【第2回】国が用意した「飛び級特例」。スタートアップが公共調達の壁を越える日
前回(【第1回】3,000億円市場を阻む「実績の壁」——官公庁とスタートアップ、文化のズレを紐解く)では、3,000億円規模と言われる公共調達市場に立ちはだかる「実績の壁」と、官公庁とスタートアップの間にある文化のズレについて紐解きました。「壁の存在は理解できたが、結局のところ過去の実績がないと官公庁の案件は取れないのではないか」そのように感じた方も少なくないはずです。しかし今回は、その分厚い壁を官公庁がどのように壊そうとしているのか、現在進行形で起きている「ルール変更」の裏側をお伝えします。結論から言えば、今、官公庁はスタートアップ向けに「飛び級」とも呼べる特例を本格的に用意しています。実績の壁を越える「飛び級」の特例これまでの公共調達(官公庁が民間からモノやサービスを購入すること)では、企業の資本金や過去の販売実績によって、厳格に「A〜D」のランク付けがなされてきました。大型案件には、必然的に実績豊富な大企業(Aランク)しか参加できない仕組みだったのです。私が現役の発注担当者だった頃にも、「このランク制度が参入障壁になっているのでは」と率直に感じる場面が多々ありました。実際に、この競争参加資格のランクを意識せずに入札書類を提出される営業担当者の方は意外と多く、発注側として『要件不備』で機械的に弾かざるを得ず、心苦しく思うこともあったのです。しかし新しいルールでは、この前提が覆りつつあります。「客観的に高い技術力が証明された特定のスタートアップ」であれば、本来はCランクの企業であっても、いきなりAランクの大型案件に入札(最も有利な条件を出した企業と契約する仕組み)できる特例が
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