気楽に読んでください、呼吸のおはなし ~その35~
今回は説明が難しい。これは、椅子に座ってやることにしましょう。パートナーは相手の前肩と肩甲骨を両手でホールドするような形になります。左の肩へのアプローチだとしますと、施術する人は相手の左側に相手の方を向いて座ります。左の掌で相手の前肩を包むようにして、右手は肩甲骨の下部の先細りになっていく部分、そこを下から指先で掬い上げるように支えます。そして、両手同時に真上方向に数センチ程上昇させます。これは何をやってるのかと言いますと、第30回でご紹介した肩を持ち上げてゆっくり降ろす呼吸、これを、自分の筋力を全く使わずに経験してもらう、そんなケアをやっているのです。パートナーの両手で、自分の肩、今ご説明しているのは左の肩、それをググっと持ち上げてもらえる。すると、その作用で本当に体が勝手に息を取り込んでくれているのを実感出来ます。そしてパートナーの両手で、自分の自然な呼気の速度に合わせるようにそっと丁寧に肩を元の位置へと降ろしてもらうのです。一回から二,三回、どうぞやってみてください。普段の自分が、どれだけ頑張って緊張を当たり前に抱えて生きているかが分かり過ぎて、そして、ワークによってもたらされた平和な感覚との差に驚くかも知れません。反対側の肩をやってもらう前に、良い機会ですから違いを充分に味わってください。きっと、体の中心に線があって、そこを境に左右で別人のように感じることでしょう。施術する側のコツは幾つかありまして、先ずはやっぱりビビッて恐る恐る相手に触らないことです。特に肩甲骨を下から掬い上げる指先は、割としっかり目に、多少肩甲骨の裏の隙間に食い込む位しっかりとホールドしてあげてくだ
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