【そんなことないやろ…】

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学び
 人は、危機に直面したり、痛みや葛藤を
 感じると、自分を守るための防衛反応が
 働く。これを「防衛機制」というのだが、
 13の「防衛機制」の中から第2回目の
 今日は、「否認」を取り上げて話したい。
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 この「否認」とは、「認知はしているが、
 それを認めてしまうと不安を引き起こす
 ので、認めないようにし、認知を弱体化
 する無意識的な心の働き」である。私の
 例で言うなら、医師に「双極性感情障害」
 の診断を受けていることを「あの医者は
 間違っている。私は双極性感情障害では
 ない!(これが通常の「否認」)」とは
 思わないまでも「自分はそう思わないが、
 医師が言うならそうなんだろう」程度に
 しか受け止めていない。そのため、通院
 以外の場面では一切意識することがない。
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 もう一つ、例を挙げると、嘗て私がいた
 劇団で、公演終了後、楽屋でアンケート
 に書かれたお客様の厳しい意見を読んで、
 「そんなことないやろ」と一言のもとに
 片づけた看板役者がいたが、これもまた
 「否認」の一つ。「お客は間違っている。
 我々の芝居にそんな指摘を受けるところ
 はない!」と言っているのと同じことだ。 
 私は、この時、口にこそ出さなかったが、
 「こんなことを言っているようではこの
 劇団は伸びない」と内心では思っていた。
 どの世界でも、お客様の厳しい意見こそ、
 成長の糧として欠かせない大切なものだ。
 それを「否認」することは成長を妨げる。
 「否認」は、かくも恐ろしいものなのだ。
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 認知をすると不安になる。だから「否認」
 をする。心の働きとして自然なことだが、
 認知したくない事実から逃げ回っている
 ことの方が、問題解決や成長を妨げると
 いう意味で不安が大きいのではないかと
 私は思う。逃げずに認知し、向き合って
 いく強い気持ちを誰もが持ちたいものだ。
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 駄文の御閲覧、心より感謝申し上げます。
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