【勝手な渾名をつけないで 認知の歪み⑤】

記事
学び
 メンタルヘルス不調の人が悪循環に陥る
 ネガティブな思考の癖にアプローチする
 認知再構成法とは、過度にネガティブな
 気分・感情や不適応的行動と結びついた
 認知(自動的な思考やイメージ)を同定
 して様々な視点からその認知を検討する
 ことによって代わりとなる新たな認知を
 自分で再構成するための技法なのである。
 認知の構造としては、ある特定の場面に
 おいて、瞬間的にオートマチックに頭に
 浮かぶ考えやイメージ(自動思考)には、
 妥当なものと「妥当でないもの、或いは、
 部分的にしか妥当ではないもの(否定的
 自動思考=認知の歪み)」があるもので、
 この「認知の歪み」について話をしたい。
 第5回目の今日は、「レッテル貼り」を。
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 この「レッテル貼り」とは、より合理的
 な根拠を考慮せず、自分や他者に対して、
 否定的で包括的なレッテルを貼り、結果、
 否定的な結論を出す。つまりは、偏見に
 基づいてある人や物事を何らかの一言で
 片づけて、ステレオタイプ(多くの人に
 浸透している固定観念や思い込み等)に
 押し込むことで、レッテルは個人が貼る
 場合も社会が貼る場合もある、とされる。
 アンチ・にわか・ネトウヨ・キモオタ・
 低学歴・ニート・引きこもり・タカ派等、
 貼られるレッテルは数々あるが、要点は、
 自分と関わりのある相手の属性を勝手に
 決めつけることで、相手の意見や論理を
 頭に認識し易い状態としてまとめられる。
 議論の相手に上手く反論できない場合に、
 取り敢えず何らかのレッテル貼りをする
 ことで説得力を薄め、相手がどう正論を
 唱えてもステレオタイプに押し込むのだ。
 これらのことに合理的な根拠は何もない。
 母が昔、「バイクに乗る子って大体悪い
 子やん」とバカなことを言ったのと同じ。
 例えば、他人が今の私の生活を目にして、
 ニート・引きこもりといったレッテルを
 貼るのは簡単だ。カウンセラーとしての
 勉強や宣伝に明け暮れている毎日を見て、
 「固定収入がまだない」、「外に出ない」
 といったことを偏見に基づいてニート・
 引きこもりの一言で片づけた上、更には、
 双極性感情障害の診断を受けている一応
 世間的には3級の障害者、ということに
 なれば、社会不適合者・ダメ人間・人間
 失格の烙印を押すことも可能だ。これは、
 あくまでも例としてで、私自身が自分で
 自分にこれらのレッテルを貼っている訳
 では決してないということを言っておく。
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 「レッテル貼り」をされた場合、相手に
 しない、自分はそうじゃないと意見する、
 等が有効だと言うが、それ以前に、こう
 いった「レッテル貼り」に惑わされたり
 反論するより自分が「レッテル貼り」を
 せず様々な視点で他者や物事をしっかり
 捉えられるように己の人としての力量を
 磨くのに限る。少なくとも私はそう思う。
 このように思うことが「認知の修正」だ。
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 プロ野球選手の誰それに似ているだとか、
 アニメの何々に出てきそうだとか、勝手
 な思い込みで変な渾名をつけられるのも
 「レッテル貼り」の一つだろう。学生の
 頃にはそれで随分閉口させられたものだ。
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 駄文の御閲覧、心より感謝申し上げます。
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