タロット読みのドラマ鑑賞🔮|なぜ最強の魔女たちは旅立ったのか?:マーベル『アガサ・オール・アロング』(前編)
数あるマーベル・シネマティック・ユニバースの中でも、『アガサ・オール・アロング』はかなり異色の作品です。『ワンダヴィジョン』のスピンオフとして制作された本作の主人公、アガサ・ハークネスは、とても奇妙で魅力的なキャラクターです。『ワンダヴィジョン』での彼女は、ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)の力に目をつけ、彼女の作り出した世界に入り込み、隣人アグネスを装って登場します。狡猾で、欲深く、嘘がうまい。人を利用し、力を奪い、生き延びるためなら平気で相手を傷つける。けれど、だからこそ目が離せない。『アガサ・オール・アロング』は、そんな“ヴィランの魔女”を中心に据えた物語です。※この記事は、Disney+『アガサ・オール・アロング』全9話、とくに第7話「死と手をつなぎ(原題:Death’s Hand in Mine)」の内容に触れています。未視聴の方はご注意ください。『ワンダヴィジョン』の終盤で力を失い、ウエストビューの街に閉じ込められ、記憶を失っていた彼女は、謎めいた少年ティーンによって、再びアガサとして目覚めます。けれど、最強の魔女と呼ばれたかつての魔力は戻っていない。そこで彼女は、「失ったものを取り戻せる」と言い伝えられている伝説の“魔女の道”へ向かうため、それぞれに何かを失った魔女たちを集め、魔女団を結成しようとします。そして、この作品が何より興味深いのは、ただ“魔女っぽい雰囲気”を楽しむドラマではないということ。魔女の道。魔女団。失われた魔力。呪い。守護魔術。ポーション。占術。そしてタロット。それらは単なる装飾ではなく、登場人物たちの傷や欲望、失われた力、そして死に深
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