喪服という名の色無地
黒一色で、五つ紋が染め抜かれてる着物を一般的に「喪服」と言いますが、逆に言うと、黒に染められた色無地に五つ紋を染め抜くと、喪服になります。 つまり、喪服は、黒い縮緬の色無地なのです。喪服なので、綸子などの光沢のあるものは使いません。男物は羽二重です。 綸子の黒い色無地は、五つ紋を染め抜いても、喪服にはなりません。礼装用の着物にはなりますが、現在のところ、黒一色の着物を喪服として認識されていますので、対外的にあまりよろしくは思われません。 あんまりピカピカ黒光りする「黒」は、品が良くないとされます。喪服は鈍色が良い。薄墨の喪服は悲しみの深さの色だそうですよ。たくさん涙を流して黒の色が黒が薄くなったのだそうです。 黒が正式に正装となったのは、明治からで、それ以前は、白の紋付も正装でした。 今も、北陸のほうには白喪服も多いと聞きます。神道の文化が濃いところは、白喪服が残っているようです。神前は黒は忌み色ですので、神様の御前に参るのには不適当になります。 着物のなかで、最礼装は色無地の五つ紋です。誰が着ても良い礼装の最高格になります。色喪服はそういうところから来てます。今、五つ紋を染め抜いた色無地は、どこにも着ていけませんので、一つ紋で喪帯を締めて、色喪服とします。江戸小紋です。特に、三役のものに限定されると聞きましたが、呉服屋さんによっては、江戸小紋であればなんでもいいらしいことを聞きました。 本当ですか? 以下、既婚の礼装で留袖、未婚の色留め、未成人の振袖、と格が決まってきます。 私年代の色留めは、紋を入れた訪問着と同格と言われていましたが、今、どうなんでしょう。 私が知ってい
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