【直感こそ事実?! 認知の歪み④】

記事
学び
 メンタルヘルス不調の人が悪循環に陥る
 ネガティブな思考の癖にアプローチする
 認知再構成法とは、過度にネガティブな
 気分・感情や不適応的行動と結びついた
 認知(自動的な思考やイメージ)を同定
 して様々な視点からその認知を検討する
 ことによって代わりとなる新たな認知を
 自分で再構成するための技法なのである。
 認知の構造としては、ある特定の場面に
 おいて、瞬間的にオートマチックに頭に
 浮かぶ考えやイメージ(自動思考)には、
 妥当なものと「妥当でないもの、或いは、
 部分的にしか妥当ではないもの(否定的
 自動思考=認知の歪み)」があるもので、
 この「認知の歪み」について話をしたい。
 第4回目の今日は、「感情的理由づけ」。
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 「感情的理由づけ」とは、自分ではそう
 感じる(そう信じている)から、それが
 事実に違いないものと思い込み、それに
 反する根拠を無視するか、低く見積もる。
 ということである。平たく言えば自分の
 直感を事実だと決め込むことだ。例えば、
 自分は職場で存在を無視されたり能力を
 軽く見られていると感じている、だから、
 それは事実に間違いないと決めつけたり
 (他人からの評価を考慮には入れない)、
 自分は女子社員に悪口を言われていると
 感じる、だからそれは事実に違いないと
 (確認した訳でもないのに)決めつけて
 しまう等がそれにあたる。私の経験から
 言うと、こういったことは当たらずとも
 遠からず、ということも多いが、やはり、
 直感を根拠より重視しては人間関係構築
 に支障をきたすし、ストレスも増加する。
 ただ、はっきり言えるのは、そうやって
 決めつけてしまうのには、そうせざるを
 得ない何かが過去にあった可能性が大だ、
 ということだ。それこそが、根拠のない
 決めつけの根拠なのだが、だとするなら、
 過去にあったその何かに対して何らかの
 形で本人の気の済むように対応するなり、
 同じことが二度と起こらない環境を作る
 必要が出てくる。これは周囲全ての人に
 課せられる責務であり、特に、メンタル
 ヘルス指導員が果たすべき役割は大きい。
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 決めつけるには決めつけるだけの、怒る
 には怒るだけの経緯が、決めつける側や
 怒る側にもある。その経緯について解決
 が成されずに、本人の心にわだかまりが
 あると、したくなくてもせざるを得ない。
 それが「感情的理由づけ」だと私は思う。
 しかし、したくなくてもせざるを得ない
 経緯からの「感情的理由づけ」は、最も
 多い自己破壊の形でもあり、ここは先ず、
 「感情的理由づけ」をせざるを得ないと
 いう環境の改善、決めつけている事柄の
 真偽の確認、これらに取り組み、自らの
 思考に情報を加えて、より正しい判断を
 下すのに限る。少なくとも私はそう思う。
 このように思うことが「認知の修正」だ。
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 「感情的理由づけ」をせざるを得ないと
 いう状況にまで追い込まれている人には、
 それと逆の状況、本人が満足し「感情的
 理由づけ」をしなくて済むだけの状況を
 体験してもらう必要がある。このことは、
 甘やかしでも何でもなくメンタルヘルス
 ケアとして必要な指導員の責務でもある。
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 駄文の御閲覧、心より感謝申し上げます。
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