【「やっくん」久木弥九蔵:著 第5回】
今月末まで、過去のブログを一部修正を
施した上で再掲載とさせていただきます。
本日は、初期の名作、久木弥九蔵自叙伝
「やっくん」全7回の第5回目をお届け。
前回のブログも併せてご覧くださいませ。
──────────────────── 三十を過ぎてから婚活し、まあ人並みか
どうか分からんが結婚した。妻との仲は
別段悪くはなかったが、家庭より仕事と
実家を優先する妻との間に夫婦の生活と
呼べるものは存在しなかった。そのため、
時には苦言も呈したが、もし、あの頃の
自分に今と同じ学びが身に付いていれば、
妻との関わり方も違っていた筈だろうし、
最悪の事態を迎えることもなかったかも
知れないのだが、結局、この結婚生活は、
四年と十カ月で破綻した。結婚している
間だけは、守らねばならない家庭がある
という意識で職場でも心を抑えられたが、
折しも、家庭の崩壊と職場との衝突とが
同時に訪れ、家庭と仕事を一度に失った。
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離婚後、ある人の希望で支援を受け起業
することになった。気は進まなかったが、
過去の関係上断れなかった。遺憾ながら、
開業前に空中分解し、人間関係の崩壊と、
多額の財産を誤魔化されたという事実が、
苦い思い出として残ることになったのだ。
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一度に多くの不幸に見舞われた心労から、
次の勤め先で、遂に精神疾患を発症した。
医師の診断と指導で、「双極性感情障害」
とされ、精神障害者保健福祉手帳所持者
となり、故に不利な立場に置かれている。
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