅が寄って見える。 これは、そういうコートなので、仕方がないのです。そういうものです。 内紐は、出来るだけゆったりと結び、下前が落ちなければそれでいい。外紐は、花が並ぶように結んでは引っ張りすぎです。花と花が1寸~2寸ほど離れるようにざっくり結びます。 逆に、花が並ぶように結ぶのは、身幅が広すぎます。花は、離れるように身幅を調節しましょう。(令和4年 9月)
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折りと皴

 着物は、二次元の衣服です。畳めば平らになります。 洋服と違うのは、決して吊って収納しないということ。つまり、必ず、どこかにしわが入ります。折り皺、とか、畳み皺と言ったりします。これは、きちんと手入れ、収納されているという証拠なので、消してはいけません。 あ、いや、消してもいいけど、つくべきところに皴がないと、慌てて仕立てた、前もって準備のできない粗忽者、あるいは、すぐに仕立てられるお金持ちで見栄っ張りで虚栄心の強い人、という評価が、もれなく付きます。 よって、着物の衽付けのすぐ横につく皴や、羽織の裾を折り返している皴は、キレイに消してはいけません。が。がっちり付きっぱなしというのも、箪笥から慌てて出して着たと思われるので、ちゃんと準備しましたよ。という意味で、軽く伸ばすことを推奨します。 特に、衽付け横の畳み皺は、「折り目正しい」の語源になった折り目ですので、決して消してはいけません。 これを消してしまうと、時代によっては、二心あり!! 裏切ったな!! と、問答無用で首が飛びます。この場合、職を失うという意味ではなく、物理的に、です。 当たり前についていないものが、ついていないと、例えば、その衣服についてはいけないものがついて、あるいは、物理的に着ることができなくなったので、慌てて仕立て直して着た。=隠すものがある。ととられてしまうのです。 ま、昔のことですので、現代社会を生きるものとしては関係ない話ではありますが、そこを関係ないと切って捨てると、情緒もへったくれもないわけです。着物好きなら、知ったうえで、アレンジに勤しんでほしいと思います。 例えば、殿方の着物に女物の小紋を
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卒業袴・二尺袖・小振袖

 仕立屋からの見方ですので、着付けの先生とは、意見が違うかもしれません。根本的に、違うんじゃないの? っていう突っ込みはなしにして、へぇ~、と、生暖かく笑ってもらえると、助かります。 世に聞く、「卒業袴」というカテゴリーの袴はありません。袴といえば、男物の「袴」か、女性のはく「女袴」。女袴と区別するために、あえて、男袴ということもあります。 仕立て方で分ければ、「馬乗り」か「行燈」。 あとは、多少、形は変わるけれど、用途によって名前が変わります。 舞に使う、仕舞袴、剣道に使う剣道袴、神主さんやお坊さんが使用する、切袴、道中袴、差袴(さしこ)、巫女袴、指貫等々。 道中袴は男物の馬乗り袴であるし、剣道袴も、寸法が違うだけの馬乗り袴。女袴は、切袴から派生したものだと聞きますから、女袴は、切袴、巫女袴と酷似した作りになります。 そこから、卒業式に使うだけのための女袴を卒業袴と呼ぶのだろう、と見当は付きます。見当は付きますが、じゃあ、女袴と卒業袴と、どう違うのか、何故区別するのか、は、ちょっと、わかりません。 着物はレンタル業界が旺盛の昨今、一度着るだけに高価な着物を購入するのももったいないから、わかりやすく卒業袴と銘打って貸し出しを始めたのが最初なのでしょう。 袴単体では着ることはできませんので、それにセットになる小紋の、袖の長い半着を、二尺袖と名付けたのでしょう。と推察します。 つまり、小振袖と二尺袖は、同じではない。 そう考えると、まあ、それはそれでありなのかな。 では、どう違うのか。小振袖 袖丈1尺7寸以上2尺3寸ぐらいまでの袖の長い小紋。 十代の娘時代に着る着物です。 仮絵羽の
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道中着

 道中着、とは、道中着衿のコートのことです。コートのカテゴリでも説明しましたが、コートにつくたて衿がつかず、羽織のマチがつかない、大変、中途半端でざっくりした羽織ものです。 道中着衿とは、3寸幅の通しの衿で、天をスナップで折って着用する形の襟です。よって、広幅の道中着衿はあっても、バチ衿の道中着衿は存在しないのです。バチ衿を天で折って着ることはないからです。 着用形態を考えると、バチ衿の道中着衿は、着物衿の変形といえます。 道中着=コートは成り立っても、コート=道中着ではないのです。コートとは、縫い目を割る羽織ものの総称であって、コートが指すものは道中着衿のみではないからです。 都衿、千代田衿、被布衿、がそれぞれの衿の形のコートを差すのを考えれば自ずと理解できてくるのではないでしょうか。 つまり、「道行って書いてありますけど、道行衿でよろしいですか?」 と、いう問いに対して、「は? 道行って言ったら、道中着衿に決まってるでしょ?」 と、いうお返事はありえないわけです。なぜなら、道行=道行衿のことであり、つまり、道行コートを差すからです。 海外縫製の量販店で大人気の道中着ですが、そんなわけで、どこかで統一してもらえると縫う方としては助かります。 道行を道中着前提に話をされて「お前はそんなことも知らないのか」と言わんばかりに指摘されても、「はあ」としかお答えできません。(令和4年2月)
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仕立の種類

▶袷仕立 裏地の着いた仕立て方。 外側の見えるほうが、表地の表、裏地の表。 表も裏も、生地としては表が見える。▶単衣仕立 表地一枚の仕立て方。 外側の見えるほうが、表地の表。裏は、表地の裏。 生地としては、表は、生地の表が見え、裏は、生地の裏が見える。紗無双(紗合わせ)はこの仕立て方なので単衣。▶胴抜き仕立 着物:もともとは袷の時期に少しでも涼しくするために胴裏を省いた仕立て方。八掛のみをつける仕立て方。現在は、あげから下に八掛と胴裏をつけるのが主流。バリエーションが色々あり、八掛衽の高さに八掛の丈をそろえて表にくけつけたり、あげから下に八掛地をつけたりもする。 襦袢:袖が無双(袷仕立)で、身頃が単衣の仕立て方。▶半無双仕立て お袖で、袖口と振りに、表と同じ生地で袷に見えるように布をつけた仕立て方。襦袢だけ見ると、袖口布と振り布の通りにくけ目が見え、真ん中は単衣だが、着用時に見える袖口と振りは袷に見える。 主に、生地が足りない襦袢に使用する。▶無双仕立て 基本的に、裏表の生地が同じで袷に仕立てる。 「袖無双」なら、裏の付いた仕立てで、裏と表の生地が同じ生地で仕立てる。胴裏を使うとそれはタダの袷仕立。無双とは言わない。 まったく同じ生地を使用しているわけではないが、紗合わせと呼ばれる仕立ては、無双の仕立て。 
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着物の種類

◆◆◆染の着物◆◆◆▶小紋 裃に、お家がわかるように小さな紋が隙間なく染められていたことが名前の由来。 一つ一つの柄が、独立して全体に均一に配置されている。主に染の着物。 全体に柄のあるものを、「総柄」の小紋と言ったりする。ぽんぽんと規則的に飛んでいる柄を「飛び柄」という。 総柄のものは、カジュアルにしか着られないが、飛び柄の小紋は、宝尽くしなどのおめでたい柄や、付け下げ調に見えるものなどは、入学・卒業式にも着用可。▶色無地 白生地を一色に染めたもの。染めたものなので、白生地をそのまま仕立てても、色無地とは言わない。見た目にはわからないけど。たまに同色のぼかしが入っているものが色無地として売っているが、ぼかしも色のうちなので、一色とはならず、それは小紋。 喪服は、黒く染めた色無地に五つ紋を染め抜かれているもの。どんな色であれ、色無地に五つ紋を染め抜くと、最上礼装になるので、要注意。そんな人いないと思うけど。 染の色無地と、紬の色無地がある。 地紋のないものは、ちょっと格が下がる。 地紋が、付け下げ調になっているものがあるが、これも一色で染められていたら、付け下げではなく、色無地。だからと言って、色無地として着用するのは微妙なところ。微妙さは大島や紬の訪問着と同じ。▶付け下げ 柄に上下のある染の反物。墨打ちによって、切るところが決まっている。墨打ちがあれば、付け下げ。ただし、小紋にも墨打ちが打ってあることもある。 ぼかしの八掛をつけることが多い。 青海波は肩で振り分けていれば付け下げ。一方付いていれば小紋。ただし、着ていくときは、両方、小紋として着用。 他に、無地で一つ紋の縫い紋
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喪服という名の色無地

 黒一色で、五つ紋が染め抜かれてる着物を一般的に「喪服」と言いますが、逆に言うと、黒に染められた色無地に五つ紋を染め抜くと、喪服になります。 つまり、喪服は、黒い縮緬の色無地なのです。喪服なので、綸子などの光沢のあるものは使いません。男物は羽二重です。 綸子の黒い色無地は、五つ紋を染め抜いても、喪服にはなりません。礼装用の着物にはなりますが、現在のところ、黒一色の着物を喪服として認識されていますので、対外的にあまりよろしくは思われません。 あんまりピカピカ黒光りする「黒」は、品が良くないとされます。喪服は鈍色が良い。薄墨の喪服は悲しみの深さの色だそうですよ。たくさん涙を流して黒の色が黒が薄くなったのだそうです。 黒が正式に正装となったのは、明治からで、それ以前は、白の紋付も正装でした。 今も、北陸のほうには白喪服も多いと聞きます。神道の文化が濃いところは、白喪服が残っているようです。神前は黒は忌み色ですので、神様の御前に参るのには不適当になります。 着物のなかで、最礼装は色無地の五つ紋です。誰が着ても良い礼装の最高格になります。色喪服はそういうところから来てます。今、五つ紋を染め抜いた色無地は、どこにも着ていけませんので、一つ紋で喪帯を締めて、色喪服とします。江戸小紋です。特に、三役のものに限定されると聞きましたが、呉服屋さんによっては、江戸小紋であればなんでもいいらしいことを聞きました。 本当ですか? 以下、既婚の礼装で留袖、未婚の色留め、未成人の振袖、と格が決まってきます。  私年代の色留めは、紋を入れた訪問着と同格と言われていましたが、今、どうなんでしょう。 私が知ってい
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和装のイラスト

 上手だなぁ。と、感心してみています。 今は、また、和装ブームのようで、大正ロマンや昭和なレトロ感が漫画になったりアニメになったりして、和装に関わる一人として、ニヨニヨしながら見ています。  が。 憧れと実際は、やっぱり違うもので、創作の中の衣装としての「着物テイスト」と「着物」は、違う、ということを理解してほしいと思うのです。 明らかにどう見ても、着物としか見えないものを着ている。のに、肩に縫い目がある? 袖付けが?? 帯で胸を締め付けてない? この人の腰はどこにあるの? 裄付けが……一枚布で切って縫った感じ? 巻きスカートじゃないんだからさ。 っていう、突っ込みどこが満載。せめて、かけ衿がついているということは主張してくれないと、経帷子じゃないんだからさ、とか、ね。 基本は大事だと思うのです。 そこからいくらでも創作してくれてOKなので、せめて、衽はどの辺とか、帯の位置とか、着た時に必ず入るしわだとか、そこは、押さえておいてほしい。 大体、男物の袴の位置が高すぎたり、帯から下が長すぎる、ってことは、あるなぁ。あと、衣紋の抜き加減。 漫画やアニメの和装が、必ずしも実在するとは限らない、ってことを、理解してください。お願いします。ここ、大事。試験に出るからね。うん。                              以上
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一つ身・二つ身・三つ身・四つ身

▶一つ身 後ろ身頃が一枚で、背縫いのない裁ち方。 お宮参りの掛け着(祝い着、初着、熨斗目などともいう)や広幅の主に男物の襦袢に使用される。 そもそも、背縫いのない着物は悪霊がとりつくのだとかで、まだ、払う力のない赤子の着物には、背守(背飾りといったりもする)をつける。 背に紋をつけるのは、背守と同じ悪霊退散の意味もある。 大人物で広幅の十分寸法の取れるファブリック着物(?)であれば、背縫いはつけなくても良い。が、実際、つけないで仕立てると、一言・二言、言われそうなので、つけておこう。▶二つ身 身長の2倍で作れるという建前の裁ち方。一つ身同様、90センチ幅などの服地であれば、作れるかもしれないが、裁ち方が面倒くさいことと、身幅が結果的に一つ身よりも狭く出来上がってしまう、全体の幅のバランスが悪いので、現在ではほとんど使われない裁ち方。 四つ身裁ちで代用できる。▶三つ身 身長の3倍で作れるという建前の裁ち方。両面物の生地でないと基本的には取れない。が、あれこれ、やりくりして取って取れないこともない非常に難しい裁ち方。 生地が財産だったころに、最後っ屁みたいにして、子供のころに一度は着るものだったらしい。現在は、そんな面倒な裁ち方をするなら四つ身裁ちのほうが、生地的にも有効活用できる。 広幅の服地で、幅が十分とれるなら、三つ身裁ちでもok。 七五三の子供物で、いわゆる「三つ身」とは、別物。▶四つ身 身長の4倍で作れるという建前の裁ち方。四つ身裁ちと、本裁ち四つ身があり、寸法によって使い分ける。 四つ身裁ちは、衽と前身頃がつながっていて、衽と前身頃の生地を小さくつまんで衽を作るつまみ衽
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紗合わせ

 絽、あるいは紗の生地に紗の生地を重ね合わせて2枚を1枚として、お単衣に仕立てた着物。 「紗袷」といういい方があるが、2枚の生地を一枚に「合わせ」るので「紗合わせ」が正しい。が、袷のように仕立てるやり方もあるので、この頃は「袷」でも間違いではないのかもしれない。  ただし、カテゴリ―分けするなら、「お単衣の着物」。 紗無双ともいう。▶仕立て方①2枚の生地を一枚として、お単衣に仕立てる。くけ目もお単衣同様に出す。②2枚の生地を一枚としてお単衣に仕立てるが、表にはくけ目を出さない。③外は外、中は中で縫って、袷のように閉じて裾は、お単衣同様に三つ折り。④2枚の生地を一枚として縫うが、たて褄(褄下or衿下)はバラして比翼のように仕立てる。①1番オーソドックスな縫い方。別に衿裏をつけるが、かけ衿だけは柄がなければ、外側の紗のみつけることもある。表にくけ目を出す分、目が落ちるとめくさい。縫込みは裏に全部見え、縫い目も見える。表から見ても裏から見ても普通のお単衣仕立て。 縫い目隠しと言って、縦縫いの縫い目を隠す縫い方が多く見受けられますが、脇の縫い込みも、衽の縫込みも、ゴロンゴロンして、手に当たるし、畳むときに、脇の線がずれるし、変なあたりは出るしで、いいとこなしなのに、高価な着物だからと言って、丁寧に縫った気になって畳み辛いとか本末転倒のような気がするが、これも、個人的な意見。裏勝りとは意味が違うので、隠さなくていいところを隠すのもなんか違う気がする。②2番目にオーソドックスな縫い方。①と全く同じだが、くけ目は中の絽、あるいは紗の生地のみを掬い、表にはくけ目は出さない。非常にきれいに仕上が
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寸法について

 昔は、と言っても、四半世紀ほどのことですが、まだ、嫁入り道具に、着物一式をギリギリ揃えていたころのことです。 着物は、すべて寸法が一緒ではありませんでした。それぞれの用途に合わせて寸法を変えています。 カクテルドレスがTシャツと同じ首周りではないように、袖ぐりも普段着とは違うように、着物も違うのです。▶袖丈 柔らか物、あるいは、たれ物とも呼ばれる小紋や色無地は、柄によってはちょっとしたかしこまった場所にも着ていけるので、これを基準にします。動きやすさと振りの捌き易さを考慮します。 多くは、1尺3寸ですが、当然、身長によって前後します。~140cm → 1尺2寸140cm~155cm → 1尺2寸5分150cm~165cm → 1尺3寸160cm~170cm → 1尺3寸5分165cm~    → 1尺4寸  部分的に重なるところは、体型によっても、また、好みによっても前後しますので、その含み分です。 訪問着は、普段着と違って、カクテルドレス格になるので、動きやすさは求めていません。むしろ、優雅さが欲しいので、これに+2寸。 逆に、紬や大島などの織の着物になると、今度は活動的になるので、優雅さは必要ありません。長すぎる袖丈は仕事の邪魔になるので、基本の袖丈-1寸。 紬や大島は、普段着として着倒す勢いで着るので、袖底が痛みやすいことから、特に短くしないで、傷んだそばから切り詰めていくこともあります。 また、10代であれば、基本の袖丈が1尺5寸ぐらいになります。かわいらしくてよいです。 長襦袢が合わなくなるとのご意見を頂きますし、それには同意しますが、よく考えてみたら、結婚式のドレ
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着物の柄置き

▶柄置きのポイント 右後ろ肩、左胸。これが、着物の柄の重要ポイントになります。 一番目立つきれいな柄を右肩に。2番目に大きな柄を左胸に配置することです。一方付けの、柄の向きが一方方向に決まって向いている柄の場合は、前ではなく、後ろを立てます。 右後ろの肩の柄を一番目だつように立てると、自動的に前身頃の丁度いいところに、逆さ向きの柄がきます。ここで問題が発生します。 洋服になれた昨今、着物で一番目立つところは、上前の前身頃だと思われがちですが、着物、つまりは和装の文化とは、正面切ってじろじろと値踏みするように見たりはしないのです。 夜目遠目笠の内、です。日本の美人は、素材の造形ではなく、着こなしであったり身のこなしであったりするのです。所作や言葉の美しさです。 じろじろ見ていいのは、傘の内のちょっと見難いところであったり、後姿の、本人の気づかないところです。 また、人の前面というのは、前掛けをしたり、座ったりしたら見えなくなります。また、手は、通常、前向きに動きますので、お袖で隠れたりします。一番汚れやすいところでもあり、お尻の部分と同じぐらい傷みやすくもあります。顧みて、後ろ身頃の肩は傘などを差しかけたり、何かを羽織ったりしない限り、隠れることはありません。 そういう理由もあって、右後ろ肩に一番いい柄を持ってきます。▶追いかけ裁ち 追い裁ち、おっかけ、と、さまざまに言われますが、左右に追いかけるように配置するので、追いかけ、といいます。 どのように追いかけるかというと、反物を寸法通りに屏風に重ねていきます。それを、左右にスライドさせます。上前の柄を下前の柄が追いかけるように同じ
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運針してみよう!

 あちこちに、運針の動画があるので、実際の動きはそちらを見ていただくとして。 言葉にするとややこしいのですが、一つずつ分解してみましょう! 和裁の基本なので、出来るようになっていおいて損はないです。洋裁でも使える技ですよ! ▶使用するもの 針:四の二、四の三、四の四 通常で、四の三を使用します。くけるときに少し余裕があるといいので、四の四を推奨していますが、手の大きさもあるので、標準的には四の三で大丈夫です。100均の針を購入して、いろいろ試してみると良いですね。 指ぬき:指皮とも言います 革製のものを丸く縫い合わせて作るものと、金属製のもの、指の当たるところが金属で補強してある市販のものと、いろいろありますが、金属製のものは、糸が切れやすいので推奨していません。が、あんまり生地が固いときは、糸を短くして、こまめに継ぐようにして、使うこともあります。皮だと、生地の硬さに負けて針がお尻から指に突き通ってくることがあります。▶針の持ち方 指先から1分針先を出して、親指と人差し指で挟んだら、指皮の当たるところに針を当てます。垂直・直角でなくてもいいのです。挟む指は、爪の先ではなく、指の腹です。 ▶左手の持ち方 左手で持つ手は、針先に対して、親指が垂直になるように持ちます。握りしめると布がしわしわになって、とれなくなるので、可能な限りふんわり持ちます。 一般的な解説では、右手と左手の親指が向かい合わせになるように解説していますが、間違いではありません。どちらでもやりやすいほうでok。それだと安定する布巾(ぬのはば)が少ないので、ちょっとぶれると縫い目が曲がりやすくなります。▶動かし方 
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羽織もの(羽織・コート・道中着etc)

 着物を帯を締めた状態で街中を歩くことは、とても、みっともないことなのだそうです。 へえ。としか。 正式には、着物に帯を締めた状態が良いそうなので、上に羽織ものを着るのはNGなのだそうです。正装で街中を歩くことが良くないのは、何故なのかは、どこにも語られていません。どこの着物先生がおっしゃったのでしょう。 つまり、どんなに寒くても、お葬式で羽織を着てはいけない。ということになります。 どこかで読んだことがあります。 おしゃれとはやせ我慢の境地にある、説。 和装の喪服におしゃれもないだろうに。 昔、着物と帯、そして羽織は必ずセットでお勧めされていました。喪服もそうです。五つ紋の黒に五つ紋の黒の羽織。 ちりよけ、温度調節、帯、着物の保護、純粋におしゃれ、いろいろ、その役割はありますが、上からの羽織ものに格はありません。が、厳密に、本当に厳密にいうならば、仕立上の上下はあります。羽織 マチがあり、キセがかかります。キセをかけるのは、室内でも着用できますので、カーディガン的位置づけになるでしょうか。 帯が見えるので、比較的改まった時にでも、着ていける、というのが私時代のTPOでしたが、今は、ダメらしいです。コート 立衿が付き、縫い目は割ります。主に塵除けに着るので、キセがあると、ほこりがキセに溜まってしまいます。出来るだけ、外の汚れ、忌みを持ち込まないようにほこりがするっと落ちるように、可能な限りフラットに作ります。なので、キセはかけません。 縫い目が結界の役割をしますが、その結界を破ろうと縫い目部分に悪いものはとりつくのだそうです。ですから、屋根のある所では、コートは脱ぎます。室内に
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麻の襦袢につける半襟

 麻のお襦袢につける半襟は、どなたも悩むようですが、絽の半襟が良いかと思います。 麻なので、麻素材の布を、と、ご希望される方がいらっしゃいますが、半襟は、襦袢の数少ないおしゃれ要素なので、着物素材と同じでは洒落っ気がありません。 透け感を重視して涼し気に、絽の半襟をお勧めしています。(令和3年10月)
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