一つ身・二つ身・三つ身・四つ身

記事
美容・ファッション

▶一つ身

 後ろ身頃が一枚で、背縫いのない裁ち方。
 お宮参りの掛け着(祝い着、初着、熨斗目などともいう)や広幅の主に男物の襦袢に使用される。
 そもそも、背縫いのない着物は悪霊がとりつくのだとかで、まだ、払う力のない赤子の着物には、背守(背飾りといったりもする)をつける。
 背に紋をつけるのは、背守と同じ悪霊退散の意味もある。
 大人物で広幅の十分寸法の取れるファブリック着物(?)であれば、背縫いはつけなくても良い。が、実際、つけないで仕立てると、一言・二言、言われそうなので、つけておこう。

▶二つ身

 身長の2倍で作れるという建前の裁ち方。一つ身同様、90センチ幅などの服地であれば、作れるかもしれないが、裁ち方が面倒くさいことと、身幅が結果的に一つ身よりも狭く出来上がってしまう、全体の幅のバランスが悪いので、現在ではほとんど使われない裁ち方。
 四つ身裁ちで代用できる。

▶三つ身

 身長の3倍で作れるという建前の裁ち方。両面物の生地でないと基本的には取れない。が、あれこれ、やりくりして取って取れないこともない非常に難しい裁ち方。
 生地が財産だったころに、最後っ屁みたいにして、子供のころに一度は着るものだったらしい。現在は、そんな面倒な裁ち方をするなら四つ身裁ちのほうが、生地的にも有効活用できる。
 広幅の服地で、幅が十分とれるなら、三つ身裁ちでもok。

 七五三の子供物で、いわゆる「三つ身」とは、別物。

▶四つ身

 身長の4倍で作れるという建前の裁ち方。四つ身裁ちと、本裁ち四つ身があり、寸法によって使い分ける。
 四つ身裁ちは、衽と前身頃がつながっていて、衽と前身頃の生地を小さくつまんで衽を作るつまみ衽の仕立て。さらに、八掛が共でつながっていると、ねじり褄という仕立てになる。衿は後ろ身頃の背からとる。
 衿裏は、胴裏を付け、衿先は大人物と同じに仕立てる。
 本裁ち四つ身は、大人物と同じ裁ち方で、衿は棒衿に仕立てる。衽も別衽。
 主に、七五三の7歳の着物の裁ち方。

▶本裁ち

 大人物の裁ち方。寸法によっては7歳も本裁ちで取る、本裁ち四つ身がある。十三参りからはこの裁ち方。

                   以上(令和3年6月現在)

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す